櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

自由自然(じゆうじねん):レッスン報告8/30~31 舞踏、オイリュトミー

2011-09-01 | レッスン・WSノート
★8/30「ほびっと村学校『舞踏』WS」

いつものようにストレッチなどしながら少しばかりの歓談、そのあと。

ど~んと床に横たわっていただき、じっくりとカラダを立ち上げていきました。
そのまま、しばらくのあいだ、水滴の音をきいてもらいました。
自らが呼吸するその音とともに。

しんしんと響く水滴の音の中で、
じわりじわり、節々をうごかしたり、脱力したり、くっと力を入れたり、
思い切りため息をついたり、
ともかく、思い思いの時間をたっぷりかけて、
からだほぐしというのかしら、いえ、少し別の言い方をするならば、
からだをいたわる。感覚をからだに還してゆく。
そんな時間になりました。

今日一日を働いた、暮らした、
そんなことごとに対する「ごくろうさま」を黙って語りかけること。
踊りの前に労働がある。
働いた手や、働いた足や、
働いた背や、働いた心や、
それらに対する、内側からのいつくしみ
やはりそこから、始まります。
からだとの対話がはじまる時間・・・。
カラダと意識の経過に立ち会いながら、そんなふうに感じました。

音を変え、いくつかの言葉を語りかけ、
静かに佇まいながら、
心身に染み込ませてゆきました。
たとえば、
「薄明の川をさかのぼる鮭・・・」
たとえば、たとえば。

眼をとじ口をとじ、集中力がカラダに入り、空間に広がりながら、
背筋の伸び上がる時、
今日の踊りが始まってゆきました。

やはり、足を踏みました。
何度も何度も踏みながら、それは「あるく」というのか「ステップ」というのか、
何やらユーモラスで、何やら哀しみで、何やら力強さで、
一足一足、味わい豊か。
その身体感覚を味わうことから、
からだの解放が始まってゆきました。
まず踏むことだ。
僕はそう思います。

即興、それはスルものではなく、興るもの。
意識のシフトを待ち、わずかな変化を受けとめ、波を読み、気配をひろげてゆく。
いや、あまり、そんなふうにまとめちゃいけない。
まあ、とにかく沢山、踏んでもらいました、歩いてもらいました。
その中に、笑みや翼があらわれた。解放、これは結果。
職場でもなく家でもない場所で、
決して孤独ではなくしかし、きっちりと「一人」の時空を味わい、舞い遊ぶ。
リフレッシュ、リボーン・・・。
そんな積み重ねの中から、自発自由自然、の方向へ。

「足の裏に世界がある」とは、吉岡実氏の詩編にある言葉。
それを彷彿とさせる稽古でした。

ちょっと抽象的な描写すみません、だけどこんな感じにしか書けない独特の空間が顕われてしまうんです、このクラスは・・・。
ともかく、8月30日、いいセッション、ありがとうございました。
これからも、よろしくおねがいします!

※9月は13(火)と27(火)に行ないます。参加ご案内
_________________________
★8/31「オイリュトミー・定期クラス」

きょうは、がんばりました!
ここでも、やはり足。
本日はトーンオイリュトミー(音楽の舞)の振付稽古。
ドビュッシーの「月の光」。
ようやく、最後までフォルム(フロアパターン)が完結!

フォルムというのは舞いの動線、音の響きや広がりを空間にとらえたものでもあり、オイリュトミーにおける振付のベース(写真は、今回のメモ)。
これは、音楽と肉体の出会いの軌跡でもあり、うまく出来た時には美術的なドローイングとしてもなかなかおもしろいものが出来てきます。
この線上を、さまざまなニュアンスで歩いたり駆け抜けたりステップしたり。
ともかく練習、やがて「この音楽の足」ができあがってゆく。
鋭い「点」があり、
たゆたう「波」があり、
大胆な「踏破」があり、
身をまかせてゆく「渦」があり・・・。

オイリュトミーの稽古を重ねると、何よりも足が繊細になると言われるわけですが、
それは、ただ足だけがというのではなく、全身の流動性が足まで伝わってゆくということ。
ともかく、足は腰へ、腰は背骨へ、背骨は肩へ腕へと、どんどんひろがって踊りの表情が見えてくる。
そんなプロセスを、この曲ではたっぷりと味わってみたいです。

あと、オイリュトミー独特のものの一つに、身体による色彩表現がありますが、
今季の稽古では、これを少しばかり反映。
ドビュッシーならではの変化に富む音響世界を、心の色彩変化として舞踊化することを楽しんでいきたいと思っています。(色彩と踊りのことは、また詳しく書きます)

オイリュトミーは、くれぐれも「楽しんで」というのがポイント。
動きによって音楽や詩のもつエネルギーの流れを感じる楽しみが、オイリュトミーの醍醐味です。
レッスンは音の響きやコトバの響きや舞のあらわれを楽しむための道案内です。
いよいよ、稽古が面白くなってくるところです。
おおらかに、無心に、どんどん踊ってゆきましょう!

※「水曜オイリュトミー」今の時期は、ややくわしい内容の稽古となっています。まずはご見学から!
※11/23(祝)に公開稽古(クラスショーイング+体験WSの会)を予定。その後、あたらしく入門者を募ります。初歩に集中する短期レッスンも計画中。
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