NHKラジオ第一の早朝番組「健康ライフ」から。
解説は東北大学教授の伊藤 貞嘉(さだよし)Dr.。
高血圧は不整脈の大きなリスクであり、無視できません。
心房細動の抗凝固療法の適応にも高血圧の項目があります。
この放送、基本的な内容が解説されているので、参考になりました。
現在は医療機関で測定する血圧よりも家庭での血圧の方が重視されているのですね。
ただし、高血圧基準は
(医療機関で測定)140/90mmHg以上
(家庭で測定)135/85mmHg以上
と5mmHg異なるそうです。
薬物療法以前に自分でできることは、とにもかくにも「塩分制限」。
日本人は昔より塩分摂取量が減ったと言われますが、それでも10-11g/日と、WHO推奨の塩分摂取量である5g/日未満の2倍です。
日本の塩分摂取推奨量は、男性8g/日未満、女性は7g/日未満に設定されており、厚労省も腰が引けている印象が否めません。
私はゆるやかなロカボ生活(炭水化物制限)をしており、ご飯を食べない日々が3年間続いています。
そこでしみじみ感じるのは、日本のおかずはご飯が進むようにしょっぱい!
おかずだけでは食べられないほどしょっぱい!
他のブログでも書きましたが、米食を基本とする日本人の食生活は、
1.炭水化物(=分解されればブドウ糖)でインスリンを浪費し糖尿病につながる
2.塩分の多いおかずになりがちで高血圧につながる
という国民病を抱える事態になってしまったのですね。
しかし近年、肉食(赤肉、加工肉)も癌発生リスクを上昇させると言われはじめています。
健康長寿にはどんな食生活がベストなのでしょう?
□ 「血圧が高いと身体にどう悪影響?」(2018.12.3放送)
・現在、日本人の4300万人が高血圧。60歳代では男女ともに6割、70歳代では男性の8割、女性の7割が高血圧。
・高血圧基準:140/90mmHg以上(医療機関で測定)
理想は120mmHg、その間のグレーゾーンは生活習慣をあらためる対象。
・高血圧は脳卒中、心不全、腎不全につながる。この3つの臓器中では太い血管から細い血管が直接枝分かれするため影響が大きい。動物は命が危険にさらされる低血圧から体を守るためにこの様なシステムを作った。命を守るためのシステムが、逆に命を危険にさらすシステムになってしまったというジレンマ。高血圧や肥満で命を落とすことは、進化の視点からは想定外なのである。ちなみに、人間以外には高血圧は存在しない(塩分の過剰摂取がないため)。大切な臓器を守るために血圧を正常に保つ必要がある。
・140mmHg以上の疾患リスク:脳卒中3倍、末期腎不全:8倍(男性)、2倍(女性)
・上下の血圧の見方;
上の血圧が高く下はそうでもない → 加齢の影響
下の血圧だけが高い:何かしら原因がある?
□ 「本当の血圧とは?」(2018.12.4放送)
・診察室血圧 → 家庭血圧が基準として使われるようになった。
・診察室血圧は、家庭血圧より5mmHg高い。
・家庭血圧(朝排尿後、夜安静時)の高血圧基準:135/85mmHg以上。
・測定方法:椅子に座って測る(正座では高くなる、臥位もよくない?)、1-2分安静にして落ち着いてから測る。腕に巻く血圧計がベター(カフを心臓の高さに設定)。
・診察室血圧と家庭血圧が大きく異なるとき;
診察室血圧>家庭血圧 → 白衣高血圧:すぐに治療は必要ないが、将来高血圧になる可能性大。
診察圧血圧<家庭血圧 → 仮面高血圧:睡眠中、朝の血圧が高いことが多い・・・腎臓が悪い/糖尿病がある場合や高血圧の薬を飲んでいる場合など。
□ 「加工食品の塩分には要注意」(2018.12.5放送)
・すべての生物(ミミズでもカエルでもヒトでも)の血液の塩分濃度は0.9%。0.9%が0.8%になっても1.0%になっても死んでしまう。塩分を多く摂ると血液を薄めるためにのどが渇いて水分を摂り薄めていろいろなホルモンが働き腎臓から排泄する。
・血液量が増えすぎると心不全になるが、それを防ぐために働くのが腎臓。
・腎臓が処理できない塩分が入ると、血圧を上げて排泄しようとするため、高血圧につながる。
・必要塩分量は2-3g/日。母乳栄養の赤ちゃんを考えてみよう。
・現在の日本人平均は10-11g/日。
・厚労省推奨塩分摂取量は、男性8g/日、女性7g/日未満(WHOは5g/日未満)。
・塩分の減らし方:出汁を取ってうまみ成分をたくさん含むと塩分濃度が低くてもそれを感じない。
・しかし塩分摂取の60%は加工食品からである。
・インスタントラーメンには塩分が5gも入っている!
・成分表示のまやかし:Na×2.5倍 → 食塩量。
・イギリスが2006年に加工食品の塩分を国民にわからないように少しずつ減量(10年間に20-40%)したら、高血圧が減り、脳卒中・心臓病による死亡が40%減少した。
□ 「薬で血圧を下げるのは通過点」(2018.12.6放送)
・血圧を下げる目的は、脳卒中・心不全・腎不全を防ぐこと。
・薬物療法以前に、生活習慣を見直すことが必要、それでも下がらなかったら薬物療法を考える。
・現在の日本では高血圧患者は4300万人、治療を受けているのは2000万人、しかし140mmHg以下にコントロールされているのは1000万人強にとどまる。
・高血圧薬は一生飲み続けることが基本、減量は可能であるが中止は難しい。
・中断の理由:副作用出現、効きが悪かった、など。
・高血圧薬は大きく4種類に分類される:Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、利尿薬。
□ 「高血圧にまつわるエトセトラ」(2018.12.7放送)
・血圧の左右差がある場合 → 10-15mmHg以上差があるときは血管に問題がある(ふつう右>左)。
・上の血圧と下の血圧の差が大きい場合 → ふつう40-50mmHgの範囲、60mmHg以上では動脈硬化が進んでいると考える。
・若い頃からの高血圧には二つのパターン;
① 遺伝性(本態性高血圧)
② 二次性高血圧。全体の1-2割。腎臓の血管が細くなったり、ホルモン異常があったり。ふつうの薬が効きにくい。同じ高血圧の数字でも合併症のリスクが高くなる。
・高血圧は自覚症状がないため「沈黙の殺人者」と呼ばれる。
解説は東北大学教授の伊藤 貞嘉(さだよし)Dr.。
高血圧は不整脈の大きなリスクであり、無視できません。
心房細動の抗凝固療法の適応にも高血圧の項目があります。
この放送、基本的な内容が解説されているので、参考になりました。
現在は医療機関で測定する血圧よりも家庭での血圧の方が重視されているのですね。
ただし、高血圧基準は
(医療機関で測定)140/90mmHg以上
(家庭で測定)135/85mmHg以上
と5mmHg異なるそうです。
薬物療法以前に自分でできることは、とにもかくにも「塩分制限」。
日本人は昔より塩分摂取量が減ったと言われますが、それでも10-11g/日と、WHO推奨の塩分摂取量である5g/日未満の2倍です。
日本の塩分摂取推奨量は、男性8g/日未満、女性は7g/日未満に設定されており、厚労省も腰が引けている印象が否めません。
私はゆるやかなロカボ生活(炭水化物制限)をしており、ご飯を食べない日々が3年間続いています。
そこでしみじみ感じるのは、日本のおかずはご飯が進むようにしょっぱい!
おかずだけでは食べられないほどしょっぱい!
他のブログでも書きましたが、米食を基本とする日本人の食生活は、
1.炭水化物(=分解されればブドウ糖)でインスリンを浪費し糖尿病につながる
2.塩分の多いおかずになりがちで高血圧につながる
という国民病を抱える事態になってしまったのですね。
しかし近年、肉食(赤肉、加工肉)も癌発生リスクを上昇させると言われはじめています。
健康長寿にはどんな食生活がベストなのでしょう?
□ 「血圧が高いと身体にどう悪影響?」(2018.12.3放送)
・現在、日本人の4300万人が高血圧。60歳代では男女ともに6割、70歳代では男性の8割、女性の7割が高血圧。
・高血圧基準:140/90mmHg以上(医療機関で測定)
理想は120mmHg、その間のグレーゾーンは生活習慣をあらためる対象。
・高血圧は脳卒中、心不全、腎不全につながる。この3つの臓器中では太い血管から細い血管が直接枝分かれするため影響が大きい。動物は命が危険にさらされる低血圧から体を守るためにこの様なシステムを作った。命を守るためのシステムが、逆に命を危険にさらすシステムになってしまったというジレンマ。高血圧や肥満で命を落とすことは、進化の視点からは想定外なのである。ちなみに、人間以外には高血圧は存在しない(塩分の過剰摂取がないため)。大切な臓器を守るために血圧を正常に保つ必要がある。
・140mmHg以上の疾患リスク:脳卒中3倍、末期腎不全:8倍(男性)、2倍(女性)
・上下の血圧の見方;
上の血圧が高く下はそうでもない → 加齢の影響
下の血圧だけが高い:何かしら原因がある?
□ 「本当の血圧とは?」(2018.12.4放送)
・診察室血圧 → 家庭血圧が基準として使われるようになった。
・診察室血圧は、家庭血圧より5mmHg高い。
・家庭血圧(朝排尿後、夜安静時)の高血圧基準:135/85mmHg以上。
・測定方法:椅子に座って測る(正座では高くなる、臥位もよくない?)、1-2分安静にして落ち着いてから測る。腕に巻く血圧計がベター(カフを心臓の高さに設定)。
・診察室血圧と家庭血圧が大きく異なるとき;
診察室血圧>家庭血圧 → 白衣高血圧:すぐに治療は必要ないが、将来高血圧になる可能性大。
診察圧血圧<家庭血圧 → 仮面高血圧:睡眠中、朝の血圧が高いことが多い・・・腎臓が悪い/糖尿病がある場合や高血圧の薬を飲んでいる場合など。
□ 「加工食品の塩分には要注意」(2018.12.5放送)
・すべての生物(ミミズでもカエルでもヒトでも)の血液の塩分濃度は0.9%。0.9%が0.8%になっても1.0%になっても死んでしまう。塩分を多く摂ると血液を薄めるためにのどが渇いて水分を摂り薄めていろいろなホルモンが働き腎臓から排泄する。
・血液量が増えすぎると心不全になるが、それを防ぐために働くのが腎臓。
・腎臓が処理できない塩分が入ると、血圧を上げて排泄しようとするため、高血圧につながる。
・必要塩分量は2-3g/日。母乳栄養の赤ちゃんを考えてみよう。
・現在の日本人平均は10-11g/日。
・厚労省推奨塩分摂取量は、男性8g/日、女性7g/日未満(WHOは5g/日未満)。
・塩分の減らし方:出汁を取ってうまみ成分をたくさん含むと塩分濃度が低くてもそれを感じない。
・しかし塩分摂取の60%は加工食品からである。
・インスタントラーメンには塩分が5gも入っている!
・成分表示のまやかし:Na×2.5倍 → 食塩量。
・イギリスが2006年に加工食品の塩分を国民にわからないように少しずつ減量(10年間に20-40%)したら、高血圧が減り、脳卒中・心臓病による死亡が40%減少した。
□ 「薬で血圧を下げるのは通過点」(2018.12.6放送)
・血圧を下げる目的は、脳卒中・心不全・腎不全を防ぐこと。
・薬物療法以前に、生活習慣を見直すことが必要、それでも下がらなかったら薬物療法を考える。
・現在の日本では高血圧患者は4300万人、治療を受けているのは2000万人、しかし140mmHg以下にコントロールされているのは1000万人強にとどまる。
・高血圧薬は一生飲み続けることが基本、減量は可能であるが中止は難しい。
・中断の理由:副作用出現、効きが悪かった、など。
・高血圧薬は大きく4種類に分類される:Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、利尿薬。
□ 「高血圧にまつわるエトセトラ」(2018.12.7放送)
・血圧の左右差がある場合 → 10-15mmHg以上差があるときは血管に問題がある(ふつう右>左)。
・上の血圧と下の血圧の差が大きい場合 → ふつう40-50mmHgの範囲、60mmHg以上では動脈硬化が進んでいると考える。
・若い頃からの高血圧には二つのパターン;
① 遺伝性(本態性高血圧)
② 二次性高血圧。全体の1-2割。腎臓の血管が細くなったり、ホルモン異常があったり。ふつうの薬が効きにくい。同じ高血圧の数字でも合併症のリスクが高くなる。
・高血圧は自覚症状がないため「沈黙の殺人者」と呼ばれる。