先月のことです。
「300系新幹線電車 来春全車引退」
というニュースが流れました。
そう、300系新幹線電車とは…、
1992年3月に、
東京と新大阪を2時間30分で
走ることになった、
当時“のぞみ型”と言われた、
この車両です。
実は、1990年頃、30歳近くになってから、
鉄道車輌に興味を持ち始め、
“青春18きっぷ”などを使った鉄道旅行などにも
出かけるようになり、
全国各地の鉄道の写真などを
撮るようにもなりました。
もちろん、今でも鉄道が
好きは好きなのですが、独身時代と違って、
フラリと旅行に行けるわけでもなく、
自ずと鉄道も通勤手段だけになってしまい、
今では、鉄道関連の月刊誌も
パラパラと立ち読みする程度に
なってしまったのですけどね。
で、
趣味になり始めた頃、
東海道新幹線に新型車輌ができるという、
話題を聞きました。
それが、この300系新幹線です。
当時、転勤で名古屋に住んでいた時期があり、
所属していた静岡県の支店との往復で、
新幹線に乗ることも多く、
ビジネスでの新幹線利用ではあっても
「早く新しい車輌が見たいな」
と思っていたのです。
そして、ある夜、
休日に東京の実家にでも
行った帰りだったでしょうか…
もう23時を回った頃の名古屋駅。
新型車輌の試運転列車が、
ホームに入線してきました。
鉄道車両には、概ね“試作型”と“量産型”があります。
鉄道の試作車輌は、自動車などと違って、
テストコースでの周回運転で
性能を調べるわけにはいきませんので、
試作車輌を運行時間(営業時間)終了後、
実際の線路を走らせて様々なテストをするのです。
つまり、
私が偶然見ることができたのは、
もう名古屋からの東京行き上り列車が、
終了していたからなのですね。
きっと、このあと東海道区間の
試運転もあったのでしょう。
新大阪方面から名古屋までの
試運転だったのかもしれませんが。
この「9000番台」と呼ばれる試作型、
その後に製造された量産型車輌とは、
若干デザイン自体も異なります。
先頭部などの細かなデザイン違いもあるのですが、
大きく異なる部分は、
まず、この大きなパンタグラフカバー。
集電するパンタグラフが風を切る音や
架線から電気を取り込む際の擦れる音などを、
軽減するためのカバーです。
新幹線電車にこのパンタグラフカバーが
いつから取り付けられるようになったのか、
記憶は定かではありません。
でも、この300系の試作型では、
量産型やその後に開発された車輌の
パンタグラフカバーに比べ、
それはそれは巨大なカバーです。
さらに量産型では、カバーそのものが
グレーに塗装されていましたが、
この車輌は車体と同じく白に塗装されており、
ずいぶんと印象が違います。
車体には、
こんなロゴもついていました。
当時のJR東海の車輌には、
特にロゴがついていなかったので、
とても斬新だった記憶もあります。
(量産型ではロゴはなくなりました…)
東海道新幹線ならではの、
車体側面のライン色も紺ではなく、
少し薄い、ブルーといった色でしたね。
なんだか、
300系試作型の説明ばかりになってしまいましたが、
誕生から終焉までを見届ける新幹線。
結構、思い入れがあります。
それは、
こんなCMにワクワクさせられたせいもあるかもしれません。
子供の一人が、
「新しい新幹線見たよ」
と言ったので、
車庫まで友だちと見にきたのでしょう。
「そんなの、ないじゃないかよ」
と思った瞬間、
みんな声が出なくなります。
JR東海は「エクスプレスシリーズ」など、
ワクワクするCMがたくさんありましたね。
時代としては、
“平成”という新しい時代を迎えていたものの、
まだまだ“昭和”の名残りがたくさんありました。
ほんの20年ほど前のことですが、
懐かしく感じてしまい、
その“引退”というニュースに、
敏感に反応してしまう、
オッサンの今日この頃でした(^_^;)
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