年末に急遽観に行った、倉本聰原作映画「海の沈黙」。
観に行った直後の感想は、自分としても何だか煮え切らないもので、
中途半端な物言いになってしまっていたのですが。→「海の沈黙 2024年 日本」
実は、映画を観る前にこの「公式メモリアルブック」だけ購入していたのです。
倉本作品はシナリオ本が出版されることが多く、
今回も映画公開前にシナリオ本が発売されると思っていたら、
それらしきものが見当たらなかった代わりに、
この「公式メモリアルブック」が発売されていたのでした。
でも、物語を知ってしまうのでシナリオ部分は読まず、
主な出演者のインタビュー部分だけをさらっと読んだだけ。
もちろんそれだけでは物語を把握しきれないのでチンプンカンプンでしたが。
そして映画鑑賞後にあらためて全て読み終えまして。
新たな視点での感想が浮かんできました。
もしかしたら、作者の意図しない部分なのかもしれません。
そして人によってはそんなことを感じないかもしれません。
でも私が思ったのは、男同士の信頼と友情。
主人公に心酔し尊敬し周囲から守る“番頭”、
それを心から受け入れ信頼し心を許していた主人公。
物語の大きなバックボーンにそんなことを感じたのでした。
うーん、これは映画を一回見ただけではわからない。
でも、このメモリアルブックにも明確に書かれているわけではない。
倉本作品にはその昔「ライスカレー」というテレビドラマがありました。
そこにも出てくる男同士の友情…これもあからさまに友情がテーマではありませんでしたが、
出演者の寡黙な言葉の中にかすかに表れている心情から見えてきます。
この映画の中では大きく時間が流れるわけではないですが、
役の上では何十年という歳月があり、そこに培われてきた関係性。
そして時間が作ったそれぞれの想い。
そこに表面上のストーリーではない、人間の深さを感じました。
鑑賞から10日、ようやくはっきりと感想が書けました。
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