「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」万城目学

万城目氏の「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」を読破。
基本的に単行本派な自分だが、本作は文庫本しかないため久しぶりの文庫サイズを手にし、素直に軽くて読み易くていい。
しかし、独特な万城目氏がこういった作品を手がけるとはかなり予想外・・・今までの雰囲気を思いっきりぶち破った意欲作だ。
個人的には、万城目氏の異次元ワールドが好きだが、こういうのも有りかなぁ～？っと楽しく読めた。
可愛い女の子と猫の物語だが、スタートはまるで我が輩は猫である的な感じで、正直かなりつまらない。
ところが、かのこちゃんという女の子の話になると、これが実にノスタルジックというか？いいんだよねぇ～。
中盤まではかなり駄作的な評価を下していたが、後半が実に良い。
何となく、自分の小学生時代にも似たようなことあったなぁ～っとしみじみとさせてくれる。
テーマは別れだがいいんだよねぇ～この淡い思い出チックな感じが。
まぁ～こんなのも有りかな。好き嫌いはあっても万城目氏の奥行きを感じさせられる作品でした。