砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

蜥蜴の夏の30冊(2) 電波的な彼女 幸福ゲーム

2005年07月30日 | ログ

論理的に電波を飛ばす女子高生と
自堕落な生き方を望みながら自分なりの正義感で行動する不良少年の物語第三巻。
今作は危険な程に萌え要素が強く万人には勧められない内容ですが
二巻で登場した人間が魅力的に活躍していて蜥蜴的には大満足の一冊です。
今回の事件は幸福潰し。
主人公達の学校で次々と「幸せ」な人間達が悪質な嫌がらせを受けます。
成績の上がった者。彼女の出来た者。部活で成功した者。
彼らを無差別に傷つける悪意の意味とは何なのか。


「君は、こういうことはもう懲りたのかと思っていたよ」
夏休み前の事件や、その後のえぐり魔。
ジュウには何もできなかったこと。どうにもならなかったこと。
嫌な記憶だ。でも
「……何もやらなければ良かった、と思ったことはない。それだけは、ない」


世界を斜に見て生きながらも
自分なりの正義で事件を解決しようとする。
等身大の勇気を楽しめる作品です。