まずは昼ご飯、どこで食べよう?と相談する余地もなく、ここになった。
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わたしゃ、こないだ食べてんけどなあ、ま、いいか。それから阪急で三宮まで、JRに乗り換えて塩屋へ。いつもここへ行くときは大きな荷物を持っているので、車を使う事が多いのだが、この日は身軽に電車で向かう。
お馴染みの山陽電車の踏切
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入口付近
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また、大好きなこの場所に来ることができて嬉しい。
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ヴェネチア映画祭で、監督賞に当たる「銀獅子賞」を取った、黒沢清監督の作品、「スパイの妻」の撮影にこの場所が使われたらしい。前に見た、「繕い断つ人」にも結婚式のシーンで登場してたっけ、どんな風に使われているのか楽しみだ、見に行こう。
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開場直後で、お客さまはまだ数人だったがレコーディングも担当したK口さんは準備に余念がない。この日はお嬢さんも動員しての音響担当。
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広い会場だが、客数を制限していたのと、遠方からはなかなか出かけてこられないだろうという配慮から、配信も行われた。リアルタイムで観た人も、後日楽しんだ人もきっとたくさんいらしたことだろう。
まずはYukiさんのご挨拶から。
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本来なら、この日は延期されたSea Mountainがここで行われるはずだった。そして、延期される前の予定日、4月29日にはせっかく押さえたここ旧グッゲンハイム邸で何かできないか、との思いから、赤べえのCDの録音が行われたのだ。
『できるだけシンプルに、部屋を開け放して、古い建物の響きも大切にしながら』作ったというCDのライナーにあるYukiさんのことばどおりの音楽を、この日、またそのことばどおりに私たちは体感したのだった。
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赤べえのライブは『坂道の町』から始まった。
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曲の合間にはいつものMC,自虐の混ざった「のりしろ」の話はいつ聞いても笑う。ひとが一杯のところで歌うか、または向かうところ客なし、みたいな状態かどっちかのことが多いが、「今日はすき間があって、ええ感じ」だそうだ。
2曲目は『おとうさんの朝ごはん』
曲と写真は一致してないかもしれない。カポが違う、と突っ込まないでね。
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ここでYukiさん登場、去年の10月岡山で見た以来、だが、本人たちもそれ以来だそうだ。それにしてもこれまで数回しか人前で一緒にやったことがない、と言ってたのに、こんな風に何度も聴くことができてファンとしては嬉しい限り。
曲は『主婦と生活』女子バンドで何度も聴いた曲。
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某所で、とてもいい写真、とお褒めいただいた1枚。私も一番気に入っている、なんか愛を感じるわ。
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『いいよ』自分では、良くないと思っている人にそれでいいんだよ、と言ってあげる歌、赤べえはちゃんと理解していなかったようだ。
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14年前、1stアルバムに入れようとして最後まで悩んで入れられなかった曲を歌います、と『外は5月』曲名を言い損間違いしたことは聴いてた人だけのヒミツ。
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オールドタイムの曲にYukiさんが日本語の歌詞を付けた『Stay All Night』解説を求められて、「とりあえず、明日はやってくるよ、っていう歌ですね。」とYukiさん
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コーラスも付けます。写真ブレたけど。
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アイコンタクト、だいじね。
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Yukiさん、ギターに持ち替えてOokpik Waltz、この曲、私もじょにーO田とライブやった時伴奏させてもらったな。
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ギター持ってるYukiさん、これはレアな写真では?
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ライブが始まって割と早い時間に、「暑くないですか?窓を開けましょう」と赤べえが言ったので、時折心地よい風が吹く室内。すぐ下の線路を走る山陽電車とその向こう、JRの踏切や電車の音が邪魔にならない程度に仲間入りしている。
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CDのタイトルソング、『Vintage Friend』以前も書いたけど、大切な友だち夫婦の25周年記念パーティのために作った曲とのこと、パーティで歌う前日に「曲ができてんけど歌詞作ってもらえませんか?」(赤べえはいつもYukiさんには敬語)と言ったらしい。即答で「ムリ!」と言ったのに結局は作った彼女はすごい。この曲は、滅多にない「先に曲ができた」パターンの曲らしい。
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ギターも何本か持ってきていて、持ち替えたりしていたのだが、それは撮れているかどうか・・・。次の曲は佐藤GWAN博さんの『わがんねえ』震災とその後の原発事故後の様子を歌っているのだ、よね。赤べえ曰く、高田渡さんの『鉱夫の祈り』と兄弟曲やな、とのこと。
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次は、その高田渡さんの『告別式』、続いてFolksの『山川草木』、『アンモナイトの朝』はSAM?
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『2030年の秋にも』究極のラブソング。ブレてごめん。
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ブルーグラスの女性陣が色々カバーしていた曲、と歌ったのは『秋の海へ』オリジナルのThere Ain't No Ash Will Burnを私もずっと歌っていたけど、季節限定で、秋だけはYukiさん作詞の日本語で歌わせてもらっている。じんわり胸に沁みる良い歌詞だ。
最後は『旅立ち』、ここまで来て、CDのうちまだ1曲歌われていないことが気になっていた。実は私が一番聴きたかったのはその曲で、ライブの予約入れた時、Yukiさんに確認も入れてたのに、なんで?そうか、アンコールか。じゃあめいっぱい拍手しないとな。
アンコールになったので、「僕がひとりで1曲か2曲歌って、あ、とりあえずYukiさんにはここに座っといて貰って。」と隣に座らせる赤べえ。
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一人で歌うのは笠木透作詞赤木一孝作曲『黄色い花』
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ここで、『Stay All Night』をもう一回やろうという赤べえ、まだやっていない『ぬかるみの道』だけでええやん、というYukiさん。Yukiさん勝利!やった~やっと聴ける!!
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みっちりほぼ90分、休憩なしで楽しんだ後は、映画で使われた備品巡り。まずはステージ右手の大きなクローゼット?
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実は、エアコン隠しらしく、手で簡単に動かせる。奥に見えるのがエアコン
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この部屋の雰囲気にとても似合った色で塗られているので違和感がないどころか、まるで作り付けの家具のようだった。
そして二階には、最初にYukiさんが説明してくれた大きな棚ができていた。CDをよく見ると、それが写っているのだが、言われるまで気づかなかった。
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引き出しは開かない
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扉も開かない
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でも、ドアや窓枠とぴったりマッチした色とほどよいくすみ具合がすばらしい。さすがは映画の大道具さんが作ったもの、と感心する。
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ツアーする人々
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二階から見る庭。去年は煉瓦の縞々はなかった。この夕景見たかったなあ。
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ちょうどやってきたIねちゃんをモデルに使う。勝手にアップしてごめんなさい、でもマスクしてるから大丈夫ですよね?
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セットに使ったものは他にも多分あっただろうが、これらは旧グッゲンハイム邸の方で「残しておいてください」と申し出たものらしい。これだけ雰囲気に合っていれば残っててもいいよなあ。
外では紅白幕の準備をされていた。明日のイベントですか?と聞くと、「いえ、これからです。」のお返事。入籍記念の写真撮影をされるのだそうだ。この後お暇して、駅まで向かう間に、スーツのポケットに花を挿した男性を見て、「あの人が主役かな?」とか、数人の花束を持った人達を見て「集合写真に写らはるんかな?」とか言いながら歩いた。楽しそうで幸せそうな風景だった。
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CDの5曲以外に、私が行くライブではふだんあまり歌わない曲もたくさんあって、なんかお得なライブだった。赤べえってほんとに守備範囲広いなあ。また聴きに行くのでよろしくね。