ひな菊の丘から

VINTAGE FRIEND

赤べえのミニアルバムが届いた。二十代からずっと大好きな歌うたい。もうずいぶん前に1stソロアルバムは出していたのだが、なかなか次のアルバムが出ないので、待ちわびていたのがやっと来た~という思いで早速聴いてみる。

実は、このアルバムができた経緯に、今のコロナ禍が関係している。4月29日、毎年楽しみにしていたイベント、Sea Mountainが、予定通り塩屋の旧グッゲンハイム邸で行われていたら、この子は日の目を見ていない。今振り返ってみれば、あの日程では絶対にできなかったことははっきりしているが、当時、かなり早いタイミングで延期を発表した由紀ちゃんの決断には少し驚いた。
予約が殺到する、大人気の会場なので、そのままキャンセルしてしまうのは惜しい、とレコーディングを思いついた、とCDにも書いてあるが、ジャケット写真や歌詞のバックにも塩屋の海が目の前に広がる懐かしくも美しい景色が切り取られている。演者は完全に一人。ギター2本、マンドリン、ハーモニー、すべて赤べえ自身の音を重ねているとのこと。踏切や鳥の音を聴きとるほど熟聴できてないけど、シンプルで力強くて、心地よい音が綴られている。

1.タイトル曲でもあるVintage Friend、最初に聴いた時、なんてストレートなラブソングなんだろう、由紀ちゃん、年を重ねて、素直に表現する方向に宗旨替えしたのかな、なんて思ったのだが、実は古い友人カップルに贈るために作った歌とのこと。それを知ってから歌詞を読み直して、その二人の顔を思い浮かべながらニヤニヤしてしまった。

最初のこの曲だけは初めて聴いた曲、それ以外はライブで聴いたことがある。昨年10月、平日に早退して岡山まで聴きに行ったライブ、「赤べえ、佐々木由紀を歌う」でも、後の4曲は全て歌ってた。会場で録った音源は、今も私のヘビロテ通勤のお供となっている。その時の様子はこちらに。

2.いいよ、ライブのMCでは、赤べえの座右の銘が「まあええか」であることが暴かれていたけど、そんな赤べえにぴったりの内容・・・いや、ほんとのところはどうなんだろう?もっと普遍的なことを歌ってる気がする。他のいくつかの歌でも感じることだが、ちゃんと見たり聞いたり、せなあかんことはしっかりする、でもそれ以外は肩の力を抜いて、季節の移り変わりや風の感触や、素の自分の感じることを大切に生きたらええやん、って。由紀ちゃんの詩にはそんな芯を感じる。

3.外は5月、CDに入れたかったけど入れられなかった、と以前話してたので、入って良かった。ことばのひとつひとつが、あ~5月や~、って思う。5月ってすてきな季節。

4.Stay All Night、レパにはしていないが、原曲は何度か歌ったことがある。昨年のライブの時には由紀ちゃんがコーラスつけてたけど、CDでは赤べえがふたり。やっぱり聴いていて踊りたくなった。

5.ぬかるみの道、歌の背景に、悩んで悩んで、苦しんで、でも何とか前に向こうとしている人の姿が見える。由紀ちゃんの詩はどれも景色や人が見えるのがすごい。

最初に歌うたい、って書いたけど、赤べえはギター弾きやで、とどこかから声が聞こえるかもしれない。ギターはほんまにすごい、今年になってから聴いた、ブルーグラスメインのライブの時の感想でも書いてるけど(一番最後のところ)いつもその都度スタイルは変わっても、歌に寄り添うギターだと感じる。主張しすぎないけどちゃんと筋が通っていて、聴かせ処は外さない。そして音がきれい。



すてきなアルバムをありがとう。
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