数年前のことじゃった。
本当はそのときに書こうと思っていたんだけど、写真はインスタントカメラだったし、実のところそんなによろしくない印象を受けてしまったから、やめてたんです。
ただね、時間がたくさんあるとよろしくないことより、うれしかったなとか、感動したなとかを思い出してきて、やっぱりこうしてゆっくりとした時間を過ごしたいと思ったときに、あそこでゆっくりおいしいゴハン、お酒飲んで、鳥のさえずり聞きながら目覚めて、ゆっくり朝風呂でも入って、そこのスタッフさんと仲良くなって、「おはようございます」と「ごゆっくり」とかさりげないあいさつを交わして、読もうと思って買って溜めてた本をゆっくりをハンモックなんかでゆられながら、ソファでゴロゴロしながら、ゆっくりお散歩もしたりな。
そんなことを1週間、んーいや、1ヵ月とかできたら、うれしいなってちょっと思ってしまいました笑。
そして、最後の夜にたっぷり贅沢するんです。
地元自慢のワイン(日本酒でもいいかな)でフレンチでも食べて、最後は素材のいい朝ごはんをたべて、「よし!戻りますか!」と今までのふつー生活を過ごせるようにしたいなって、思っちゃいました。
わたしにとって「旅」とは、観光地や有名なところをまわることではなくて、人に会いに行くこと、コトに触れ合うこと、そしてふつーの生活から少し離れて、じぶんをニュートラルにするようなことだと思っています。
だから、むかし番組でやっていた「〇〇ルン滞在記!」とか、長者番組になっている(た?)クイズ番組・・・すごくあこがれて、あんな旅をしたいなって思って、実は18歳のとき、その気分でファームスティを3ヵ月ちょいしたんですけどね。
そうそう、ある人に言われて、借金して勢いでパリまで飛んじゃいました。
若い時は借金してでも、自己投資と思ってカード限度額をじぶんの財産だと思って、「やりたいことをやりなさい」って教えてもらっていたので、だいぶおカネに対してはいろいろ、いろいろ考えて、モノよりじぶんの身になること、ちゃんと親には「いいモノを身につけない」と「それをたいせつに長く使いなさい」と言われ、そんな姿を見ていました。
旅先で買うものも、じぶんのモノは「人との出会いで」「モノの出会いで」をたいせつにして、人には「ちょっと特別になるモノ」を贈りたくなります。
海外旅行へ行くときは、有名ブランドの本店へ行って、道を歩いて見つけた小さなお店で、じぶんにとってトクベツなモノを。
ま、本当はマルシェやスーパーで地元の人になりきりに行くのも好きだったりします。
もっと大人になったら、同じ場所へ行っては同じお店へ行って、いつかお店の人に覚えてもらえるといいな。
【休業宣言】からなかなか開業できなくて、現実逃避旅行中。。。泣
本当に素敵な旅になりました。
こんなひと言で片付けたくないくらいに。。。
あまりに沢山の大きなモノを吸収しすぎて、帰ってきてすぐの私は、そのひとつひとつをちゃんと言葉にすることはできませんでした。
出てくる言葉は、自分の気持ちとは異なる安っぽい表現ばかり。
旅の土産話をしたとき、ある人に言われちゃいました。
「あんた、それ旅して一番しちゃいけないことだよ」ってね。
帰ってきて最初に会った人にそんなことを言われてしまい、正直ショック
そんなもんじゃないのにと内心悔しく、表現できない自分にもどかしさも感じてました。
けど、仕方ありません。
この時の私は、物事をまだ感覚だけで受け止め、その意味を感じれなかったのですから。
そう、その人にちょっとしことを教えてもらったのです。
『涙には2つの種類がある』ということ
ひとつは・・・
涙した出来事を思い出しては、また泣いてしまう涙。
もうひとつは・・・
涙した出来事を思い出しては、そのとき感じたキモチを思い出し、エネルギーをくれる涙。
何が違うかというと、“深さ”が違うそうです。
前者は感覚で感動して上辺だけ、ただ思い出に浸ってしまう。
後者は「ハラ」で感じる。
「ハラ」で感じた感動は、自分の肥やしとなり、身になっていく。
自信や支えになってくれるのです。
思い出しても泣く必要がないのです。
旅は日常の生活から開放されて、感覚が自由になっているから
普段感じれないものにアンテナが引っかかる。
そのときの感動、涙。
後者の涙をたくさん流していきたいな。
ということで、Paris旅行記まとめたいと思います。
(中途半端で失礼)
旅には出逢いがつきもの。
一人旅になると、特に感じます。
モネの睡蓮で会った少女
列車で見かけてカメラを向けたとき、彼女は恥ずかしながらも喜んでポーズを取ってくれました。
一緒にいたお母さんと親戚の叔母さんみたいな人はというと、少し怪訝な顔。
しかし、モネの庭→オランジュリー美術館と再会を繰り返していくうちに、共にその偶然を驚き、感激を分かち合ってました。
買い物をしたとき、必ずするのがそこの店員さんの写真を撮ること。
「メルシー・ボク~」だけでなく、何か伝えたいと思い覚えた言葉が「セ・シュエット」。
「素敵ね」という意味で、男性にも女性にも使える便利な言葉です。
モンマルトルの人気パン屋さんのお姉さん。
本当にうれしかったのか、焼き菓子をひとつサービスしてくれたのです
ビンボー旅行には、うれしいのひと言。
本当に便利な言葉です
日本語しか話せない私が何かと困るのが、食事をするとき。
「ケスクセ?/これは何?」と聞いても、その答えの意味が解らない。
しかし、贅沢できない食事でもおいしいものが食べたい・・・そこで登場するのが「スペシャリテ」
ま、私が買い物するようなとこで使っても軽く流れてしまうのですが・・・
チュイルリー公園のアイスクリーム屋のお兄さん。
得意気に「任せて」とアイスを2つチョイス。
昔過ぎて何をくれたのか覚えてないのですが、その気持ちがうれしいのです。
カッコいいムッシュでした
そして何よりもうれしいのが、トモダチになる出逢い
同じ日にパリの地に着いた、同じ初ひとり旅の、同じくらいの年齢の、東京と大阪の女の子。
ホテルが一緒でたまたま隣同士のお部屋でした。
共に自由にしながらも朝食を一緒にしたり、修学旅行のように夜部屋で女子トークしたり・・・
1日だけ約束して、夜のディナーへいきました。
待ち合わせ場所は“ルーブル美術館ピラミッド前”です。
携帯も何もない異国の広い場所、会えるのかもちょっと不安の中
・・・ちゃんと3人とも、見つけ出しました
待ち合わせがこんなに素敵だとは、喜びの瞬間でした。
食事の後は、オペラ座周辺を夜散歩。
ひとりでは味わうことができなかったこと。
彼女たちの出逢いのおかげで、本当に素敵な夜になりました
そう、彼女たちと日本に帰ってからまた待ち合わせをしたのです。
その場所は・・・
東京タワーです。
『サクレクール聖堂』
パリの中で好きな場所のひとつです
決してクリスチャンではないのですが、教会ってどこも落ち着くんです。
中でも『サクレクール聖堂』は特別な感じがあり
前回も行ったのですが、今回も立ち寄ってみました。
そしたら・・・
不思議な感覚になったのです。
どこの教会を見るのと同じように、左右の壁画を見ながらゆっくりと歩いてました。
ふと・・・吸い込まれるようにある一角に入ったのです。
迷うことなく、そこのいすに膝を立てて、お祈りしている自分。
訳が解らないと思いながらも、何かを導いてもらおうとしているのか、壁画を見上げてました。
と次の瞬間、目から大粒の涙・・・声を上げて泣いてました。
悲しいとか辛いとかそんなのではなく、
何かが許され認められて、開放された感じ。
・・・悪いことなんてしてませんよ
『何も心配せずに大丈夫。あなたのまんまで思っているとおりに進みなさい』
って言われた感じでした。
なんかこんなこと言ってると、ちょっと可笑しな子扱いされちゃいそうですが
暖かい手で背中を押された感じになりました。
本当によくわからないのですが、嬉しすぎて感謝の気持ちでいっぱいになってました。
こんな体験は初めてですが、抵抗なく受け入れていた自分。
動揺はしたけど、すごいエネルギーが入っちゃった瞬間でした。
“サクレクール”とは・・・
キリストの御心に捧げられた“聖なる心”という意味だそうです。
旅に欠かせないもの・・・それは『デジカメ』です。
基本的に“空、建物、風景、モノ”を撮っては楽しんでます。
しかし、今回のパリ旅行はちょっと違いました。
なぜか私の興味は、ヒトへと移っていったのです。
・素敵なヘアスタイルの女性
・センスのいいオシャレなおばあちゃま
・公園で楽しい休日を過ごしているファミリー
・無邪気にはじゃいでる子供
などなど・・・・もうキリがありません。
どの人をみてもキラキラしていて“なんかいいな♪”って思いました。
・楽しいことがあると、大袈裟なくらいに喜ぶ顔
・イヤなことはイヤ!我慢という言葉ないのかなってくらいに怒り出す姿
・カメラを向ければ、モデルのように振舞うし、恥ずかしいもそのままで撮らせてくれる
いつでも自分に素直で自然体なんだと思いました。
『個』が成り立っている国だと何かで聞きましたが、肌で感じ、その意味がわかりました。
そんなことを感じていたら、知らず“まんま”でいる自分がいました。
なんか・・・・心地よかったです。
自分の中の何かが喜んでるように思いました。
まさか、この変化が今の自分にしてくれたきっかけのひとつになろうとは
このときの私は何も感じてませんでした。。。
ちなみに、今回の旅は700枚以上撮ってました・・・
今回の旅のテーマ、題して
“モネの睡蓮をみる~ホンモノに触れてこよう~”
美術館って実はあまり行きません
けど、『モネの睡蓮』はすごくみてみたいって思ったのです。
お客様におススメされたのもありました。。
そのためだけにあるような美術館だって。
丸い部屋の中に、壁一面『睡蓮』飾られていてる。真ん中にソファがあってね・・・。
もう、それだけでアタシの妄想は広がっていきました
しかし、前回Parisへ行ったとき、オランジュリー美術館はまだ工事中。
ったく~、何年工事すれば気が済むの!?というくらい・・・日本では考えられません。
そして、たまたまTVで見たのです。
女優の壇レイさんが広重の浮世絵を片手に、フランス絵画の旅をしている番組を。
とても興味深いものでした。
広重に影響されて、それを真似して描いている絵画がたくさんあるのです。
描いているものはまったく違うのに、構成が似ていて、ならべると一目瞭然だったりしたのです。
本当にビックリするくらいでした。
たくさんの芸術人のひとりに『モネ』がいたのです。
憧れのオランジュリー美術館の映像もあり、益々興味は膨らみました
・・・観に行ってきました
想像以上でした。。
毎日通いました。日の入り方で見え方が変るんです。別の表情が見えてくるんです。
間近でみたり、う~んと遠くからみたり、ソファでボーっとみたり・・・・。
モネは晩年、『睡蓮』を描き続けたそうです。
もうただひたすらに、何かを訴え残そうとして・・・。
最後はほとんど眼が見えなくなってたらしいです。
画から様子が伺えました。
最初の頃は、睡蓮の花やまわりの木々がわかるんだけど、だんだんぼんやりとなっていく。
しかし、あの色使いはなんとも言えません。
実物も観に行きました
ジヴェルニーにある『モネの家と庭園』まで足を運んだのです
しかし、すごいですよね。
歴史上の絵画の、その原風景に触れることができるって。
画の印象、そのままで。。。感動でした。
そして家に入り、なぜだか本当に感動してしまったのです。
・・・号泣です。
とても悲しく切なくなり、胸が締め付けられそうでした。
けど、なんだか懐かしく、ホッと癒された・・・そんな感じもありました。
未だになぜ涙したのかはわかりません。
『モネの睡蓮』を通して、ひとつの出逢いがありました
行きの電車で乗り合わせ写真を撮らせてもらった少女と、その後2度も会ったのです。
同日、モネの庭園 次日、オランジュリー美術館にて
この時ほど、語学ができない自分を悔しいと思いませんでした
Parisといえば・・・?
エッフェル塔に凱旋門、シャンゼリゼ通りにノートルダム大聖堂、
ルーブル美術館をはじめとする数々の美術館・・・それから、それから。。。
数多くの象徴が出てきます。
研修で行ったときは、ガイドブックを買ったものの写真だけみてただただ歩いてきました。
今回は、ちょこっとだけ物語を調べていったのです。
・・・重みを感じました。
『エッフェル塔』
時は19世紀末、フランス革命100周年の記念として、第3回パリ万国博が行われました。
産業革命の高揚期、目の前の20世紀のハイテクのシンボルとして、鉄の記念碑を建てようとなり、数多くの中から選ばれたのが、ギュスターヴ・エッフェルの案だったのです
しかし、順風満帆ではなかった。
“誉れ高き歴史の町パリに、こんなグロテスクなものを建てるなんて”と反発は予想以上に激しかったそうです。また、おもだった著名人の猛反発によって工事が中断したことも・・・。
しかし、がんばったわずが、25ヶ月の突貫工事しかもその間事故ゼロ
そして、1889年5月6日にオープン半年で195万8257人いう来場数。
なのに、20年という存続期限付きということだったのです・・・
数年後・・・しだいに賛否両論だった世論は風化してしき、デザイン的な価値も認められるようになってきました。
そして、20年目の1909年。
市議会議によって、当初の予定通り、取り壊しが決議されました
しかし・・・
ちょうどその頃、発明された無線通信に利用価値があると判明
1916年、大西洋を越えてアメリカ大陸との交信に成功するや、存続が決定的になったのです
エッフェル塔はこうして、今、私たちの目の前にある。
・・・きっと、残るべき、パリにあるべきモノだったのしょうね。
あ、知ってますか?
エッフェル塔の1階には郵便局があって、そこからエアメールを出すとエッフェル塔の消印が押されるって。
ちょっとわかりづらいのですがね・・・(笑)
実は、あまり興味なかったのです。
だって、言葉が通じないじゃん
英語は中学1年生で滑ってしまった私。
そんな考えで、見向きもしなかったのです。
けど旅は好きだったので、日本をひとりで出掛けてました。
労働も兼ねて北海道と長野だけですが。
しかし
そんな私に、海外へ飛ぶチャンスが来てしまったのです。
しかも、Paris・・・研修だったのでありえない待遇で。
初海外にしてこれは贅沢でした。本当に・・・。
で、目覚めちゃったわけなのです
長時間飛行は本当に辛くて、しんどくて、
出発するまでは全身が心臓になるくらい緊張して壊れるかと思ったけど
観るもの、触れるもの、感じるもの、すべてが刺激的で
言葉にならない感動がありました。
気にしていた会話も、何とかなっちゃいました。
国、話す言葉は違くても、人間ということは一緒。
笑顔は万国共通です
しかし、今度は本当にひとりです
Paris市内は2度目だし、なんとかなる。(うん、うん。)
問題は・・・
無事、飛行機に乗って、ホテルまで着くかどうか。
出発1週間前、悪夢に魘されました
ヒト、初めては何事も不安だらけ。
それにしても大袈裟かな(笑)
ある日のこと。
めちゃくちゃ久し振りに再会した友人に言われたんです。
“旅に行って来な。変わるよ、絶対”
お店を辞めて、ちょっと落ち着きはじめた頃でした。
けど、やっぱり辛さが残っていて、話を聞いてもらったんです。イロイロと。
そしたら、急に友人が言ってきて。
・・・なぜか、説得力がありました。
もともと美容師に戻る前にどこか(国内)行こうと思ってたけど
行き先変更です
『芸術の都-Paris』
海外2度目にして初ひとり旅、いざ出発です
けどこのとき、こんなに自分変わるなんて思ってもいませんでした。。