自宅の目と鼻の先に、女性のバーテンがひとりでやっているというBarがあります。
夜になるとポッと灯りがついて、何かなぁってずっと気になっていたんです。
そこ、看板がないんです。
ウワサだけ聞いていてたのですが、今日、その扉を開けてみました。
夜、友人が眉カットに来てくれて、誘ってくれたのです。
扉を開いたら、そこにはカウンター8席とテーブル席1つの小さなお店。
棚には、形さまざまなグラスに、沢山の種類のお酒のビン。
そこに女性のバーテンが二人(あれ?ひとりじゃないんだぁ・・・)
凛とした中に、親しみを感じさせるそんな雰囲気の。
お酒・・・そんなに強くないんです。
詳しくもありません。
けど、こんなの飲みたいって言ったら、イロイロと教えてくれて、なんか嬉しかったです。
聞くことによると、お店をそこにオープンして9年。
他のお店で3年くらい働いてから、始めたそうです。
当初は周りに「無謀なことだ」と言われたと言ってました。
今の私のことを話したら
『為せば成る』
とひと言。
・・・勇気付けられました。
正直、友人は応援してくれます。
協力してくれる人もいます。
けど、同業には話せません。担当の美容師さんすら言えません。
だって彼らがどれだけ大変な思いして、やっとお客さんを切れるようになったか知っています。
辛い時期乗り越えて、今こうしてお店に立ってるって事、わかります。
だから、お店で働くことの大切さも重要さもわかってます。
なのに、アシスタントの身分の私がひとりで始めただなんて言ったら・・・
“舐めてるんじゃない”って言われるのがオチ。
お店を辞めて少し時間が経ってわかったことがあります。
すぐ辞めたのはいろんな理由があるけど
自分が大切にしている感覚を、想いを、失うのが怖かったんです。
テストに受かるためのシャンプーをしたとき、手が鈍りました。
一瞬、わからなくなったんです。
今までどんなシャンプーをしてたのか。
本来ならお客様に喜んでもらうためにやるシャンプーのはずが、カタチだけになってしまってた。
・・・そんな美容なら、やらないほうがまし。
けど、私、まだ技術のない美容師だけど、美容の本当の楽しさは知ってます。
だから辞めれないんです。
こんなに素敵な仕事、他には考えられません。
嬉しいことに、今、こんな私にやってほしいといってくれる人がいます。
その人のためにも、やっていきます。
「為(な)せば成る。為(な)さねば成らぬ何事も、成らぬは、人の為(な)さぬなりけり」