タイ国経済概況(2024年11月)

1.景気動向
(1)タイ商務省の10月28日の発表によれば、2024年9ヵ月の輸出額は前年同期比+3.9%の2,231.8億米ドル、輸入額は同+5.5%の2,291.3億米ドルで、貿易収支は59.5億米ドルの赤字となった。品目別輸出額は、農産物・加工品が同+5.4%(399.7億米ドル)、そのうち米は同+40.0%(48.3億米ドル)、天然ゴムは同+39.1%(36.7億米ドル)、電子製品・同部品が同+13.5%(388.9億米ドル)、自動車・同部品が同▲7.2%(294.9億米ドル)だった。国・地域別輸出額は、首位が米国で前年同期比+12.5%の406.1億米ドル、次いで中国が同+0.0%の263.9億米ドル、日本が同▲7.3%の174.2億米ドルだった。商務省は、バーツ高や米国大統領選挙等の懸念があるが、年末に向けては農産物・食品の需要増加および輸送費の引き下げが予想されるため、2024年通年の輸出額目標の+2%を達成できるとの見解を示した。

(2)タイ工業連盟(FTI)が10月24日に発表した9月の自動車生産台数は、前年同月比▲25.5%の12.2万台だった。内訳は国内向けが同▲42.3%の3.5万台、輸出向けが同▲15.8%の8.8万台。新型コロナ前の2019年9月の生産台数16.9万台を下回った。また、9月の国内新車販売台数は同▲37.1%の3.9万台で、輸出台数は同▲17.7%の8.0万台。新型コロナ前の2019年9月の販売台数が7.6万台、輸出台数が9.8万台であり、ともに新型コロナ前の水準を下回った。

(3)FTIが10月24日に発表した9月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲6.2%の18.7万台で、15ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年9月の生産台数は20.6万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲13.3%の14.7万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+32.5%の4.1万台。また、9月の国内販売台数は同▲16.7%の11.8万台、輸出台数は同▲2.0%の2.8万台だった。2019年9月の販売台数が13.5万台、輸出台数が2.6万台であり、国内販売台数は減少であるものの、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)FTIは10月21日、「Eコマースプラットフォームで販売されている安価輸入品による影響」の調査結果を発表した。加盟企業の幹部175人が対象で、35.1%がこの安価輸入品の影響で売上高が減少したと回答した。また、61.7%が「規格を満たさない低品質のものが輸入される」と回答し、67.4%が「オンラインプラットフォーム業者にタイ法人登記および付加価値税の支払の義務付け」、46.9%が「消費者の苦情の受付、規格を満たさない商品を返品できる法律の施行」、45.1%が「規格マーク等の表示の義務付け」が必要だと回答した。一方、回答者の65.7%が「工場直販で消費者に商品を届ける」、64.0%が「国内企業に刺激を与え、競争力を向上させる」と楽観的な回答もあった。


2. 投資動向
(1)10月21日、タイ投資委員会(BOI)は、2024年1月から9月までの投資申請金額が前年同期比+42%の総額7,225億バーツ(約217億米ドル)となり、2015年以来の最高水準に達したと発表した。投資申請件数は、前年同時期の1,501件から+46%で2,195件となった。増加の要因は、外国直接投資(FDI)の大幅な流入であり、9ヵ月間のFDIは、前年同期比+38%の5,466億バーツであった。国・地域別では、シンガポールが1,808億バーツで1位であり、同+125%となった。これは主に、中国および米国企業のシンガポール法人による、電気・電子およびデータセンターへの大規模投資が影響している。2位は中国で1,141億バーツ(同+18%)。3位香港(682億バーツ)、4位台湾(446億バーツ)、5位日本(355億バーツ)と続いた。産業別では。電気・電子機器(E&E)やデジタル(主にデータセンター)等の分野への投資が目立った。

(2)BOIは11月1日、当初2024年末を申請期限としていた4種類の投資促進措置、1) 継続・拡大プログラム、2) 移転プログラム、3) 景気回復のための投資奨励措置、4) 自動車産業 のグレードアップのための投資奨励措置について、申請期限を1年間延長し、2025年末までとすることを承認した。これら4種類の投資促進措置に基づいて2023年1月から2024年9月までに提出された申請金額は、合計6,500億バーツを超えている。BOIはまた、タイで最近発生した洪水の影響を受けた奨励企業を支援する救済措置も承認した。北部および北東部地域で洪水被害を受けた企業に対するBOIの初期調査によると、農業・食品および軽工業部門の奨励企業少なくとも6社が影響を受けた。これらの企業には洪水で損傷した設備の交換に必要な機械に対する輸入関税の免除、さらに損傷または紛失した機械および原材料の控除が認められる。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の9月末時点で金融機関預金残高は25兆1,412億バーツ(前年同月比+2.6%)、貸金残高は30兆7,141億バーツ(同+0.6%)といずれも増加。政策金利は10月16日の発表による2.50%から2.25%に引き下げた。


4. 政治動向、その他
(1)バンコク首都庁では環境汚染に関する対策が続いている。10月29日に乾期に伴うPM2.5の対策として、9地区で低排気ゾーンを指定。5地区で大気中のPM2.5濃度が一般人の健康に影響を及ぼすレッドゾーンに達した場合、排気ガスの基準を満たさないトラックの低排気ゾーンでの通行を3日間禁止すると発表した。また、10月30日には、ごみを分別すると、分別しない家庭よりも収集・処理料金を安く設定すると発表した。新たなごみの収集・処理料金は官報掲載の180日後に施行される予定。

(2)10月18日の観光・スポーツ省の発表によると、2024年9月の訪タイ外国人観光者数は前年同月比+18.3%の252.1万人だった。国別にみると、マレーシアが47.2万人(同+21.8%)とトップになり、中国の47.0万人(同+64.8%)、インドの17.2万人(同+20.9%)と続いた。日本は5位で、9.4万人(同+17.3%)だった。2024年1~9月の訪タイ外国人観光者数は前年同期比+30.1%の2,608.9万人。中国が同+110.7%の525.5万人で大幅回復が続いている。日本は9位で、76.3万人(同+32.6%)だった。2024年の通年目標の前年比+25%を達成できると予測され、観光ハイシーズンに入る11月にThailand Winter Festivalsイベントや外国人観光客向けWOW! Amazing Thailand Passport Privilegesキャンペーン が開催される。


(注)本資料は情報の提供を目的としており、何らかの行動を勧誘するものではありません。
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タイ国経済概況(2024年10月)


1.景気動向
(1)タイ工業経済事務局(OIE)の9月26日の発表によると、2024年8月の付加価値ベースの鉱工業生産指数(MPI)は95.08で、前年同月比で引き続きマイナスとなっている。特に「車両・トレーラー」が家計債務の拡大で購買力が落ちていることから、前年同月比▲18.0%となり、下落率が最も大きい。MPIの下落原因としては、ディーゼル価格の上昇および北部での洪水が挙げられる。同事務局はMPI成長率の2024年通年予測値を5月30日の予測値から▲1.0~0.0%に、工業GDP成長率を▲0.5~+0.5%に下方修正した。

(2)工業連盟(FTI)が9月24日に発表した8月の自動車生産台数は、前年同月比▲20.6%の12.0万台だった。内訳は国内向けが同▲40.5%の3.7万台、輸出向けが同▲6.6%の8.3万台。新型コロナ前の2019年8月の生産台数16.6万台を下回った。また、8月の国内新車販売台数は同▲25.0%の4.5万台で、輸出台数は同▲1.7%の8.6万台。新型コロナ前の2019年8月の販売台数が8.1万台、輸出台数が8.2万台であり、国内販売台数は大幅減であるものの、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(3)FTIが9月24日に発表した8月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲8.0%の17.2万台で、14ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年8月の生産台数は19.9万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲15.8%の14.4万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+77.7%の2.8万台。また、8月の国内販売台数は同▲17.7%の13.2万台、輸出台数は同▲3.9%の3.1万台だった。2019年8月の販売台数が14.9万台、輸出台数が2.7万台であり、国内販売台数は大幅減であるものの、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)エネルギー政策計画事務局(EPPO)の発表によると、2024年上半期のタイのエネルギー消費による二酸化炭素(CO2)排出量は前年同期比▲2.5%の1億2,190万トンで、2023年から減少傾向が続いている。燃料別の排出量はいずれも減少しており、石炭が同▲7.9%(2,890万トン)で減少率が最も大きい。国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年のタイのエネルギー単位当たりの排出量は欧州の平均より高いものの、世界平均や亜州(中国除く)の平均よりも低い。同局もクリーンエネルギー源の割合を上げCO2排出量削減方向でエネルギー開発計画の改定を進めている。


2. 投資動向
(1)9月24日、日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所は開設70周年記念フォーラムを開催し、その中で東部経済回廊(EEC)事務局との協力覚書を更新したことを発表した。今回の更新では、特に日本のハイテク産業およびBCG産業の投資家がEEC域内へ投資することを奨励する内容が盛り込まれた。また、同事務所はタイ投資委員会(BOI)とも協力覚書を更新したほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)バンコク事務所と新たに連携協力協定を締結した。

(2)10月2日にBOIは、データセンターおよびクラウドサービス事業における投資申請件数は合計46プロジェクトで、投資額は1,679億8,900万バーツ相当であることを発表した。BOIのナリット長官は、大手インターネット関連企業がタイでのデータセンターとクラウド構築に投資する計画を発表したことに関し、第1段階の投資額は10億米ドル(約360億バーツ)あることを明らかにした。また、次の通りタイへ投資することの利点を述べた。1.高速インターネットネットや電力システムを含めたインフラの質が高いこと、2.ASEAN地域の各国と接続できる中心的な立地、3.デジタルスキルを備えた優秀な人材、4.政府のデジタル推進、5.高度なスキルを持つ海外人材向けのビザ発給等の恩典。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の8月末時点で金融機関預金残高は24兆9,782億バーツ(前年同月比+2.1%)、貸金残高は30兆7,565億バーツ(同+1.0%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)タイ財務省が9月25日~30日に、1万バーツ配布第1弾を経済刺激策として行った。対象者は福祉カードを持つ脆弱者および障害者(計1,450万人)。QRコード決済システム「プロンプトペイ」経由の配布で、約1,405万人に振込完了した。一方で、約38万人が受給できず、受給失敗の原因は主にプロンプトペイと銀行口座の未連携や口座解約であった。財務副大臣のパオプーム氏は、この政策で通年の国内総生産(GDP)成長率が0.3%引き上がると述べた。第2弾配布については、予算は確保されたが、配布時期等の詳細は10月9日現在では未定。

(2)タイ北部を中心とした洪水は一時的に回復したが、9月に発生した台風「ヤギ」(日本:台風11号)および台風「ソーリック」(日本:台風15号)の影響で再び悪化した。10月8日までのタイ各地の洪水で、死亡者52人、被災者24万1,482世帯に上るとされている。タイ商工会議所によると、8月中旬からの洪水損害額は9月28日の時点で、国内総生産(GDP)の0.17%相当の298億バーツに達するとの見通しを発表した。農業の損害が損害額の82.3%を占め、約246億バーツだった。チャオプラヤー水系の下流のバンコク都でも10月6日にチャオプラヤー川の水位上昇を受け、警戒強化を始めた。



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タイ国経済概況(2024年9月)


1.景気動向
(1)タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)の8月19日発表によると、2024年第2四半期の経済成長率は、前年同期比+2.3%であり、今年第1四半期の同+1.6%から加速しているが、前期から東南アジア主要国の中で最も低い伸び率という状況が続いている。物品輸出が同+1.9%で、工業が同+1.8%とプラスに転じた。宿泊・飲食サービスは観光需要の回復で同+7.8%となったものの前期の同+11.8%から減速した。一方、農業は同▲1.1%と2023年第4四半期からマイナスが続いた。2024年上半期の経済成長率は同+1.9%だった。2024年通年の成長率見通しについては、今年5月に発表した同+2.0~3.0%から、+2.3~2.8%に範囲を絞った。

(2)工業連盟(FTI)が8月27日に発表した7月の自動車生産台数は、前年同月比▲16.6%の12.5万台だった。内訳は国内向けが同▲40.9%の3.7万台、輸出向けが同+1.1%の8.8万台。新型コロナ前の2019年7月の生産台数17.1万台を下回った。また、7月の国内新車販売台数は同▲20.6%の4.6万台で、輸出台数は同▲22.7%の8.4万台。新型コロナ前の2019年7月の販売台数が8.1万台、輸出台数が8.2万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(3)FTIが8月27日に発表した7月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲8.0%の17.9万台で、13ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年7月の生産台数は19.7万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲11.3%の15.1万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+14.5%の2.8万台。また、7月の国内販売台数は同▲6.1%の14.2万台、輸出台数は同▲21.6%の3.0万台だった。2019年7月の販売台数が14.9万台、輸出台数が2.3万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)タイ商務省貿易局が8月13日に発表した2024年上半期の国境貿易額(中継貿易額含む)は、前年同期比+3.6%の9,123億バーツだった。輸出額は同+3.1%の5,343億バーツ、輸入額は同+4.3%の3,780億バーツで貿易収支は1,563億バーツの黒字となった。周辺4ヵ国(ラオス、マレーシア、ミャンマー、カンボジア)との貿易額は同+2.6%の4,935億バーツ、中継貿易は同+4.8%の4,188億バーツで、いずれも貿易黒字となった。周辺4ヵ国への主要輸出品目はディーゼル燃料、その他精製油、濃縮ラテックスで、中継貿易での主要輸出品目はドリアン、ハードディスクドライブ、技術的格付け天然ゴム(ブロック状のもの)だった。


2. 投資動向
(1)8月8日付のBOIの発表によると、ビジネスチャンスの創出やタイの自動車部品メーカーの製造技術高度化を促進するため、「自動車部品製造におけるタイ企業と外国企業との合弁事業への奨励措置」を認可したことを明らかにした。付与される恩典は、通常の基準からさらに2年間の法人税免除である。申請可能なケースは、次の二通りある。①新規投資奨励申請プロジェクトは、布告発布日以降に新しく設立された法人で、かつタイと外国の自動車部品メーカーとの合弁事業であり、タイ法人が登録資本金の30%以上の株式を保有している場合。②自動車部品製造事業において既に奨励を受けているプロジェクトで、以前はすべて外国株式だったが、登録資本金の30%以上の割合でタイ自動車部品メーカーと合弁事業を行うことを希望する場合。ただし、どちらの場合においても投資金額が1億バーツ以上であり、2025年末までに奨励の申請が必要となる。

(2)タイ商務省の発表によると、2024年1月~7月の商務省管轄の海外直接投資(FDI)件数は460件で前年同期比+22%、認可額は909億8,700万バーツで同比+54%だった。国・地域別で見ると、件数・認可額いずれも1位は日本で、478億7,900万バーツ(117件)だった。認可額順で見ると、2位は香港で121億3100万バーツ(35件)。3位はシンガポールで、74億8,600万バーツ(71件)。以下、中国が71億2,000万バーツ(51件)、米国が34億7,000万バーツ(70件)で続いた。また、東部経済回廊(EEC)への投資件数は137件で前年同期比+88%、認可額は276億7,700万バーツで同比+124%だった。EECへの投資においても日本が1位であり、81億3,800万バーツ(45件)であった。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の7月末時点で金融機関預金残高は25兆2,320億バーツ(前年同月比+3.1%)、貸金残高は30兆7,830億バーツ(同+1.4%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)憲法裁判所は8月14日、タイ貢献党所属のセター首相の解任を命じた。判決理由は、セター氏が2024年4月の内閣改造時に犯罪歴のある人物を閣僚に任命したことで、任命者が憲法の倫理規定に違反したことに該当するとのこと。8月16日に下院で同じくタイ貢献党のタクシン元首相の次女・ペートンタン氏が首相に選出された。その後、8月18日にワチラロンコン国王の承認を得て、正式にタイの第31代の首相に就任した。新しい閣僚名簿は9月4日に国王に承認された。現政権から民主党が連立与党に入り、国民国家の力党がプラウィット党首の派閥とタマナット前幹事長の派閥に分けられ、タマナット氏の派閥は連立与党に残り、プラウィット氏の派閥は野党になった。ペートンタン内閣の所信表明は9月12~13日の予定。

(2)タイ商工会議所が9月2日に、8月中旬からタイ北部を中心とした洪水の損害額は、国内総生産(GDP)の0.05%相当の80億バーツに達するとの見通しを発表した。農業の損害が損害額の89.6%を占め、約72億バーツだった。洪水の影響が原因で農産物供給不足となり、商務省が農産物価格の監視を強化している。8月29日時点の災害防止軽減局の発表は、タイ各地の洪水で、死亡者22人、被災者6万9,093世帯だった。水系の下流はバンコク都のため、2011年のように大洪水になる懸念があり、対策が進められているが、国家水資源事務局のデータでは、2024年は降水量、到来する予測の台風の数はいずれも2011年より少なく、主要ダムの洪水調節容量が2011年より多いため、大洪水にならないという見解。


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タイは二輪車の利用率が高い国の第一位

世界のオートバイ利用の 58% がアジア太平洋地域で占められている。

その中でも特にオートバイの利用が多い国は次の通り。


タイ → 世帯数の87%

ベトナム → 世帯数の86%

インドネシア → 世帯数の85%

マレーシア → 世帯数の83%

中国 → 世帯数の60%


これらの国は世帯当たりのオートバイ使用率が高い国だが、それに伴い交通事故率も高い。


Source: BT Beartai, Pew Research Center



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タイ国経済概況(2024年8月)


1.景気動向
(1)タイ商務省の7月26日の発表によれば、2024年上半期の輸出額は前年同期比+2.0%の1,452.9億米ドル、輸入額は同+3.0%の1,505.3億米ドルで、貿易収支は52.4億米ドルの赤字となった。品目別輸出額は、自動車・同部品が同▲3.4%(197.0億米ドル)、電子製品・同部品が同+11.7%(248.4億米ドル)、農産物・加工品は同+3.3%(265.2億米ドル)、そのうち米は同+48.1%(33.0億米ドル)、天然ゴムは同+30.6%(22.8億米ドル)だった。国・地域別輸出額は、首位が米国で前年同期比+11.2%の257.7億米ドル、次いで中国が同▲1.2%の176.0億米ドル、日本が同▲7.5%の115.7億米ドルだった。2024年通年の輸出額目標の+1~2%を達成できると予想される。

(2)工業連盟(FTI)が7月25日に発表した6月の自動車生産台数は、前年同月比▲20.1%の11.6万台だった。内訳は国内向けが同▲43.08%の3.5万台、輸出向けが同▲3.7%の8.2万台。新型コロナ前の2019年6月の生産台数17.3万台を下回った。また、6月の国内新車販売台数は同▲26.0%の4.8万台で、輸出台数は同+0.3%の8.9万台。新型コロナ前の2019年6月の販売台数が8.6万台、輸出台数が9.8万台であり、ともに新型コロナ前の水準を下回った。

(3)FTIが6月25日に発表した6月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲25.8%の18.4万台で、12ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年6月の生産台数は20.4万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲24.4%の15.7万台で、完全組み立て部品(CKD)が同▲32.8%の2.7万台。また、6月の国内販売台数は同▲16.1%の15.0万台、輸出台数は同▲31.4%の2.7万台だった。2019年6月の販売台数が15.0万台、輸出台数が3.0万台であり、販売台数は新型コロナ前の水準と同程度だった。

(4)FTIが7月17日に発表した2024年6月の産業景況感指数(TISI)は、前月比▲1.3ポイントの87.2で3ヶ月連続下落し、過去2年間の最低値となった。FTIはタイ国内政治の不安定、家計債務の拡大により購入能力の低下していること等が景気回復に悪い影響を与えていると指摘した。業種別では46業種中21業種が上昇。企業規模別では、小規模企業が前月比▲2.7ポイントの78.9、中堅企業が同▲2.5ポイントの84.4、大企業が同+1.5ポイントの97.6だった。また、今後の最低賃金の引き上げやエネルギーコスト上昇等の懸念で、3ヶ月後のTISIの見通しが同▲2.3ポイントの93.4で、2021年10月以降の最低値となった。


2. 投資動向
(1)7月26日付のBOIの発表によると、ハイブリッド車の物品税を一時的に引き下げることを国家EV政策委員会が承認した。これは、ハイブリッド車メーカーの投資を前提としており、措置導入により見込まれる投資金額は500億バーツとのこと。BOI長官のナリット氏は、軽減税率の適用を受けるには、BOIの承認を前提とし、メーカーに対し2024年から2027年までの3年間にタイ国内で最低でも30億バーツの新規投資を行うことを求めると述べた。期間は2028年から2032年の間で、10人乗り以下のハイブリッド車が対象。適用条件として、タイ国内で生産された主要部品の使用、6つの先進運転支援システム(ADAS)のうち、少なくとも4つを導入することが必要となる。税率は2種類に分けられ、走行1キロメートル当たりのCO2排出量が100グラム未満の車両は税率6%、同排出量が101~120グラムの車両は税率9%となる。この措置案は今後内閣へ提出され、審議が行われる予定。

(2)タイ投資委員会(BOI)の発表によると、2024年1月~6月の新規投資申請件数は1,412件で前年同期比+63.6%、新規投資申請額は4,583億6,000万バーツで同比+34.9%だった。業種別の内訳を見ると、1位は「電気・電子」で同比▲12.5%の1,397億バーツ。次いで「インフラ」が同比+178.8%の867億バーツ。「機械・車両」が同比+113.4%の538億バーツで続いた。また、新規申請の中で、タイランド4.0の重点産業「Sカーブ産業」向けの新規申請件数は、同比+62.1%の723件。投資金額は同比+9.8%の2,897億バーツだった。地域別の内訳を見ると、東部経済回廊(EEC)向けが最大で、+17.0%の1,800億バーツだった。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の6月末時点で金融機関預金残高は25兆1,599億バーツ(前年同月比+2.5%)、貸金残高は30兆8,465億バーツ(同+1.5%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)選挙管理委員会が7月10日に、6月26日に行われた上院議員選挙結果(候補者200人および補欠99人)を承認し、官報に公示した。また、7月23日に議長および副議長2名が選出された。3名とも連立与党であるタイ誇り党との関係があると報道されている。なお、新上院は首相指名への投票権は無いが、憲法改正案の可決(3分の1、約67名の賛成が必要)および国家汚職防止委員会等の独立機関の役員任命の承認に権限を持つ。

(2)憲法裁判所は8月7日、最大野党であった前進党の解党および2021年3月5日から2023年1月31日まで党幹部(計11名)を務めた人々に対し10年間の政治活動禁止を命じた。判決理由は不敬罪の改正を2023年総選挙の公約に掲げたことであるとのこと。ピター氏含め5名の元比例代表は補欠無しに解任され、元小選挙区代表1名は解任された後、該当選挙区の再選挙が行われる。また、野党党首および下院第1副議長が解任されたため、再選出が必要となる。元前進党の残りの議員143名は60日以内に、他の政党へ転籍することが必要。元前進党のメンバーは8月9日に受け皿の政党として新政党「People's Party」を立ち上げたと発表した。党首には前進党の元副幹事長のナタポン氏が就任した。


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タイ国経済概況(2024年7月)


1.景気動向
(1)タイ商工会議所大学(UTCC)の発表によると、2024年5月の消費者信頼感指数は前月比▲1.6の60.5(100以上が好感)で、新型コロナ発生後の2020年3月以降の最高だった2024年2月から3ヵ月連続の下落となった。項目別でも「経済全般」が54.3(同比▲1.7)、「雇用」が57.6(同比▲1.3)、「将来の収入」が69.8(同比▲1.7)とすべての項目が3ヵ月連続で下落した。また、同時調査された自動車の買い時指数、不動産の買い時指数も低下した。

(2)工業連盟(FTI)が6月25日に発表した5月の自動車生産台数は、前年同月比▲16.2%の12.6万台だった。内訳は国内向けが同▲38.6%の3.7万台、輸出向けが同▲1.0%の8.9万台。新型コロナ前の2019年5月の生産台数18.1万台を下回った。また、5月の国内新車販売台数は同▲23.4%の5.0万台で、輸出台数は同+3.4%の8.9万台。新型コロナ前の2019年5月の販売台数が8.8万台、輸出台数が9.5万台であり、ともに新型コロナ前の水準を下回った。

(3)FTIが6月25日に発表した5月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲12.3%の19.2万台で、11ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年5月の生産台数は21.0万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲15.6%の16.8万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+21.5%の2.4万台。また、5月の国内販売台数は同▲10.2%の16.5万台、輸出台数は同▲22.0%の2.8万台だった。2019年5月の販売台数が16.1万台、輸出台数が3.2万台であり、販売台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)不動産情報センター(REIC)によると、全国の2024年第1四半期の住宅購入戸数は前年同期比▲13.8%の72,954戸で、2018年第1四半期からの過去25四半期で最低となった。購入額も同▲13.4%の2,087億3,200万バーツで、2019年第3四半期からの過去19四半期で最低となった。種類別では、低層住宅(一戸建てやタウンハウス等)の購入戸数は同▲18.9%、購入額も同▲14.6%と大きく減少した。コンドミニアムの購入戸数は同▲0.6%にとどまったが、購入額は同▲10.7%と大きく減少した。購入戸数は価格帯にかかわらず減少傾向となった。


2. 投資動向
(1)6月24日付のタイ商務省商業開発局(DBD)の発表によると、2024年1月~5月の外国人事業認可件数は317件で前年同期比+16%、投資総額は717億200万バーツで同比+58%だった。件数の国別1位は日本で84件(投資額402億1,400万バーツ)、2位はシンガポールで51件(投資額51億8,900万バーツ)、3位は50件の米国(投資額11億9,600万バーツ)、4位は38件の中国(投資額54億8,500万バーツ)、5位は28件の香港(投資額120億4,800万バーツ)だった。また、投資申請のうち東部経済回廊(EEC)への投資件数は99件で同比+106%だった。

(2)6月14日付のタイ投資委員会(BOI)の発表によると、タイの電気自動車産業の発展に伴い、将来増加が懸念されるバッテリー劣化による環境負荷を低減するため、いくつかの業種を投資奨励業種として、追加認可した。認可されたのは、使用済みバッテリーの修理センター、不要のバッテリーおよび/またはエネルギー貯蔵システムの再パックあるいは再利用等。電気自動車に関連する業種以外でも追加認可があり、タイにおけるデータセンターを効率化するためのデータホスティング事業、輸出前の動物検疫所事業が認可された。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の5月末時点で金融機関預金残高は25兆2,670億バーツ(前年同月比+2.6%)、貸金残高は30兆8,777億バーツ(同+1.9%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)タイ選挙管理委員会は5月30日に上院議員選挙の立候補者数が4万2,606人(失格者除く)になったと発表した。地区レベル・県レベルの選挙の後、全国レベル選挙(いずれの選挙も立候補者による互選)が6月26日に行われた。27日に定数200人と補欠100人の一次結果が開示された。政党との繋がりでは、タイ誇り党系が123人を占め、前進党系が18人、タイ貢献党系が12人となったとの報道がされている。正式な当選結果は、選挙不正の訴えがあったため、7月9日現在でも確定できていない。

(2)6月25日の観光・スポーツ省の発表によると、2024年5月の訪タイ外国人旅行者数は前年同月比+30.8%の263.3万人だった。国別にみると、中国が55.9万人(同+95.9%)と5ヵ月連続最多で、マレーシアの44.3万人(同+18.4%)、インドの19.9万人(同+33.5%)と続いた。日本は12位で、6.7万人(同+25.2%)だった。2024年1~5月の訪タイ外国人旅行者は前年同期比+37.6%の1476.1万人で、上位2ヵ国の中国(291.1万人、同+157.4%)とマレーシア(201.2万人、同+16.2%)が3位以下を引き離している。日本は11位で、40.1万人(同+47.8%)だった。また、タイ中央銀行(BOT)のプラニー氏は、2024年5~6月の観光業の成長率が前年同期比+9.2%となったことを受け、ビザ免除政策で観光業が復活し、タイ経済の回復に貢献したと述べた。


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タイ国経済概況(2024年6月)


1.景気動向
(1)タイ商務省が5月3日に発表した2024年4月の消費者物価指数(CPI)は108.16となり、前年同月比+0.19%であった。この数値は7カ月ぶりのプラスであり、エネルギー関連の値下がりの影響から一旦抑制されていた物価上昇圧力が再び高まったことを示唆している。前年の一時的な電気代値下げ政策の効果が薄れ、インフレ基調への回帰が窺える。

(2)工業連盟(FTI)が5月23日に発表した4月の自動車生産台数は、前年同月比▲11.0%の10.5万台だった。内訳は国内向けが同▲34.2%の3.3万台、輸出向けが同+5.9%の7.2万台。新型コロナ前の2019年4月の生産台数15.0万台を下回った。また、4月の国内新車販売台数は同▲21.5%の4.7万台で、輸出台数は同▲12.2%の7.0万台。新型コロナ前の2019年4月の販売台数が8.6万台、輸出台数が6.7万台であり、販売台数は新型コロナ前の水準を下回った。

(3)FTIが5月23日に発表した4月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲4.4%の16.2万台で、10ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年4月の生産台数は16.9万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲2.9%の13.6万台で、完全組み立て部品(CKD)が同▲11.5%の2.6万台。また、4月の国内販売台数は同+2.6%の12.7万台、輸出台数は同▲19.6%の2.6万台だった。2019年4月の販売台数が12.0万台、輸出台数が2.4万台であり、販売台数と輸出台数のいずれも新型コロナ前の水準を上回った。

(4)タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)の5月20日発表によると、2024年第1四半期の経済成長率は、前年同期比+1.5%であり、東南アジア主要国で最も低い伸び率となった。内訳では、サービス業が観光需要の持ち直しで+11.8%(宿泊・サービス)と好調だったが、製造業は▲3%強、農業も▲3.5%と低迷した。輸出は▲0.2%、自動車生産・販売も不振が続いている。新政権発足後の2024年度予算執行が進むなか、民間支出は増えたものの公共投資が▲27.7%となるなど、財政出動の遅れが経済に影響したとみられる。タイ経済は徐々に持ち直しつつあるものの、製造業の停滞、輸出の低迷、公共投資の減少などが重しとなり、力強い回復には至っていない状況にある。


2. 投資動向
(1)5月2日付のタイ投資委員会(BOI)の発表によると、2024年第1四半期の投資申請は724件で、投資総額は前年同期比+31%の2,282億バーツだった。産業別1位は投資総額772億バーツのエレクトロニクスおよび電気製品で、2位は213億バーツの自動車および部品、3位は177億バーツの石油化学および化学品だった。投資申請のうちFDIは前年同期比+16%の1,693億バーツ(460件)となり、申請総額の64%を占めた。金額で国別1位は電子回路基板(PCB)の製造で大規模投資があった総額425億バーツのシンガポール、2位は347億バーツの中国、3位は266億バーツの香港だった。日本は件数では4位、金額では6位だった。また、投資申請のうち産業高度化措置に基づく投資額は前年同期比+28%の5,713百万バーツだった。

(2)5月30日付のBOIの発表によると、現在、56,000人以上の外国人がタイでの就労と滞在を許可されている。そのうちスマートビザによるものが2,170人、タイ長期居住者プログラム(LTRビザ)によるものが4,000人以上となっている。スマートビザは、技術やイノベーションを原動力とする産業やスタートアップを支援し、高度人材を誘致するためのビザである。承認件数の多い国は、米国、ロシア、英国、日本、ドイツとなっている。LTRビザは、タイに有望な外国人を誘致するため、個人所得税率を17%とする等の恩典を付与するものである。国別の承認件数は、米国が791件で最多、次いでロシア(479件)、英国(332件)、中国(277件)、ドイツ(236件)、日本(207件)、フランス(198件)となっている。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の4月末時点で金融機関預金残高は25兆2,115億バーツ(前年同月比+2.2%)、貸金残高は30兆8,834億バーツ(同+2.3%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)タイの選挙管理委員会は、6月に実施される上院議員選挙において、4万8,226人が立候補を届け出たと発表した。選挙管理委員会は、10万人以上が立候補すると予想していたものの、その半数に満たなかったとバンコクポストが5月25日に報じた。立候補者が予想を大幅に下回った理由として、立候補の条件が厳しいことや選挙の仕組みが複雑であることが挙げられている。立候補届は20日から24日に受け付けられ、内務省地方行政局によると、4万8,226人のうち4万8,117人が全ての条件を満たしていた。一部の条件を満たしていない候補者については、29日までに再審査が行われる予定。上院の定数は200となり、250から削減される。選出方法も前回の任命制から変更され、20の専門分野グループに分けて立候補を受け付け、郡、都・県、国レベルの3段階で候補者による互選を行い、最終的に20のグループからそれぞれ10人ずつ計200人を選出。立候補届を確認した結果、多くの選挙区の専門分野グループで候補者不足が判明している。7つの選挙区では1つのグループしか候補者がおらず、2つの選挙区では候補者がゼロだった。サワン事務局長は、立候補者不足の選挙区があっても、選挙は問題なく実施できると説明している。


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タイ人に人気のある大学トップ20(2024年)


タイ全国の大学ランキングが Unirank のサイトで公開されました。

Unirank の選考基準を満たすタイの大学は123校あって、その選考基準は次の3つ。

・タイの高等教育関連機関によって認定・認可されていること
・少なくとも3年間の履修期間があって学士号、大学院修士号または博士号を提供していること
・主に従来の非リモート形式の教育でコースを提供していること


具体的な調査方法は公開情報がないので分かりませんが、人気ランキングです。


タイ人に人気のある大学トップ20校は下記の通り。

尚、Unirank の Web サイトでは調査対象123全校の順位がアップされている。


【上位20校】

1. マヒドン大学

2. チュラロンコン大学

3. チェンマイ大学

4. カセサート大学

5. プリンスオブソンクラー大学

6. コンケン大学

7. タマサート大学

8. アジア工科大学

9. スアンスナンダラチャパット大学

10. キングモンクット工科大学トンブリ校

11. ラムカムヘン大学

12. キングモンクット工科大学ラーカバン校

13. シーナカリンウィロート大学

14. ブラパ大学

15. ナレースアン大学

16. シラパコーン大学

17. アサンプション大学

18. スラナリー工科大学

19. シリパトゥム大学

20. キングモンクット工科大学北バンコク校

[Source]
https://www.4icu.org/th/
※リンク先は別ウィンドウで開きます



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タイ国経済概況(2024年5月)

1.景気動向
(1)タイ商務省貿易政策・戦略事務局(TPSO)の発表によると、2024年3月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比+2.1%で112.4となった。2024年第一四半期の上昇率は、前年同期比+1.2%だった。PPI指数は2015年を100として基準にしており、3ヵ月連続の上昇となった。2024年3月の品目別では、「農業・水産」が前年同月比+5.9%「工業製品」が同+2.4%と好調。マイナスとなった主な項目は「鉱業」で同▲13.7%だった。鉱業のうち、「原油・天然ガス」が同▲16.2%、「鉱石」が同▲9.9%。「コンピューター・電子機器」は同▲1.7%だった。

(2)工業連盟(FTI)が4月25日に発表した3月の自動車生産台数は、前年同月比▲23.1%の13.8万台だった。内訳は国内向けが同▲41.0%の4.7万台、輸出向けが同▲9.1%の9.2万台。新型コロナ前の2019年3月の生産台数19.9万台を下回った。また、3月の国内新車販売台数は同▲29.8%の5.6万台で、輸出台数は同▲3.3%の9.5万台。新型コロナ前の2019年3月の販売台数が10.3万台、輸出台数が11.8万台であり、販売台数、輸出台数ともに新型コロナ前の水準を下回った。

(3)FTIが4月25日に発表した3月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲4.0%の21.9万台で、9ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年3月の生産台数は23.9万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲9.4%の18.0万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+31.3%の4.0万台。また、3月の国内販売台数は同▲18.7%の15.0万台、輸出台数は同+5.7%の4.6万台だった。2019年3月の販売台数が16.8万台、輸出台数が3.4万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)2024年第1四半期の農業部門の国内総生産(GDP)は前年比▲4.1%だった。タイ農業・協同組合省農業経済事務局(OAE)によると、エルニーニョ現象によって雨不足、貯水量不足となったことと、酷暑の影響で主要作物の収穫量が▲6.4%となったことが要因。主要作物のコメ、キャッサバ、サトウキビ、天然ゴム、アブラヤシ、ロンガン(竜眼)、ドリアン、マンゴスチン、ランブータン等が収穫量減少となった。一方でOAEは、通年の農業のGDP成長率については生産工程の効率化や農産品加工の推進を進める予定で、+0.7~1.7%の予想を据え置いた。
また、畜産は+1.5%、漁業は+0.5%、林業は+1.8%だった。畜産は国内外の需要回復を受けて鶏肉と豚肉の生産量が増えた。漁業は養殖場の管理体制改善でエビの生産が増え、燃油価格の下落で遠洋漁業も拡大した結果、微増。


2. 投資動向
(1)タイ投資委員会(BOI)は4月10日、低所得者向け住宅事業への投資奨励を開始したことを明らかにした。この措置は、低所得者層が自分の住居を持つことを奨励する政府の方針に沿って、政府の不動産部門を通じた景気刺激策の一環である。恩典内容は法人税の3年間免除で、プロジェクトの共通インフラ(道路、公共施設等)を開発する費用分のみが控除の対象となる(建物工事費用は対象外)。恩典の申請にあたっては以下の条件が定められている。一戸あたり150万バーツを超えない価格で個人へ販売されること。使用可能な面積が70平方メートル以上でなければならず、コンドミニアム建設の場合は、一戸あたり24平方メートル以上であること。全体への監視カメラ設置、警備員2人以上の24時間常駐、共有スペース、適切な割合の駐車スペース等、標準的な設備が整っていること。これらの条件に当てはまるかどうか、恩典申請前にタイ政府住宅銀行(GHB)の承認を得なければならない。申請受付は2025年12月まで。

(2)5月2日のBOIの発表によると、2024年1~3月のBOIへの新規投資申請額は前年同期比+31%の2,282億バーツ、申請件数は同+94%の724件だった。うちFDIは、金額が同+16%の1,693億バーツ、件数が同+130%の460件だった。国別では、首位がシンガポールの425億バーツで、中国の347億バーツ、香港の266億バーツ、台湾の200億バーツ、オーストラリアの172億バーツが続いた。日本はトップ5に入っていない。産業別では、首位が電気・電子の申請額772億バーツ、2位が自動車・部品の213億バーツだった。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の3月末時点で金融機関預金残高は25兆2,180億バーツ(前年同月比+1.9%)、貸金残高は30兆4,904億バーツ(同+1.2%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)タイ政府は、上院議員250人の任期が5月10日に満了し、5月13日に選挙日程の公示、立候補者の受付が開始される上院議員選出法を4月23日に承認した。当上院議員選挙は、2017年憲法の規定により定員が現在の250人から200人に減り、20の専門分野からそれぞれ10人が選出される流れ。被選挙権の条件は40歳以上、10年以上専門分野の職業に従事していたことが求められる。地区レベル・県レベル・全国レベルと3回の選出が行われ、各段階で、候補者が互いに投票し合う方式をとる。最終当選者は7月2日に開示される予定。

(2)4月25日の観光・スポーツ省の発表によると、2024年3月の訪タイ外国人旅行者は前年同月比+31.4%の298.3万人だった。国別にみると、中国が57.3万人(同+112.5%)と最多で、マレーシアの34.6万人(同▲4.5%)、ロシアの19.9万人(同+11.9%)と続いた。日本は9位で、9.3万人(同+54.0%)だった。また、観光・スポーツ相のスダワン氏は、ソンクラーンを含む4月1~21日の観光収入が約1,403億バーツに上ったと発表した。同省の事前予想(1,320億バーツ)を上回る数字だった。同期間の外国人旅行者数は前年同期比+37.5%の193万人だった。


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タイ国経済概況(2024年4月)

1.景気動向
(1)タイ商工会議所大学(UTCC)の発表によると、2024年2月の消費者信頼感指数は63.8(100以上が好感)で7ヵ月連続の上昇となった。新型コロナ発生後の2020年3月以降で1番高い結果だった。項目別でも「経済全般」「雇用」「将来の収入」すべての項目が7ヵ月連続で上昇した。また、同時調査された自動車の買い時指数、不動産の買い時指数も7ヵ月連続で改善。

(2)タイ工業連盟(FTI)が3月26日に発表した2月の自動車生産台数は、前年同月比▲19.3%の13.4万台だった。内訳は国内向けが同▲33.0%の4.7万台、輸出向けが同▲9.3%の8.7万台。新型コロナ前の2019年2月の生産台数18.3万台を下回った。また、2月の国内新車販売台数は同▲26.2%の5.3万台で、輸出台数は同+0.2%の8.9万台。新型コロナ前の2019年2月の販売台数が8.2万台、輸出台数が10.1万台であり、販売台数、輸出台数ともに新型コロナ前の水準を下回った。

(3)FTIが3月26日に発表した2月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲1.7%の21.6万台で、8ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年2月の生産台数は21.8万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲6.6%の17.6万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+27.7%の4.0万台。また、2月の国内販売台数は同▲11.8%の14.4万台、輸出台数は同▲1.3%の4.4万台だった。2019年2月の販売台数が14.5万台、輸出台数が3.6万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。


2. 投資動向
(1)タイ投資委員会(BOI)は3月11日、EV3.0およびEV3.5措置において恩典対象となる電気自動車メーカーに対し、物品税局の指定期間内にタイ国内で製造した主要部品やバッテリーを使用しなければならないという条件を定めた。主要部品は、駆動モーター、バッテリーマネージメントシステム(BMS)、運転制御システム(DCU)、インバーター、減速機またはエアコンのコンプレッサー等。また、関税フリーゾーンまたはフリーゾーン(FreeZone)に立地する国内販売向けの電気自動車メーカーは、品質検査、主要部品の製造等について、工業省指定の生産プロセスを満たし、アセアンで製造された部品(RegionalValueContent)を全部品の40%以上、使用することと条件を定めた。これにより、タイ国内部品メーカーがEV産業のサプライチェーンへ参入することを重視していることが明らかになった。

(2)BOIは3月28日、大規模な国際的コンサートやスポーツイベント、フェスティバルを誘致するための優遇措置を承認した。これは、観光ハブとしてのタイの地位を強化し、観光およびエンターテインメント部門を新型コロナ禍の落ち込みから完全に回復させるという政府のビジョンを支援するものである。対象は、1億バーツ以上の投資または経費を必要とする大規模な国際イベントの主催者であり、機器の輸入関税免除、必要な外国人スタッフの一時的な入国を容易にするという恩典が与えられる。申請者は、申請するプロジェクトを組織する権利を有していることの証明が必要である。なお、この措置は会議や見本市の開催には適用されない。また、同日にプリント基板(PCB)メーカーに付与される優遇措置について、サプライチェーン全体をカバーするよう業種の定義を改訂することも承認された。2023年、BOIは約40社のPCBプロジェクトへの投資奨励措置を承認し、その投資総額は約960億バーツに上った。これらプロジェクトは、中国、台湾、日本を拠点とする企業がPCB生産拠点をタイに移転するもので、タイ企業からも申請があった。

(3)BOIのナリット長官は3月26日、セター首相が就任以降に訪問した14ヵ国・地域での投資誘致活動により、少なくとも5,580億バーツの投資が見込めると発表した。部門別では、デジタル分野に2,500億バーツ、電気自動車(EV)と部品に2,100億バーツ、電子・半導体に950億バーツ、物流に30億バーツが見込まれるとのこと。デジタル分野では、年内にデータセンターやクラウドサービスに2社が大型投資をすると明かした。同氏は、これまでの投資誘致政策の成果として、EV支援策を推進した結果、大手中国EVメーカー(比亜迪(BYD)、広汽埃安新能源汽車(AION)等)がタイ進出したと述べた。日本の大手自動車メーカーもEV分野にさらなる投資を予定しており、政府は今後、米国や欧州のEVメーカーやバッテリーセルメーカーと協議を進める意向を示した。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の2月末時点で金融機関預金残高は25兆1,268億バーツ(前年同月比+2.0%)、貸金残高は30兆8,398億バーツ(同+2.5%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)3月18日、政府は2034年開港予定の北部パヤオ県の新空港建設に22億バーツを投資予定だと発表した。同空港はパヤオ県中心部から18キロメートルほど離れたドークカムタイ郡に建設予定で、敷地面積は2,813ライ(約4.5平方キロメートル)。セター首相は開発に先がけて同県を訪問し、北部地方の観光促進に対して意欲を示した。また、タイ空港公社(AOT)が発表した2024年2月の主要6空港利用者数は、前年同月比+28.6%の1,068.8万人だった。国際線が同+50.2%の667.2万人で、多くの外国人観光客がタイを訪問した。国内線は同+3.8%の401.7万人だった。

(2)2024年3月26日にタイ賃金委員会は、パタヤやプーケット等の主要観光地10ヵ所の4つ星以上および従業員50人以上のホテルで働く従業員の最低日給を1日400バーツに引き上げると発表。4月2日の閣議で承認され、4月13日から施行予定。多くの観光客が見込めるソンクラン休みからの施行となった。今回の引き上げ前の最低賃金(今年1月の引き上げ後)は地域により330~370バーツ。


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タイ国経済概況(2024年3月)

1.景気動向
(1)国家経済社会開発委員会(NESDC)が2月19日に発表した速報値によると、2023年通年の経済成長率は前年比+1.9%で2022年の同+2.6%から減速。観光客数の回復がプラス要因だったが、輸出不振が響いた。1人当たりのGDPは7,332米ドルと、前年の7,094米ドルから伸びた。NESDCは2024年について前年比+2.7~+3.7%と予測していたが、今発表で+2.2~3.2%に下方修正した。また、タイ国家統計局によると、2023年第4四半期の失業率は0.8%で、2015年第4四半期以来8年ぶりの低さとなった。これは新型コロナ前の水準(2019年第4四半期は0.98%)よりもさらに低い。15歳以上の労働人口4,067万人のうち最多業種は商業・サービスで、全体の47.3%の1,925万人だった。

(2)エネルギー省の発表によると、2023年のタイの二酸化炭素(CO2)排出量は前年比▲2.4%の2億4,400万トンだった。タイ環境研究所(TEI)のウィジャイ氏はこの結果を受け、工業部門で新技術を導入していることが要因の一つとの見解を示した。そして、重要なことはどの燃料を使うかであり、例えEVが普及しても、その電力が石炭に由来していればCO2は増えると指摘。2023年の燃料別の排出量は石油が1億500万トン(前年比▲1.1%)、石炭が5,900万トン(同▲15%)であり、石炭の使用量が大きく減っていることが読み取れる。同氏はまた、タイは地球温暖化の影響を受けやすい国の上位10位に入るとも指摘。タイ政府は2050年までにカーボンニュートラル、2060年までにネットゼロを目指す。

(3)タイ工業連盟(FTI)が2月22日に発表した1月の自動車生産台数は、前年同月比▲12.5%の14.2万台だった。内訳は国内向けが同▲33.6%の4.7万台、輸出向けが同+3.9%の9.5万台。新型コロナ前の2019年1月の生産台数17.9万台を下回った。また、1月の国内新車販売台数は同▲16.4%の5.5万台で、輸出台数は同▲0.1%の8.7万台。新型コロナ前の2019年1月の販売台数が7.8万台、輸出台数が8.2万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)FTIが2月22日に発表した1月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲5.6%の22.5万台で、7ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年1月の生産台数は21.8万台であり、新型コロナ前の水準を上回った。内訳は完成車(CBU)が同▲8.3%の17.8万台で、完全組み立て部品(CKD)が同+6.5%の4.7万台。また、1月の国内販売台数は同▲3.3%の15.4万台、輸出台数は同▲16.4%の3.5万台だった。2019年1月の販売台数が14.9万台、輸出台数が2.6万台であり、ともに新型コロナ前の水準を上回った。


2. 投資動向
(1)タイ投資委員会(BOI)は2月6日、2023年の投資奨励申請件数が前年比+16%の2,307件、投資金が同+43%の8,483.18億バーツに達し、いずれも直近5年で最高値であることを発表した。世界中の大企業が安定した基盤がある投資先を探している昨今、タイ政府の積極的な投資促進政策により投資先としてタイが選ばれた形。投資金額の多い業種順で、電気電子機器が3,421.49億バーツと全体の40%を占めて1位、次いで自動車および部品が822.82億バーツで全体の10%、農業・食品が744.16億バーツで全体の9%と続いている。

(2)タイ国家電気自動車政策委員会(EV委員会)は2月21日、企業が商用として使用する大型トラックやバスを対象に、バッテリー式電気自動車(BEV)に移行した場合、奨励金を付与すること、またEVバッテリーセル製造業者を対象に助成金を付与することを承認した。タイ投資委員会長官のナリット氏は、この措置はいわゆるEV3.0およびEV3.5一連の措置を完了させるものであり、ネットゼロ目標達成を支援できると述べた。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2024年の1月末時点で金融機関預金残高は24兆9,879億バーツ(前年同月比+2.1%)、貸金残高は30兆6,871億バーツ(同+2.6%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
(1)2月15日、上院議員選出に関する官報公示がなされた。官報によると、国家平和秩序評議会(NCPO)が任命した250人の上院議員の任期が2024年5月に満了し、同月に選挙が行われる予定。また、2017年憲法の規定により上院議員の定数は現在の250人から200人に削減される。選挙では20の専門分野からそれぞれ10人が選出される。出馬条件は40歳以上で、10年以上専門分野の職業に従事していた人。最初は市町村レベルの選挙を実施し、その後県レベル、全国レベルと候補者が絞られていく仕組み。各段階で、候補者が互いに投票し合う方式だ。最終的には各専門分野ごとに上位10人が選ばれ、合計200人を構成する。

(2)2月26日の観光・スポーツ省の発表によると、2024年1月の訪タイ外国人旅行者は前年同月比+41.5%の303.5万人だった。国別にみると、中国が同+453.7%の50.9万人と最多で、マレーシアの同+11.4%の32.2万人、韓国の同+31.3%の22.3万人と続いた。日本は12位で、同+60.2%の7.4万人だった。また、観光・スポーツ相のスダワン氏は、今年の訪タイインド人旅行者数の目標を200万人に引き上げるようタイ国政府観光庁(TAT)に通知。現在タイ政府はインド国籍保有者に対し、昨年11月10日から今年5月10日までの半年間、一度の滞在につき30日間ビザ免除する観光誘致策を実施している。スダワン氏はまた、インド大手航空会社・旅行会社と面談し、航空便の増加等を要請した。


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タイ国経済概況(2024年2月)

1.景気動向
(1)タイ商務省の発表によれば、2023年通年の輸出額は前年比▲1.0%の2,845.6億米ドル、輸入額は同▲3.8%の2,897.5億米ドルで、貿易収支は51.9億米ドルの赤字となった。品目別輸出額は、自動車・同部品が同+8.5%(411.2億米ドル)、電子製品・同部品が同+2.6%(462.7億米ドル)、農産物・加工品は同▲0.7%(492.0億米ドル)、そのうち米は同+29.3%(51.4億米ドル)、天然ゴムは同▲29.2%(36.5億米ドル)だった。国・地域別輸出額は、首位が米国で前年比+2.8%の488.7億米ドル、次いで中国が同▲0.8%の341.7億米ドル、日本が同+0.1%の246.7億米ドルだった。また、商務省貿易政策・戦略事務局(TPSO)は、2024年の輸出額目標を前年比+1.99%の約2,900億米ドルにすると発表した。

(2)盤谷日本人商工会議所(JCC)は1月30日、2023年下期日系企業景気動向調査の結果を発表した。2023年11月28日~12月20日にかけて会員企業1,646社を対象に調査を行い、539社(回答率32.7%)から回答を得た。同調査によれば、2023年下期の業況感(DI値:業況が「上向いた」と回答した数から「悪化した」と回答した数を差し引いた値)見通しは▲16で、2023年上期の▲10から悪化した。また2024年上期の見通しについては、エネルギーコストの低下やインバウンドへのさらなる期待から10へと伸長した。

(3)タイ工業連盟(FTI)が1月29日に発表した12月の自動車生産台数は、前年同月比▲15.8%の13.4万台だった。内訳は国内向けが同▲29.9%の5.1万台、輸出向けが同▲3.7%の8.3万台。新型コロナ前の2019年12月の生産台数13.4万台と同水準だった。また、12月の国内新車販売台数は同▲17.5%の6.8万台で、輸出台数は同▲19.1%の9.0万台。新型コロナ前の2019年12月の販売台数が8.9万台、輸出台数が7.2万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)FTIが1月29日に発表した12月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲8.7%の20.1万台で、6ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年12月の生産台数は21.9万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲8.8%の16.5万台で、完全組み立て部品(CKD)が同▲8.3%の3.6万台。また、12月の国内販売台数は同▲8.4%の13.2万台、輸出台数は同▲24.3%の3.9万台だった。2019年12月の販売台数が11.4万台、輸出台数が3.6万台であり、ともに新型コロナ前の水準を上回った。


2. 投資動向
(1)タイ商務省事業開発部(DBD)の1月24日の発表によると、2023年通年の東部経済回廊(EEC)における会社登記件数は前年比+19.1%の9,686件だった。登録資本金総額は同+46.6%の513.1億バーツだった。県別では、チョンブリが7,370件(同+23.1%)の287.2億バーツ(同+49.7%)、ラヨーンが1,650件(同+10.3%)の189.4億バーツ(+同33.5%)、チャチュンサオが666件(+2.6%)の36.5億バーツ(同+124.8%)だった。事業別では不動産(1,918件、66.9億バーツ)が登録資本金総額の13.0%を占め首位で、2位は建設(654件、13.3億バーツ)だった。また、登録資本金総額の56.7%が外国人による出資だった。

(2)タイ証券取引所(SET)は1月末、前月比▲3.6%の1364.52ポイントで越月した。SETと中小企業向け株式市場(MAI)の1月の株式売買代金は、1日当たり平均471.1億バーツ(約1,950億円)で前年同月比▲34.6%だった。うち外国人投資家の売買比率は53.4%。SETのソーンポン副所長は、2023年は経済成長が伸び悩んだ点に加えて、上場企業の業績の下方修正が相次いだことから海外資金が流出したと言及した。1月の新規上場はIT機器販売を行うアドバイスITインフィニットの1社のみだったが、SETのマンポン上席副所長によると3市場合計で43社(1月21日時点)がIPO申請をしており、今年はIPOが増加する見込み。2023年のIPO総額は前年比▲33%の11億米ドルだった。またSETは、1月19日に2024年~2026年までの3ヵ年戦略計画を発表し、上場企業に対する監視を強化すると発表。タイ証券取引委員会(SEC)理事会はSETが提案した監視強化策、上場規則の改正に合意した。監視強化策の内容は、2024年4月1日時点で上場基準を満たしていない銘柄について、投資家向けに資金引き上げ勧告を促す。また異常な売買が見つかった場合、該当銘柄の取引を自動停止する予定。監視にはAI技術を駆使する。また、上場を後押ししたい分野としてデジタル、ヘルスケア、農業および食品業界を挙げた。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2023年の12月末時点で金融機関預金残高は24兆9,186億バーツ(前年同月比+1.4%)、貸金残高は30兆6,950億バーツ(同+2.2%)といずれも増加。政策金利は2.5%に据え置かれた。


4. 政治動向、その他
在日タイ大使館は2023年12月29日、日本人がビジネス目的でタイに短期滞在する場合の商用ビザ免除に関して必要書類等の詳細を発表した。商用ビザ免除の対象は30日以内の滞在で、2024年1月1日から2026年12月31日までの3年間有効化する。ただし、例外事項に該当する場合は適切なビザを申請する必要があるため、詳細は在日タイ大使館の記載を要確認。また、タイと中国は1月28日、観光目的に限って相互の短期ビザ免除を合意した。両国民は、滞在上限30日以内はビザが不必要になる(180日ごとに合計滞在日数90日以内)。観光目的以外は引き続き目的に応じたビザが必要となる。両国ともに3月1日に発効する。


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タイ国経済概況(2024年1月)

1.景気動向
(1)国際協力銀行は、第35回目となる「2023年度わが国製造企業の海外事業展開に関する調査報告」を12月14日に発表した。本調査は同年7月から9月にかけて行われ、534社から回答を得た。中期的な有望事業展開先国・地域(今後3年程度)では、タイはインド、ベトナム、中国、米国、インドネシアに次ぐ6位で、昨年より1ランク下がった。「現地マーケットの今後の成長性」や「インフラが整備されている」点が引続き評価されたほか、「第三国輸出拠点」としても有望との評価だった。一方、回答企業の50%近くが課題として「労働コストの上昇」のほか、多くの企業が「他社との厳しい競争」「技術系人材確保が困難」を挙げた。

(2)日本貿易振興機構(JETRO)は12月13日、「海外進出日系企業実態調査(全世界)」の調査結果を発表した。海外拠点ネットワークを活用し、世界83ヵ国・地域の日系企業7,632社より有効回答を得た。2023年に「黒字」を見込む企業は63.4%、「赤字」は18.3%で、「黒字」の割合は前年(64.5%)から1.1ポイント低下した。黒字企業の割合が減少するのは、2020年以来3年ぶりとなる。また、景況感を示すDI値は、全地域合計で前年の14.6ポイントを大きく下回る4.5ポイントだった。2023年の中国のDI値は、2年連続-15ポイント前後で推移。ベトナム(-3.7)は前年から28.7ポイント減った。インドのDI値は44.4ポイントで前年に続き主要国・地域で1番、次いでメキシコ(34.1ポイント)が高かった。

(3)世界銀行は12月、2023年のタイの経済成長率見通しを10月に発表した3.4%から2.5%に引き下げた。同じく2024年予測も、10月の3.5%から3.2%に引き下げた。タイ政府が計画する給付金1万バーツ政策は、2024年~2025年の成長率を0.5~1.0%押し上げると推算した。アジア開発銀行(ADB)も同じく、12月発表のレポート「アジア経済見通し2023年12月版」の中でタイの2023年見通しを2.5%に引き下げた(昨年9月に3.5%の見通しを公表)。ADBは、輸出額の減少や、予算編成が遅れたことによる財政不安を下方修正の理由にあげた。一方、経済協力開発機構(OECD)は12月、2024年のタイの経済成長率を3.6%とする予測を発表した。

(4)タイ工業連盟(FTI)が12月20日に発表した11月の自動車生産台数は、前年同月比▲14.1%の16.3万台だった。内訳は国内向けが同▲15.5%の7.0万台、輸出向けが同▲13.0%の9.3万台。新型コロナ前の2019年11月の生産台数15.4万台を上回った。また、11月の国内新車販売台数は同▲9.8%の6.2万台で、輸出台数は同+13.2%の10.0万台。新型コロナ前の2019年11月の販売台数が7.9万台、輸出台数が7.5万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(5)FTIが12月20日に発表した11月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲11.4%の21.1万台で、5ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年11月の生産台数は20.3万台であり、新型コロナ前の水準を上回った。内訳は完成車(CBU)が同▲5.8%の17.8万台で、完全組み立て部品(CKD)が同▲33.1%の3.3万台。また、11月の国内新車販売台数は同▲9.8%の6.2万台で、輸出台数は同+13.2%の10.0万台。新型コロナ前の2019年11月の販売台数が7.9万台、輸出台数が7.5万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。


2. 投資動向
(1)12月19日、2024年から2027年の4年間にわたるEV推進第2フェーズ(EV3.5)の支援策が閣議決定された。タイ政府は、2030年までにタイで生産される自動車の少なくとも30%(乗用車72.5万台、オートバイ67.5万台)をEVにする目標「30@30」を掲げており、本支援策はその一環で、EV業界全体に対する投資支援を目的としている。また、本支援策は2023年末に失効した支援策EV3.0の後継策であり、既にEV3.0に申請した企業もEV3.5に参画可能である。支援策の一環としてEVの購入時に次の補助金が支給される。価格が200万バーツ以下でバッテリー容量が50kWh以上のEV乗用車には、24年は10万バーツ、25年は7.5万バーツ、26年と27年は5万バーツ。価格が200万バーツ以下でバッテリー容量が50kWh未満のEV乗用車には、24年は5万バーツ、25年は3.5万バーツ、26年と27年は2.5万バーツの補助金が付与される。価格が200万バーツ以下で、バッテリー容量が50kWh以上のEVピックアップトラックには、タイ国内産に限り10万バーツの補助金が付与される。価格が15万バーツ以下でバッテリー容量が3kWh以上のEVバイクには、タイ国内産に限り1万バーツの補助金が付与される。また、物品税に関しては、700万バーツ以下のEV乗用車は8%から2%に減税、200万バーツ以下のEV乗用車は2024年から2025年までの2年間、最大40%の引き下げが行われる。本支援策に申請する企業は、2026年までにEVの国内生産を開始する場合は、補助金を受けて輸入したEV完成車の2倍以上の生産台数、2027年開始の場合は3倍以上のEV国内生産することが条件となる。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2023年の11月末時点で金融機関預金残高は24兆7,793億バーツ(前年同月比+0.9%)、貸金残高は30兆5,867億バーツ(同+2.3%)といずれも増加。また、9月27日にBOTは政策金利を2.25%から2.50%に引き上げた。また、11月29日の金融政策委員会(MPC)において、政策金利を2.5%に据え置く決定をした。


4. 政治動向、その他
(1)タイ政府は、観光税の導入を無期限延期することを決定した。以前の計画では、空路で入国する場合は1人300バーツ、陸路と海路での入国は1人150バーツ徴収予定だった。スダワン観光・スポーツ相は、まずは観光客を多く呼び寄せ、観光収入を増やしたいしたい考え。また、タイ政府は12月12日、日本人の訪タイ出張者は、滞在が30日以内であれば商用ビザの取得を免除すると閣議決定した。期間は2024年1月1日から26年12月31日までで、3年間の長期運用になる。タイ政府は、この閣議決定について「タイにとって日本は3番目に大きい貿易相手国であるため」と説明した。なお、当該免除措置を受けるための条件が、2023年12月29日付で日本のタイ大使館ウェブサイトに掲載されている。

(2)タイ空港公社(AOT)の発表によると、2023年11月のタイ主要6空港(スワンナプーム、ドンムアン、プーケット、チェンマイ、チェンライ、ハートヤイ)の利用者数は、前年同月比+26.9%の938.9万人だった。国際線は同+53.1%、国内線は同+2.8%で国際線が好調。2023年1月~11月の6空港利用者数は、前年同期比+76.2%の9,544,7万人。同期間の空港別では、スワンナプームが前年同期比+89.1%の4,647.1万人、ドンムアンが同+74.5%の2,447.2万人、プーケットが同+87.7%の1,251.7万人、チェンマイが同+56.0%の737.4万人、チェンライが同+16.3%の173.7万人、ハートヤイが同+7.8%の287.7万人だった。タイ国政府観光庁(TAT)は、年末年始期間の観光収入の大幅増を見込んでいる。


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タイ国経済概況(2023年12月)

1.景気動向
(1)タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)の11月20日発表によると、2023年第3四半期の経済成長率は前年同期比+1.5%で、今年第2四半期の同+1.8%からさらに減速した。第3四半期の伸び率は東南アジア主要6ヵ国の中で5番目(伸び率の高い順からフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール)だった。部門別では農業が前年同期比+0.5%、非農業が同+1.5%で、非農業のうちサービス業が同+3.9%(うち宿泊・飲食は同+14.9%)、工業が同▲2.8%だった。NESDCは、サービス業の伸び率低下と、輸出不振を今回のGDP伸び率低下の理由にあげた。2023年通年の成長率については、今年8月に発表した同+2.5~3.0%から、+2.5%に変更した。

(2)タイ商務省の発表によれば、2022年10月の輸出額は前年同月比+8.0%の235.8億米ドルで、3ヵ月連続で前年同月を上回った。輸入額は同+10.2%の244.1億米ドルで、貿易収支は8.3億米ドルの赤字。10月の品目別輸出額は、自動車・同部品が同+3.6%(33.6億米ドル)、電子製品・同部品が同+5.5%(37.5億米ドル)、農産物・加工品は同+9.3%(39.4億米ドル)、天然ゴムは同▲28.5%(36.4億米ドル)だった。米国・中国向けの輸出が好調で、日本向けとEU向けは微減した。中国向けは、ドリアンとマンゴスチンが急増した。商務省は、2023年の輸出額を前年比1%縮小見込みだと先月発表した。

(3)タイ工業連盟(FTI)が11月23日に発表した10月の自動車生産台数は、前年同月比▲7.0%の15.9万台だった。内訳は国内向けが同▲11.7%の6.4万台、輸出向けが同▲3.6%の9.4万台。新型コロナ前の2019年10月の生産台数15.3万台を上回った。また、10月の国内新車販売台数は同▲8.8%の5.9万台で、輸出台数は同+12.2%の10.6万台。新型コロナ前の2019年10月の販売台数が7.7万台、輸出台数が8.6万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。

(4)FTIが11月23日に発表した10月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲20.6%の17.3万台で、4ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年10月の生産台数は21.9万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲18.4%の14.0万台で、完全組み立て部品(CKD)が同▲28.8%の3.3万台。また、10月の国内販売台数は同▲0.7%の13.5万台、輸出台数は同▲21.2%の3.4万台だった。2019年10月の販売台数が14.2万台、輸出台数が2.5万台であり、輸出台数は新型コロナ前の水準を上回った。


2. 投資動向
(1)2023年1~9月のBOIへの新規投資申請額は前年同期比+22%の5,168億バーツ、申請件数は同+31%の1,555件だった。そのうちFDIは、金額が同+43%の3,985億バーツ、件数が同+49%の910件だった。国別では、首位が中国の974億バーツ(264件)でFDI全体の24%を占めた。これに、シンガポールの802億バーツ(133件)、日本の431億バーツ(176件)、台湾の361億バーツ(63件)、韓国の326億バーツ(15件)が続いた。タイ政府が指定する重点産業への申請は全体の71%を占め(3,662憶バーツ)、787件だった。産業別では、首位が電気・電子の申請額2,082億バーツ(171件)、2位が農業・食品加工の557億バーツ(213件)だった。

(2)今月のタイ株式市場は、米国債10年物利回りの低下により市場が押し上げられた。また、追加利上げはないという見方が広がる一方、タイバーツの対米ドル上昇は株式市場への資金流入の制限要因となった。こうした背景から、相場は明確なトレンドを示すことなく横ばいに推移した。SET指数は10月21日の1,399から、11月22日の1,423へと僅かに上昇した。11月21日のSET時価総額は17.51兆バーツとなり、前月から減少した。サービス分野が引き続きSET最大分野で、時価総額4.55兆バーツだった。資源分野の3.71兆バーツが続いた。予測される金利低下により、タイ株式市場の資源、金融、技術、工業分野に恩恵がもたらされることが予測される。今月の1ヵ月リターンは、工業、農業食品、資源分野で大きな上昇が見られた。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2023年の10月末時点で金融機関預金残高は24兆6,764億バーツ(前年同月比+1.2%)、貸金残高は30兆4,624億バーツ(同+1.8%)といずれも増加。また、9月27日にBOTは政策金利を2.25%から2.50%に引き上げた。


4. 政治動向、その他
(1)11月21日からMRTピンクライン(KhaeRai~MinBuri間)の無料試運転が始まった。また、タイ運輸省は10月16日からMRTパープルラインとレッドラインの運賃上限を20バーツに固定。大幅に引き下げた。11月30日からは同2路線を非接触決済カードで乗り継いだ場合、2路線を使っても上限20バーツで乗車できるようになった。金額を大幅に下げることで、乗客の増加を狙う。

(2)11月15日セター首相は米サンフランシスコで岸田首相と会談した。セター首相は、タイにおける日系自動車メーカーへの支援等を表明。また、南部のランドブリッジ計画に日本も参画してほしいと呼びかけた。岸田氏も、タイの経済回復のために日本からの出張時のビザ免除等を要望した。ランドブリッジ計画とは、タイ湾側のチュンポン県ラン・スワンからアンダマン海側のラノーン県ラノーンまでの89.35kmを高速道路、並行して走る鉄道で結ぶもので、旧政府から引き継いだ。マラッカ海峡を経由せずにマレー半島を横断する物流が可能となる上、所要日数を最大5日程度短縮できる、とされている。投資コストは計1兆バーツと見積もられている。


(注)本資料は情報の提供を目的としており、何らかの行動を勧誘するものではありません。
投資等に関する最終決定は、お客様ご自身で判断されますよう宜しくお願い申し上げます。

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タイ国経済概況(2023年11月)

1.景気動向
(1)タイ工業連盟(FTI)の発表によると、2023年9月の産業景況感指数(TISI)は前月比▲1.3ポイントの90.0で、過去14ヵ月の中で最低水準を記録した。FTIは家計債務の増加や農家の所得減少等が消費者心理を冷やしていると指摘。また、業種別では45業種中19業種が上昇。企業規模別では、小規模企業が前月比+1.1ポイントの94.2、中堅企業が同▲3.2ポイントの97.0、大企業が同▲1.7ポイントの79.4だった。大企業は11ヵ月連続の下落となった。

(2)国際通貨基金(IMF)が10月に発表した経済見通しによると、ベトナムのGDPが2026年にはタイのGDPを追い越すと予想。ベトナムが東南アジア内で2位の経済大国となると予想した。フィリピンやインドネシア等は15~64歳の労働生産人口が増えていく一方で、タイの出生率(2021年)は1.33と減少の一途をたどる。IMFによると、東南アジアの主要6ヵ国の名目GDP(2022年)は、インドネシアが4兆369億米ドルでトップ、続くタイが1兆4,824億米ドルで2位だった。3位はベトナム(1兆3,212億米ドル)で、4~6位はフィリピン、マレーシア、シンガポールだった。

(3)タイ工業連盟(FTI)が10月24日に発表した9月の自動車生産台数は、前年同月比▲8.4%の16.4万台だった。内訳は国内向けが同▲17.9%の6.0万台、輸出向けが同▲2.0%の10.4万台。新型コロナ前の2019年9月の生産台数16.9万台を下回った。また、9月の国内新車販売台数は同▲16.3%の6.2万台で、輸出台数は同▲2.9%の9.7万台。新型コロナ前の2019年9月の販売台数が7.6万台、輸出台数が9.8万台であり、販売台数、輸出台数ともに新型コロナ前の水準を下回った。

(4)FTIが10月24日に発表した9月の自動二輪車生産台数は、前年同月比▲20.0%の20.0万台で、3ヵ月連続のマイナスを記録した。2019年9月の生産台数は20.6万台であり、新型コロナ前の水準を下回った。内訳は完成車(CBU)が同▲14.4%の16.9万台で、完全組み立て部品(CKD)が同▲41.1%の3.1万台。また、9月の国内販売台数は同▲5.9%の14.1万台、輸出台数は同▲25.2%の2.9万台だった。2019年9月の販売台数が13.5万台、輸出台数が2.6万台であり、販売台数、輸出台数ともに新型コロナ前の水準を上回った。


2. 投資動向
(1)タイ投資委員会(BOI)は10月11日、今年1月に発効した5年間の投資促進戦略について、修正を加えた24年以降の4年間の戦略を発表した。5つの戦略的産業と活動を投資戦略政策の中核に据え、それらに特別投資恩典を付与する。5つの戦略的産業は(1)BCG(バイオ・循環・グリーン:農業や食品、医療やクリーンエネルギー等)、(2)自動車、特にEVやそのサプライチェーン、充電ステーションおよびその主要部品、(3)電子機器、特に川上(半導体材料等)やスマート電子機器、(4)デジタルとクリエイティブ、(5)地域本部および国際ビジネスセンター。また産業構造の変革を促すため、次の5つの課題を推進する。(1)グリーントランスフォーメーション、(2)技術開発、(3)人材育成、(4)クラスターベースの投資、(5)投資のしやすさ。

(2)世界の株式市場は、米10年債利回りの上昇に加え金利再引き上げの可能性もあり、引き続き下落圧力がかかっている。また、中東情勢についてはエスカレーションに対する懸念が高まっている。SET指数は9月22日の1,545.6ポイントから、10月20日には1,399.4に大きく下落した。下落要因には、新政権による政策施行の遅れ(10,000バーツのデジタルウォレット配布等)による政治的な不透明感から、市場と政府に対する海外投資家心理が悪化していることが挙げられる。10月20日時点でのSET時価総額は17兆1,800億バーツとなり、前月から減少した。サービス分野が時価総額4.52兆バーツで依然としてSET最大分野であり、資源分野が3.56兆バーツで続く。SET市場は下落傾向にあり、その主要因は米10年債利回りの上昇があげられる(10月19日には17年ぶりの高水準となる4.98%に達した)。また、年末に向けて金利再引き上げへの懸念が高まっている。最近の米10年債利回りの上昇は、原油価格が今年7月の約70米ドルから10月には約90米ドルにまで上昇し、インフレ圧力が再度高まっていることが要因とみられる。この原油価格の上昇は、サウジアラビアとロシアによる原油輸出削減決定を受けたものである。さらに、イスラエル・パレスチナ情勢の悪化は市場心理にさらなる悪影響を与えている。


3. 金融動向
タイ中央銀行(BOT)の発表によると、2023年の9月末時点で金融機関預金残高は24兆4,998億バーツ(前年同月比+1.6%)、貸金残高は30兆5,054億バーツ(同+2.3%)といずれも増加。また、9月27日にBOTは政策金利を2.25%から2.50%に引き上げた。


4. 政治動向、その他
(1)タイ貢献党は10月27日、タクシン元首相の娘であるペートンタン氏を新党首として任命し、執行役員23人も同時に選出した。貢献党は今年5月の総選挙で前進党に敗北したが、その後独自に新連立政権を作り、党員のセター氏が首相に選出された。国内政治の点においては、国民に対する10,000バーツの電子通貨の配布や医療用目的以外の大麻の一掃等、各種政策が急がれる。また、政府は10月31日の閣議で、観光振興策として11月1日から半年間の期限で、インドと台湾からの旅行者を30日間ビザなしで滞在可能とする政策を決定した。また、11月1日に政府はEV振興策の2024年~2027年期の政策延長を発表。セター氏は自らがEV政策委員会の委員長を務めている。

(2)セター首相は10月30日、ラオスを公式訪問。両国にまたがる鉄道や道路等のインフラ整備について、ラオスのソンサイ首相と話し合った。セター氏は、ノンカイ県からラオスのビエンチャン間を横断する鉄道橋の着工を早急に進めることを要請した。加えて、両者はインフラ整備の上、両国間の貿易額を2025年までに110億米ドルに引き上げる目標で合意した。また同日、周辺国経済協力開発機構(NEDA)とラオス国鉄(LNA)がシステムや技術協力に関して合意した。セター氏はビエンチャン・ロジスティクスパークや、両国およびミャンマーが抱える大気汚染PM2.5の問題についても言及した。


(注)本資料は情報の提供を目的としており、何らかの行動を勧誘するものではありません。
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