徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

差し戻し判決

2006年06月21日 | 日々雑感
早いもので、衝撃の事件からもう7年。
人生が今からのなんの罪もない23歳の母と子が、「男ならやりたいのはあたりまえ」という意識で強姦殺人されました。

その事件についてようやく最高裁で判決が出ました。
「差し戻し」という判決・・・

この7年間、残された夫は一人闘ってきました。
彼が昨日、テレビ局のインタビューで答えているのを聞いて涙がこぼれました。
事件を忘れないためにあの場所に時々行くというのです。
そして、本当にここで自分たちが結婚生活送っていたのか・・
妻の声を思い出すけれど、それは本当の妻の声だったのか・・
しかし、ここにはつらい現実があるけれど、幸せな時間を確かにすごした場所なのですと。
「妻の姿を見て、抱いてやることもできなかった。立ち尽くすだけだった。そのことをずっと後悔している」
こんな気持ちを持ちながら彼は闘ってきたのです。

時間の流れというものはどんなことも風化させる。

「死刑」という罪は重い。
しかし、まったく関係も何の罪もない人が命を奪われて、被害者の人権はどうなるのだという気持ちは痛いほどわかる。
私は、いくらやった後後悔しても、取り返せない命を奪ったのだから、自分も奪われて当然ではないかと思う。
こどもを育てるときに、「命の大切さ」を教えてこなかった親や社も反省をするべきです。

息子が小学校のとき、一緒に遊んでいた仲間が母親の財布からお金を持ち出して数人にわたしてゲームしたことがありました。
その親が学校に申し出てことが判明しました。

持ち出したお金をそのときに居合わせた人数で割って弁償することになり息子を連れてそのおうちに謝りにいきました。
息子は「いらないというのに無理やりくれたし、そんなに使ってない」といいましたが、やったことには変わりがない。
親子で頭を下げました。私の中にもちょっとねという気持ちはありましたが、息子のこれからの人生を考えると真剣に取り組まなければいけないと思ったのです。

帰り道、手をつなぎながら「あんたが警察にお世話になるような取り返しのつかないことをしたら、それはお母さんの育て方が悪いのだから、一緒に死ぬんだよ」といいました・・

小学生の息子にはちょっとはきつすぎたといまだに心に残っています。
でも子育ってって、ほんとうに真剣勝負だと思います。
加害者の親はインタビューで本人と同じように「息子が死刑になったって死んだ人がかえるわけじゃない。6年も過ぎて息子が反省してないわけない」と。
親の姿勢が垣間見えました。

反省したら許されるのか・・

しかし、今回のご主人は誠実で正直な印象で、言われることが声高でないだけに心に染み渡ります。

みんな自分の家族がやられてないから本当には理解できないのでしょう。
横田めぐみさんのお母さんが「どうかご自分の娘がこういう目にあったと想像してください」と言われる言葉を思い出しました。

やむにやまれぬ状況の人まで死刑にするべきと言っているのではないけれど、
しでかしたことには、しでかさない未来を作るためにも、極刑をのぞんでいいのではないかと思いました。

長かったろうね・・この7年。
きっと奥さんは残されたご主人に新しい幸せをつかんでほしいと思っているのではないでしょうか。
逝った妻のことや子供のことを決して忘れないことを認めてくれる人を見つけて、ご自分の幸せもつかんでほしい。

それにしても最高裁って一番上なんでしょ?
差し戻してなんか出てくるのかしら?
長い裁判の功罪についても考えてしまいます。


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2 コメント

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Unknown (Post)
2006-06-21 21:36:53
「息子が死刑になったって死んだ人がかえるわけじゃない。

6年も過ぎて息子が反省してないわけない」

ああ、この親の子供なら、反省なんか口だけなんだろうなと思いました。

それを、腕組みして話してましたね。



反省したって、許されるものではありませんが、

心から反省することによって、安らかに死ねるのかなと思いました。



差し戻しは、また長い裁判の始まりですね。
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Unknown (ママ)
2006-06-22 14:35:11
postさんいつも読んでくださってありがとう。

理不尽なことが多いよね・・



宮崎ツトムのお父さんは、審判のうんと前に自殺しました。

おやってそれくらいこどものことは自分のことに思うのよね・・・

世の中でこどもを育てることが一番大切なことかも知れませんね。

失敗がやり直せないからこわい。

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