徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

アカデミー賞 ウィル・スミスの涙と謝罪

2022年04月02日 | Cinema&ドラマ&劇&音楽
今年はアカデミー賞で久々に日本のドライブ・マイ・カーがいくつかの賞を受賞して話題になった。

あの映画がアメリカ人に理解できたのだろうかとちょっと疑問でもあったけれど、村上春樹の原作を映像化していることもあったのかな。

そしてアカデミー賞授賞式でウィル・スミスがプレゼンターのクリス・ロック(クリスも黒人)の言葉に切れてしまった。

彼の愛する妻は脱毛症にかかり闘病していていわゆる坊主頭。

その容姿を、プレゼンターのクリス・ロックが、ハリウッド映画「G.I.ジェーン」で軍隊に入り丸坊主で過酷な訓練をやり切ったデミー・ムーアになぞらえ侮辱した。
舞台に駆け上がって彼に平手打ちしたことから大きな騒ぎとなっている。

冗談で受け入れ、冗談で切り返していたらこんな騒ぎにはならなかったと思うけれど、きっと彼は妻の苦しみを誰より受け入れてそんな心の余裕はなく、妻を想う愛があったからこそだろう。

一説によると彼もADHDだと近年判明したという。
appleのスティーブ・ジョブスもそうだったという。
この障害は本人も周囲の者も気づきにくく、なんで自分はこんなに生きにくいのだろうと大人になってから、カウンセラーにかかり判明するが多いときく。

舞台裏では警察が逮捕するため配置についていたという。
ただ被害者が「ケガもないので逮捕に及ばない」と逮捕を拒否したということだ。アカデミーは処分を検討している。

その後、彼はカメラの前に涙を流しながら立ち、自分のやったことは許されることではない。どんな結果も受け入れると謝罪し、アカデミーからの脱退も表明した。

なんだか複雑な気持ちだった。

私の脳裏に浮かんだのはマシュー・マコノヒー(マコナヘイ)の出世作ともいえる「評決のとき」という映画。
スピードで一躍名の売れた、サンドラブロックとの共演だった。

あらすじ Wikipediaより
「物語は人種差別主義の白人青年ビリーとウィラードの二人が10歳の黒人少女を強姦し暴行を加えたところから始まる。少女の父親カール・リー・ヘイリー(サミュエル・L・ジャクソン)はその日の夜、カールの兄を弁護した事から馴染みの白人弁護士ジェイク・タイラー・ブリガンス(マシュー・マコノヒー)に、「娘が強姦された。ここでは黒人を強姦しても白人は有罪にならないのか?」と相談を持ちかけた。ジェイクはカールのただならぬ雰囲気に危険を感じ、「馬鹿な真似は止めろ」と忠告する。しかし、翌日裁判所にビリーとウィラードが連行されてくると物陰に隠れていたカールがアサルトライフルを手に飛び出し、二人を射殺。護衛の警官ルーニーも膝に銃弾を受け、右脚を切断する重傷を負った。

カールは第一級殺人罪と傷害罪で逮捕され、弁護をジェイクが担当することになった。裁判が始まる前ジェイクの恩師ルシアンは、「この裁判は勝っても負けてもそれは正義になる」と言う。弁護士ジェイクと相対することになる検事はルーファス・バックリー(ケビン・スペイシー)が選ばれ、ルーファスは次の州知事の椅子を狙っており、簡単に勝てるこの裁判で名前も顔も売れると喜ぶ。

町中で黒人対白人の緊張が高まる中裁判は始まった。第一回目の裁判でジェイクは、黒人差別の激しいこの地では公平な裁判は不可能なので裁判地の変更を裁判長のオマー・ヌースに求めたが、オマー・ヌースはにべもなく却下した。肩を落として弁護人席に戻るとそこには見慣れない紙があり、中を見ると実際に人種差別を理由に裁判地の変更が許可され審議差し戻しの判例が載っていた。ジェイクはすかさずオマー・ヌースにそれを伝えるとオマー・ヌースは「審議差し戻しを歓迎する裁判長はいない」と言い、裁判地変更の理由を書類に書いて提出するように伝えて第一回目の裁判は終了した。

翌日事務所で寝ていると見慣れない女性エレン(サンドラ・ブロック)が訪れ、あの判例は役に立ったかと尋ねた。彼女こそあの判例をジェイクに渡した張本人だったのだ。エレンは死刑反対の姿勢を貫く法学生で、カールに死刑宣告が下されるかもしれないこの事件を手伝わせてほしいとジェイクに申し入れた。エレンの父親はアメリカでも有名な弁護士で、後々の援助を期待したジェイクはエレンからの申し入れを快諾する。

その頃、カールに裁判所で射殺された白人青年ビリーの弟フレディ・リー・コブ(キーファー・サザーランド)は兄を殺された怒りから水面下で活動を続けるKKKと連絡を取り、KKKのリーダーであるスタンプ・シスーより、クラントンでもKKKを設立して支部長になるように伝えられる。

ジェイクが申し立てた裁判地変更の申し立ては結局却下され、その上州の法務局もオマー・ヌースの判決を支持し、審議差戻しはしないと明言した。

ジェイクはカールを心神喪失による無罪を主張したが、やり手の検事ルーファスは巧みな誘導尋問で明確な意志を持ってカールが二人の青年を射殺したことを証言させた。更に、事件後カールがウォールズ保安官に付き添われて左膝から下を切断することになったルーニーを見舞いに行ったこともカールにとって不利な証言となった。しかし、証言台に上ったルーニーはカールの犯行動機を支持して無罪で英雄だと叫び、裁判所は一時騒然となった。

裁判が進むにつれて町の緊張は高まり、遂にはKKKが裁判所前で陣取り、黒人達とKKKによる乱闘騒ぎが起こり、ジェイクは家の前に火の点いた十字架を置かれ時限爆弾を仕掛けられたがそれからは辛うじて難を逃れた。ジェイクの娘は学校で黒人の味方だといじめられてしまう。危機を感じたジェイクは妻と娘を実家に避難させ、空港で妻はジェイクを非難した。ジェイクの秘書も襲撃され夫が殺され、そして遂にはジェイクの家も放火された。非常事態を警戒した州政府は州兵をクラントンに派遣して警戒に当たらせ、街中を銃を持った州兵が闊歩するまでになった。

裁判の途中エレンが襲われ、ついには孤軍奮闘するはめとなったジェイク。裁判の話し合いのためカールに面会に訪れるとカール自身もまた「あんたは所詮白人だ」と言い放つ始末。

最終弁論前夜、遠い実家に避難させたはずの妻が嵐の中、車で戻ってきた。

街を黒人と白人で二分させた裁判も遂に最終弁論を迎える。」
ここまで


最終場面がすごかった。

ご存じのように、アメリカは陪審員で評決される。
やり手の検事に誘導されてもう100パーセント有罪に思われた。

最後に弁護士として最終弁論に立った弁護士ジェイクは、この事件の一連の流れを語る。
そして、最後に一言

「この少女は、白人でした」

陪審たちにも傍聴席からもどよめきが起こった。

結構前の映画で記憶に間違いがあるかもしれないけれど、私もが~んと打たれた気がした。
弁護士のジェイクには同じような年の娘がいる。その立場だったら・・・
(裂傷で子どもの産めない体になった)
悩みながら・・・

民主主義と歌っているのに、差別は何処の国よりすごいアメリカ。
警官は逮捕の時黒人を殺しても大した罪にはならない。

しかし、だれの心にも歴然と差別の心はある。
それを出すか出さないかだけど。
ゆうべ、ファンタスティック・ビーストを観ていて
白人の女優のとびっきり美しい人が出ていた。
その肌の白さの美しいこと・・・・ため息が出そう。

白は清潔感があり美しい。
黄色人種の私たちだって、子供のころから「色の白いは七難隠す」と聞いて育った。
大人になっても美白美白。黒い人は受け入れにくい。
でもそれはその人たちの人間性に触れていないから。

考えたら映画の世界も争いの歴史も、根底に肌の色がある。
こうしている間にも死者がどんどん増えているウクライナは、美しい人たちが多い。あれが白人でなかったらヨーロッパの人たちはここまでするだろうか。とふと思った。

独裁国に取り囲まれ、国境が地面の上にない日本に変事が起こり取り囲まれたらどうなる?
原発はウクライナとは雲泥の差でたくさんある。
参院選のことしか考えていないような議員たちばかりで、首相には切れ者の側近も見受けられない。恐ろしいことだ。


さて、ウィル・スミスが白人だったら?


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