祈りを、うたにこめて

祈りうた(いのち 諦めない)

諦めない

 

  反戦川柳作家と呼ばれる鶴彬(つる あきら)。彼が十五歳のときに書いた川柳を読んだ。

 

  悪人の心へ夕陽(ゆうひ)強う照り

  大きな物小さな物を踏みにじり

  地球を封じ込めたような空

  夜の幕払われて地上の無惨なる

  子供等の遊びへ暗影迫り来る

  赤とんぼにも生命(いのち)があります

  ドン底に立ってる者の強さ也(なり)

 

 百年近い時間を経たものだが、現在のロシアの、いやプーチン大統領の暴挙、そしてウクライナの国民の悲惨と抵抗、―それらを詠んだような句だ。胸にしみる。

 鶴彬の有名な句は、

 

  万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た

 

   手と足をもいだ丸太にしてかえし

 

である。戦地へ送られた兵士たちの姿を描き、戦争のおぞましさを衝(つ)いた。
 ロシアの兵士も、勇んで戦地へ行ったのだろうか、と、この戦争が始まったときから考えている。行かされた、という兵士たちも少なくないのではないかと。
 鶴彬は、

 

  無駄な祈りと思いつつ祈る心

 

という句も、同じ時期に詠んだ。
 祈りの力はまだ、銃弾の一発も止められていないかもしれない。しかし、 わたしは諦めない。祈り続けよう。この戦争の終結を願って。

 

 イエスさま
 私はあきらめません
 どんなに涙がこぼれてきても
 かならず夜明けがおとずれるから
 心はいつでも安らか(讃美歌「あきらめません」)

 *鶴彬の句は、インターネットで無料で読める「青空文庫」に収録されています。引用した句は、現代仮名遣いに改めました。

 

●ご訪問ありがとうございます。

毎日、重い心で床につき、重いこころで目覚めます。けれど、ロシア国内の反戦の動きが高まってきていることに期待を寄せてもいます。
こころをいためている人たちとの祈りの鎖ができることを願います。



わたしのこころと
あなたのこころと
よりあわさって
いのりの
いっぽんの糸と
なりますように

 

●この記事は「ウクライナ」というカテゴリーのなかのものです。他の記事も読んでいただけたら幸いです。 

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