能登半島地震―二〇二四年元旦
1
わが家は孫といっしょのお正月
テレビは「にげて!」の赤い文字
心配の声が笑い声にかぶさる
孫もわたしもトーキョーに居て
2
爆撃の無い国の元旦
地が揺れ心がグラグラ 身が凍る
火事の阪神淡路、津波の東日本
あの悪夢がよみがえる 泣けてくる
3
地震は場所を選び 時を選ばない
ヒトには媚(こ)びぬ大自然
日本海の潮(うしお)集めて地上を襲う
荒縄締めて潜んでいたのだ大晦日
4
コワイ、コワイと孫叫ぶ
コワクナイ、コワクナイと爺が抱く
―大丈夫、大丈夫! まだ聞こえない神の声
―タスケテ、タスケテ! 婆と神呼ぶ
5
真っ暗な街真っ黒の海
アナウンサーの叫び声 「高台へ!」
凍土ニッポン邪炎がさかる
明けてくれこの闇 止んでくれこの業火
★いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。