祈りを、うたにこめて

祈りうた・いのちうた(伴走  寝床をたたむ②)

寝床をたたむ②


 数日後、イエスはカペナウムに戻られました。すると、イエス来訪のニュースはたちまち町中に伝わり、人々が大ぜい集まって来ました。家は足の踏み場もないほどで、外まで人があふれています。その人たちに、イエスは神の教えを語られました。
 その時、四人の人が、中風(脳出血などによる半身不随、手足のまひ等の症状)の男をかついで運んで来ました。しかしあまりの人に、群衆をかき分けて中へ入ることもできません。そこで、屋根にのぼり、穴をあけると、そこから病人を寝床のまま、イエスの前へつり降ろしました。必ず治してもらえると、堅く信じて疑わない彼らの信仰をごらんになって、イエスは中風の男に、「あなたの罪は赦されました」と言われました。
 ところが、その場にいた何人かのユダヤ人の宗教的指導者たちの心中は、おだやかではありませんでした。7「なんだと! 今のは神を汚すことばだ。いったい自分をだれだと思っているのか。罪を赦すなんて、神にしかできないことなのに。」
 イエスはすぐに、彼らが心の中で理屈をこねているのを見抜かれました。「どうして、そう思うのですか。この人に、『あなたの罪が赦されました』と言うのと、『起きて歩きなさい』と言うのと、どちらがやさしいですか。さあ、メシヤ(ヘブル語で、救い主)のわたしが罪を赦したという証拠を見せてあげましょう。」
  イエスは中風の男のほうに向き直り、「あなたはもうよくなりました。床をたたんで、家に帰りなさい」と言われました。
すると男は飛び起き、寝床をかかえ、あっけにとられている見物人を押し分けて、出て行ってしまいました。「こんなことは、見たこともない!」人々は口々に叫び、心から神を賛美しました。
 (新約聖書「マルコの福音書」2章)



四人のかつぎ手は親きょうだいだろうか

うんと親しい友だちだろうか

年老いた者、家族を養っている者 みな事情を抱えている

助けたい一心 それだけで腕に力をこめている




四人のかつぎ手に悲壮感が漂っているだろうか

しゃべったり笑ったりすること それは不謹慎だろうか

―健やかに病む

希望へ向かう足取りにエッホエッホの掛け声が響く





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