2023・6・27
ー妻の誕生日に
1 己へ
晩年を定めるおごり我がシミよ
神の命(いのち)というもの知るに
肚底(はらぞこ)に怒りのマグマ澱(よど)みたる
祈りなくして今日へ入れず
自嘲(じちょう)せず芝居がからずひたすらに
神の御前におのが膝(ひざ)折れ
2 神の腕
あなたの腕は私を掬(すく)うには短い
私は今日の重さで沈んでいくばかり
あなたの腕は私を刺すのに長すぎる
私の昨日は明日まで貫かれている
だが あなたは私を縛る荒縄を解かれた
三月十三日金曜日のその朝
あなたの腕はずぶ濡れの私を沼から引き揚げた
あなたの腕は私が窒息(ちっそく)する手前で止まった
神よ あなたの腕は
私にぴったりの長さだったのだ
3 妻へ
病んでなお絶やすこと無き汝(な)が笑顔
神とひととを愛するきみよ
★たんぽぽの 何とかなるさ 飛んでれば
いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。