心配ができるひと
1
じぶんの具合がよくなくても
ひとのことを気にかけられる人がいる
じぶんの具合がわるいので なおさら
ひとのことも心配できる人がいる
じぶんの具合がちょっとあやしくなっただけで
ひとのことはそっちのけになってしまうわたしの外(そと)に
2
渥美清がちょうちょを見つけた
台風が去った翌日
元気なのか くたびれていないか
傷ついたところはなかったか
夕べの嵐はすごかった
家の中で雨も風も早く過ぎてくれと息をひそめていた
ちょうちょよ あの台風の中で
どんなに心細かったろう
一匹だけだったのか 仲間はどうした
草とか木とか身を守る処はあったのかい え?
―ゆうべの台風どこに居たちょうちょ(渥美清)
●ご訪問ありがとうございます。
人の優しさと自分の冷たさ・関心の乏しさと、ついつい比べてしまいます。渥美清の俳句を読んでいると、弱い者への愛情が伝わってきて、ああ何て優しいのだろうと思います。
つらいときにこそ人の辛さがわかる心、遠い目標です。