檻(おり)―二〇二四年
1 ナワリヌイ氏を悼む
真冬の檻に閉じ込めた
猟師が来て檻のなかへ銃を向ける
害を為すから撃たねばならぬ それが正義だ
檻の外へ出られるのは―骸(むくろ)となったとき である
2
真実が語られない世界で愛が凍(こご)えている
われわれは黙っていてよいか 地球の隅っこで
地が揺らぎビルが燃え 街街が荒れ地と化していくのを
悪が正義の雄たけびあげるのを 黙っていてよいか、私もあなたも
★いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。
「身命を賭(と)す」という厳しい現実をまだわたしは味わったことがありません。信念において、信仰において。けれど、それを実践した人がこの同じ地上に、同じ時代におられたこと、それを覚え続けていたいと思います。
絶望で立ち止まらず、希望によって前進しようとした人がおられたことを。