日本グルーヴチューン振興会

植村花菜『わたしのかけらたち』

ちょっと間が開きましたね・・・・・・
相変わらずCDは買ってるんですが、なかなか文章が纏まらなくて(苦笑)

今日の1枚は、書こうかどうしようか迷って(今でも少し迷ってる)いた作品。

植村花菜
『わたしのかけらたち』
2010/3/10リリース
KING RECORDS
KIZC 59/60
Watashinokakera 関西出身の女性シンガーソングライター、植村花菜の6曲入りミニアルバム。前作のミニアルバム『春の空』から約1年ぶりになりますか。

今回の眼目は、トータルプロデューサーに寺岡呼人を迎えたこと。
この手の女性ヴォーカルをやらすと、呼人は実に上手い。
その最たるモノが、今は活動休止中の矢野真紀だが、どうも呼人は矢野真紀がやってたコトの幾ばくかを花菜ちゃんに注入したのか、と思った(笑)

それは、泣き歌というDNA
元々、花菜ちゃんの歌にも泣ける歌はあった(ファーストアルバム『いつも笑っていられるように』に収録された「泣いてもいいよ」は絶品!)
しかし、私が思う彼女の魅力は違う部分にある。
それは、声のグルーヴ
伸びやかで天を駆ける様なハイノートと、若干のザラつきを残すボトムが絶妙にブレンドされた“フック”の強い声。
当然、これを生かすのはドライヴするアコギや派手目のホーンが生きたアッパーだと核心している。

当然、このアルバムにもそんな曲がある。
3曲目の「わたしはじめ」は、カントリー風味のミドルポップだが実にいい味がある。何と言っても山本拓夫さんがホーンアレンジをした印象的なホーンが素晴らしい。そして、関西弁のコミカルな歌詞と花菜ちゃんのキュートなヴォーカルが実にマッチしている。
聴いてて楽しくなるコト間違いなし。
4曲目の「マスカラ」は、ベースの松原秀樹とギターの松原正樹というシティポップの王道をいくバックが私のツボを突く。呼人と共同でアレンジを勤める磯貝サイモンのローズピアノも控えめに味わいを添える。柔らかい雰囲気を纏った、しかし花菜ちゃんの力強い声が生きたスロウグルーヴ。
5曲目の「サンシャインストーリー」に至っては、ノーナリーヴスの小松シゲルのドラムと花菜ちゃんのアコギが強烈にドライヴする疾走アッパー。
コレが花菜ちゃんの真骨頂と言わんばかりの一曲なのです。

しかしながら、このミニアルバムのリード曲は最後に収められた10分近い大作「トイレの神様」・・・・・・
Webや雑誌、新聞などでも取り上げられ、この作品は彼女のキャリア史上で最大のヒットとなりました。
ただ、個人的にこの「トイレの神様」という曲が植村花菜という存在を代表する曲になってイイのかな?という思いがあります。
世の中のごく一般的なリスナー層が何をもってイイ曲と判断するのか、それは時代によって変化するモノでしょう。今は「泣ける歌」「感動を呼ぶ歌」というのがキーなのかもしれません。
ただ、それは私としてはドーピングに近い劇薬だと思うのです。
認知度を上げるという意味では十分に意味がある。
しかし、聴いた人がそこに留まらず、彼女の更なる魅力に気づいてくれるかどうか・・・・
私としては、それを願って止みません。

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