今日の耳福からの流れで、これを取り上げない訳にはいかないだろうと思い、考えも纏まらないまま感想など書いてみようかと。
国府達矢
『スラップスティックメロディ』
2019/9/25リリース
felicity(SSNW)
PECF-1172
『音の門』
2019/9/25
felicity(SSNW)
PECF-1173
前作『ロックブッダ」の衝撃により、自分にとって大切な音楽家の一人になった国府達矢さん。彼がアルバムを2枚同時リリースしました。
なぜ2枚一緒になのかとか細かい背景は色々とインタヴューとか読んだり記事を見たりすれば良いと思うのですが、とりあえずこの2枚のアルバムが素晴らしいという事だけは声を大にして言いたいのです。
しかしながら、その素晴らしさを言葉や文章にする力が私にはない。音楽から何かを受け取ったり受け止めたり読解したり・・・そんな聴き方してきてないので、私にはこのアルバムたちの価値を的確には表現できない。
でも、これだけは言える。聴いてください。とにかく聴いてみてください。
決して、分かりやすくキャッチーな音楽ではありません。が、日本の音楽においてとても大切な音楽なんだとは確信しているのです。
自分が音楽を聴くときの信条は“好き嫌いは常に楽曲単位でジャッジ”ですが、ごく稀に楽曲の好みを超えて心に住みつく音楽家が現れます。
個人的な音楽の好みは時間によって微妙に変化するのですが、私の場合基本的にかっこよくておしゃれでグルーヴィなポップというのが揺らがぬ軸です。アシッド・ジャズやフリーソウル系、アーバンブラコン、シティポップ、スタイリッシュファンク・・・そういったものを好んで聴いている・・・はずなのに、そういう音楽とは程遠い国府達矢という音楽家が気になって仕方ない。
彼の音楽には様々な色が混じっている気がするのです。青でも色んな青が、微妙に色合いが違う青がマーブルのように混じり合っていたりする印象です。メロディやリズムや音色の選び方についても、表面を撫でるだけではなく心の中に手を突っ込んで核を捉えて引き出すような音楽を構築している様に思うのです。
この2枚のアルバムは『スラップスティックメロディ』の方が少しポピュラリティがあって『音の門』の方が内省的で内向きな印象です。しかし、どっちも聴くことで自分の中の国府達矢という存在が更に大きくなるのを確かめられると思いますし、なお言えば『ロックブッダ』を併せて聴くことで国府達矢という人が、世界に誇るべき日本のロックミュージシャンなんだと感じられると思います。
サブスクリプションで聴くこともできます。少しでも気になったら聴いてみて欲しいと心から願います。