久しぶりに連休なのでレヴューを書いてみようかなと思います。
今日取り上げるのは、将来が楽しみで仕方ない新しい才能。
Maica_n
『秘密』
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2019/6/5リリース
TOWER RECORDS
HPP-1012
この作品を知ったきっかけは、大好きなスペクトラムという往年の名ブラス・ロックバンドでギターを弾いていた西慎嗣さんがTwitterを始められた事でした。早速フォローした私のTLに流れてきた娘のCDがリリースされましたとの情報。気になった私は音を聴いてみる事に。それがコチラです。
びっくりしました。一発で心を持っていかれました。細かい情報を殆ど知らないまま聴きましたので、本当に楽曲の素晴らしさがダイレクトに伝わってきたのです。何よりも凄いなと思ったのは声の質感です。女性ヴォーカルとして私が好きな要素が満ち溢れている。聴き疲れしない音域、スモーキーな加減や倍音の具合、聴く側に楔を打つフックの強さ、全部のバランスが絶妙なんです。
急ぎタワレコに走った私ですが、購入して更に驚いた事があります。
5曲入りのミニアルバムですが、ビートルズもカヴァーしたシュレルズの「Baby it's you」以外の4曲が全て自作。2曲では編曲も自分で手掛けていたのです。ポテンシャル高すぎ。
作詞・作曲・編曲全てが彼女という曲も聴いてみてください。
全ての曲が生楽器での演奏というのも最高です。芳醇なサウンドプロダクションが本当に心地よい。
それを支える演奏陣も凄いんです。
ドラムはレベッカのドラマーでスタジオ仕事は数知れずの凄腕、小田原豊。
ベースにはCoccoやGRAPEVINEを世に送り出したドクター・ストレンジラヴの根岸孝旨&様々なミュージシャンのサポートでお馴染みgomesくん。
鍵盤は前述のgomesくんと、40年以上のキャリアを誇る重鎮・富樫春生&サザンオールスターズや桑田佳祐のサポートの要・片山敦夫。
パーカッションに元オルケスタ・デ・ラ・ルスの宮本仁。
ギターはセカイイチの中内正之と、件の西慎嗣。
バックグラウンドヴォーカルにB.B.クィーンズで知られるスタジオ・コーラス界のレジェンド、坪倉唯子。
ヴァイオリンには、TRI4THの藤田淳之介とユニットを組んでいた売れっ子・門脇大輔。
富樫さんとgomesくんはアレンジも担当しています。
これだけの面子で、しっかりアナログな演奏してて、楽曲も歌も素晴らしい。個人的には大満足しかありません。
オルガンとギターの絡み、跳ねるピアノ、柔らかいエレピ、歪んだギター、ボッサなアコギとヴァイオリンの組み合わせ・・・グッとくるポイントだらけです。
今年の個人的最優秀新人賞は彼女で決まったと思っています。