今年になって買ったCDは今までに比べて非常に少ないのですが、その中でも一番好きなアルバムを少しご紹介したいと思います。
ORIGINAL LOVE
『bless You!』
2019/2/13リリース
VICTOR ENTERTAINMENT
VICL-65123
“歌うダイオウイカ”(©リリー・フランキー)こと田島貴男のソロプロジェクト、オリジナル・ラブの4年ぶりにリリースされたアルバム。発売から1ヶ月経ちますが全く新鮮さが薄れない。
それは、アーシーなロックからソウル、ヒップホップ、ジャズ、カントリー、ゴスペル、AORとあらゆる音楽的財産が複雑に絡み合う楽曲群のクオリティの高さによるものだと確信しています。
もちろん、田島貴男のヴォーカルの圧の強さやエネルギーの量の凄さはあるんだけど、今回はそれ以上に彼のクリエイターとしての力が遺憾なく発揮された結果かと。
貪欲に雑食に古の素晴らしい音楽を吸収し、それを自分のフィルターを通すことでオリジナル・ラブとしての作品に昇華させる。確かな手腕がこのアルバムに生きています。
今回はバンドセットでのレコーディングが大半で色々と弄りまわしてないのが実に嬉しい。リズム隊は基本的に2パターン。ドラム:小松シゲル(ノーナ・リーヴス)とベース:村田シゲ(□□□)が4曲。ドラム:佐野康夫とベース:小松秀行が3曲。これに木暮晋也や長岡亮介、岡安芳明、渡辺香津美のギターや河合代介のオルガン、鹿島達也のベース、角銅真実のパーカッション、冨田謙のキーボード、真城めぐみのコーラス、弦一徹のストリングス、村田陽一のホーンセクション、PUNPEEのラップといった豪華な面子が参加。これだけの人を集めてレコーディングしたアルバム、今の邦楽ではなかなか無いと思います。この辺りも実に好み。
全10曲、殆ど大好きなんですが一番グッとくるゾーンはM7「空気-抵抗」からM8「BLESS YOU!」への流れ。「空気-抵抗」の渡辺香津美のギターソロが神々しすぎて目眩がします。「BLESS YOU!」のジャジーなグルーヴもメチャクチャかっこいい。どちらの曲も河合代介さんのハモンド・オルガンが大活躍。これだけ興奮させるオルガン、ぜひ聴いていただきたい。
とりあえず、今年のマイベストアルバムの候補である事は間違いありません。自信を持ってオススメいたします。