さて、今日のテーマは、特急の「北海」である。この「北海」には、34年前に小樽を訪れた帰りに乗車した列車である。それが、この記念館に静態保存されているキハ82系という特急用ディーゼル列車である。誕生は、1967年(昭和42年)のダイヤ改正から函館本線の函館~長万部~小樽~札幌~旭川間を走る唯一の特急として誕生。このうち長万部~小樽間は通称「山線」と呼ばれ、すべての優等列車が室蘭本線経由となってしまったいまは寂しくなった山中のルートを走っていたのだ。「山線」のいわれは、室蘭本線が海沿いだからという単純なことだとは思うが、やはり、冬の雪に覆われる北海道とスピードアップでき線形の悪さなど、いくつもの難所を通っているというイメージが「山」に込められているのだ。
しかし、青函連絡船を使って来道する人は、飛行機に取って代わられ「北海」は「北斗」に吸収され、山線を走る唯一の特急は1986年(昭和61年)に消滅してしまった。これまた、小樽シリーズの偶然の一致か、またも20年位前の事なのである。いま、寂しく記念館のホームに置かれている(止まっているのではない)キハ82を見ると、塗装が浮き錆が滲み出してきていて可哀想である。静態保存ということは、錆を浮かせるために放置しておくことではないと思うのだ。確かにお金がかかるかもしれないが、少しは手入れをしてあげて欲しいと思うのだ。
( 写真文中の「サボ」とは、列車の側面に掲げる行き先や種別 (特急・急行など) を書いた板の事。「サイドボード」の略で、オランダの木靴ではないのでまちがえないように。全然意味をなさないので。)
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