女性の10人に一人は貧血と言われています。
閉経前の女性は5人に一人、妊婦も5人に一人が貧血ですが、最近は男性も増えています。
貧血は血液が少ない?と思われがちですが、血液そのものの量は変わりません。
貧血は血液中の、「赤血球」の「量」と「質」が低下している状態です。
健康診断の基準値は範囲が広いですが、一般的にはヘモグロビン値が成人男性は「13g/dL未満」成人女性では「12g/dL未満」で貧血と診断されます。
検査をされていない場合は、階段の上りなどの動作で動悸、息切れがする、疲れやすい、顔色が悪くなる、頭が重いなどの症状あれば貧血の可能性があります。
貧血の中で、一番多いのが鉄不足による「鉄欠乏性貧血」です。
鉄欠性乏貧血の方の赤血球は色が薄く、血球写真では、小さい赤血球や細長く変形した赤血球が目立ちます。
そうなると肺で酸素を取り込み、全身へ送り届ける能力が低下して、酸素を運べなくなります。
赤血球が酸素を取り込むのは、ヘモグロビンというタンパク質です。
ヘモグロビンを形成するには、鉄が欠かせません。
体内の鉄が不足すると、必要量のヘモグロビンがうまく作れなくなります。
赤血球が作れないので赤血球数が減り、大きさも小さくなってしまいます。
その結果、全身に十分な酸素を送り届けることができなくなります。これが、鉄欠乏性貧血です。
赤血球の量や質が低下している場合、体にうまく酸素が行き届かず全身が「酸素不足」の状態になります。体内酸素不足は全身の臓器や筋肉組織の機能低下に繋がります。
特に脳と心臓は大量の酸素が必要なので、不足すれば大変な事になります。
動悸、息切れ、疲れやすい、慢性疲労、顔色が悪い、頭が重い、何かをするのがおっくうになるなどの症状が現れます。
鉄欠乏性貧血になると、貧血で起きる症状と併せて、鉄不足そのものが体に起こす症状が出ることもあります。
爪の変形、髪の毛のトラブル、就寝時に足がむずむずして寝つけない(むずむず脚症候群)、その他氷が食べたくなるなどの症状が出る人もいます。
私たちの体には常に鉄が貯蓄されていて、体外に排出されるのはわずかな量で、主に汗、尿、便などから排出されます。
ほとんどは繰り返し体内で再利用されていますが、それでも貧血が起こってしまう理由があります。
- 鉄の摂取量不足1日の鉄の推奨量は成人男性で大体7.0mg~7.5mg。
- 月経のある女性は経血で鉄分を多く失うので、10.5mgと言われています。
日本人の鉄の平均摂取量は7.4mgなので、特に閉経前の女性は鉄の摂取不足です。
- 吸収力の低下・十二指腸、小腸の機能低下(腸内フローラも関係する)
- 必要量の増加・成長期や妊娠、授乳期の人は体内で通常よりも多くの鉄が必要です。
妊娠中は循環する血液量が増えるので血液が薄くなります。
また、赤ちゃんと胎盤の成長のために、より多くの鉄分が必要になるので、鉄欠乏性貧血になりやすいです。
妊娠時の鉄の1日の推奨量は、初期が9.0㎎なのに対して、中期~後期は16.0㎎と、約1.8倍に増えます。
貧血と診断されていなくても、妊娠中と授乳中は鉄をしっかり摂取できる食生活は大事です。
- 出血・女性は月経、症状が特に強い場合には、女性疾患(子宮筋腫や子宮内膜症、子宮癌など)、その他の病気による出血(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌、大腸癌、ポリープ、痔など)元々低血圧だった方が貧血になると酸素不足が更に悪化して、様々な病気のリスクが増えます。
低血圧は血液量と毛細血管不足で元々、酸素の運搬量が少ないです。
そして貧血になると更に体内酸素不足に陥ります。又、高齢者も血液量と毛細血管が減っていきますので、低血圧の方と高齢者は鉄分補給に留意してください。
鉄分をしっかり補って体内酸素量が増えれば、もっと元気に動けるようになります。
体内の鉄分の3分の2は、赤血球(ヘモグロビン)の中です。
残りの3分の1は貯蔵鉄として、肝臓や脾臓に蓄えていますが、貯えがどれだけあるかは測れません。
その貯蔵鉄の少ない隠れ貧血の方が多くいますので、鉄分はしっかりと補う必要がありますね。
顔色、血色の悪い方、瞼の裏が白い方は特に要注意です。
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