畑をぜんぶ耕して、 手がしびれている。 ハンドルの振動が夜になっても消えない。 腰もへなへな。 切って干しておいた種芋を植える。 基本的にイモ料理は苦手だったが、 なにしろ、世界のいたるところで 飢餓から人類を救ってきた植物だ。 ゴッホの『じゃがいもを食べる人々』のような つつましい食事に慣れて これからの年金崩壊時代を生き延びることにした。 わが「園芸部長」(従弟のYちゃん)の シゴトは、完璧だ。 植える芋の間隔をメジャーで測っていた。