ずくしは、ワルツ。
とさわぎながら踊ってたら
けさは村雨が降った
そのあとぐんと冷気が来て
風もワルツしてる
ヤン・ティエルセン?
いや、サーカスの象が踊るときのやつ
だんだん青ざめて
冷たくなってぐるぐる
安っぽい子ども用のピアノが原っぱにひとつ
枯葉を弾くように掃いた
うり坊の帰り道で
すべきことを細く刻んで落としておいた
ありがと、の森魚さん
そこらへんにころがっている
愛の、たましい、その復活。
もたんねんにからませて
縄をあんだら
三回忌をしたばかりのバアさんの
シブ柿をむく
その包丁、デカすぎん?
どんなに単純な指先のうごきにも
熟練がにおうじゃろ
そりゃ、もう。
どくとくのリズムがあって
不愛想なシブみほどまろやかに
甘くなる
せえと、おんなじ。
不器用なことばほどあざやかに
紅葉していく
那岐山と空のあいだに
柿を吊るす
まるでワルツの連音符みたいに