液晶パネル用24Vが出力されていないのは、テスターで確認済とのことでした。
電解コンデンサーの故障以外が原因の場合は、特定することが難しいことがあること、修理できない可能性があることをご了解いただいた上、電源ユニットを送付してもらいました。
受け取って現状を確認すると・・・液晶パネル用24V以外は正常に出力されていて、検証用パソコンも動作します。
内部を確認すると、液晶パネル用回路の電解コンデンサー2個が交換されていました。
通電して確認してみると・・・24V用の2次側に全く電圧がかかっていません。では1次側はどうかなと確認してみると・・・1次側のスイッチング用FETが動いていない感じです。
1次側のFET・ダイオードを取り外して確認してみました。
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チェックしてみると、24V用のスイッチングFET(2SK2749)のD(ドレイン)-S(ソース)間がショートしています。
部品を交換して、通電してみると・・・あれっ?まだ変です。というかD(ドレイン)に電圧がかかっていません。
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周辺部分を調べてみると・・・1次側の電源とFETのドレイン間の抵抗器がオープン状態となっていました。取り外して確認してみると・・・抵抗器に焦げた跡がありました。
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抵抗器を交換して、再度通電してみると・・・今度は24Vが出力されています。
何らかの原因で液晶パネル用24V回路の1次側スイッチングFETのD-S間がショートしてしまい、ヒューズが切れる前に、ドレインと1次側電源の抵抗器が壊れてオープン状態になってしまったのでしょうか。
前述のようにスイッチング用半導体が壊れた場合、特にショート状態になった場合は、その半導体だけでなくて、周辺部品も壊れてしまっている可能性が非常に高いです。今回は抵抗器がオープン状態となったために、被害が小さくてすみましたが、チップ部品なども壊れている場合は、修理できる可能性が低くなってしまいます。
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