故障しても修理するより、新しいOSのパソコンを買った方が今後のことも考えるといいですからね。
そんな中・・・電源ユニットAPI4PC50の修理のご依頼がありました。全く電源が入らないそうです。
電源ユニットを取り外して送付いただきました。
内部を確認しましたが、電解コンデンサーの故障(液漏れ・頭部膨張)は確認できませんでした。
状態としては、全く通電しません。
電解コンデンサー以外の故障の場合、故障個所の特定が難しいために、修理不可ということでご返却させていただいているのですが・・・今回のお客様は、時間がかかってもよいので何とか修理して欲しいということでしたので、時間があるときに継続して調査していました。
故障している電源の場合、通電しながら調査するというのはちょっと危険なので・・・主に目視とテスターによるチェックになってしまいます。
大元のヒューズは断線していませんでした。
いろいろ確認していると・・・一部欠けているヒューズ抵抗を発見しました。
通常ヒューズ抵抗は、低抵抗で異常な電流が流れると断線して半導体などの損傷を防ぐ役目をしています。低抵抗のはずなのですが・・・抵抗値は∞で、断線している状態でした。
このヒューズ抵抗は、1次側の5Vスタンバイ電源回路に使われていました。この回路に使われているスイッチング用素子TOP249Yを確認してみると・・・FETでいうゲートであるコントローラー端子が、グランド端子とつながっていました(0Ω)
通常このコントロール端子を制御して、D-S間を高速でON-OFFしてスイッチングを行うのですが、コントロール端子がローレベルのままだと、D-S間がONしっぱなしになり、過大電流が流れてしまいます。
ヒートシンクを取り外してみてビックリ!
なんと・・・素子が割れています。単体の状態でも確認しましたが、コントロール端子がグランド端子とつながっています。
取り外した部品
TOP249Yは比較的入手が容易でしたが、ヒューズ抵抗は苦労しました。
これらの部品が入手後に交換を行いました。
まずコンセントにつないだだけで、5Vスタンバイが正常に出力されていることを確認、さらに電源ユニットチェッカーで各電圧の出力を確認、それと液晶パネル用の24Vも確認しました。
暫く通電しましたが、問題なさそうなので・・・どらともの検証用TX90につないでテストです。
問題なく起動し、今回は念を入れて2日間の負荷テストを行いましたが問題ありませんでした。
今回は、スイッチング用素子が壊れて、コントローラー端子がグランドとつながってしまい、過大電流が流れ、ヒューズ抵抗が断線したと思われます。
ただし、心配なのはスイッチング素子の壊れた原因です。単なる寿命で壊れたのであれば、ある意味いいのですが・・・例えばマザーボード側の5Vスタンバイ回路に障害があり、結果的に電源ユニットの5Vスタンバイ回路が壊れたということも考えられなくはありません。その場合だと、どらとものもとでの負荷テストは問題なくても、お客様のTX90に接続して通電すると・・・まだ同じ状態になってしあう可能性もゼロではありません。
その点をお客様にご説明・ご了解いただいたうえで、ご返却です。
万一同状態になるようであれば、パソコン(マザーボード)側にも障害があることになりますので、どうするかご相談させていただくことにしました。
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