お電話で詳細をお聞きすると・・・パソコンはPC-VW770FGで、突然電源が入らなくなったそうで、この機種はメーカーから電源ユニットの不具合のため、無償修理対応しているのですが、対象ロットではなかったとのことです。
お伺いして内部を確認して、電源ユニットであれば電源ユニットを持ち帰り修理し、マザーボードなど他の箇所が要因でしたら、本体をお預かりすることにしました。とっても大きい機種なので台車も持って訪問しました。
状況を確認すると・・・テレビのランプ?が薄暗く点くだけで、全く反応しません。
マザーボードを確認するには、上の2枚の拡張ボードを取り外す必要があるのですが・・・これに時間がかかってしまいました。
無事に電源を取り外しました。TIGER POWERのTG-3510です。
電源をお預かりしました。一体型パソコンの電源ユニット全般にいえることなのですが・・・液晶用のコネクタや、テレビ回路用のコネクタなどがあり、特殊な仕様の場合が多いです。
この電源は、ATX20ピンと12V4ピンはあるのですが、後のコネクタは通常のATX仕様と異なっています。ユニットのラベルを見ると・・・5VSB(スタンバイ)出力のほかに、3.3VSB出力もあるみたいです。
とりあえず、ATX20ピンと12V4ピンを電源ユニットチェッカーにつないで確認してみると・・・5VSBの電圧が、フラフラしており安定しません。チェッカーではほとんど負荷がかかっていないので、その状態でフラフラしているということは、5VSBが正常に出力されていないようです。
内部を確認してみました。
なんと・・・11個の電解コンデンサーに液漏れや頭部膨張が確認できました。
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この状態で今まで動作していたのが不思議なくらいです。
11個の電解コンデンサーは全てJAMICON社製でした。
故障している電解コンデンサーも含めて全部で14個の電解コンデンサーを日本メーカ製に交換しました。
交換後に電源ユニットチェッカーで確認してみると・・・5VSB電圧は安定していました。
再びお客様のところへお伺いして、電源ユニット取り付け組み立てです。
組み立てもちょっと苦労しましたが・・・元の状態に戻し、コンセントをさすと・・・ランプが
薄暗く点く現象は起きませんでした。電源スイッチを入れると・・・無事にWindowsが起動してきました。テレビ受信も問題ありませんでした。
電源ユニット自体は、部品配置もゆったりとしていて、部品の取り外し・取り付けはそれほど困難ではなかったのですが、その前後の電源ユニットの取り外し・取り付け後の元に組みなおすのに結構時間がかかってしまいました。
ところでこの機種、出荷時はRAID0構成なんですね。ちょっとビックリです。RAID0はRAIDという名前はついているものの、複数ドライブにデータを分散して読み書きする方式なので、1台のドライブが故障しただけで全てのデータが失われてしまいます。つまり通常の1つのドライブを使用するよりも故障率は高くなります。メリットといえば、アクセス速度があがることですが、それよりも信頼性のほうが重要な気がしますが・・・
お客様にそのことをお話しすると・・・すでにRAID0構成は解除して使用しているとのことでした。
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