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Life is a journey - 3人乗りの船で人生を航海中

現在のきみへ (1)

現在のきみへ (1)



睡眠がほとんど取れず、課題地獄だった11月後半
最後の戦い、期末試験があった12月前半
それらの時を経て
時間は恐ろしいほどに早く進み、驚くことに、
もう12月も終わろうとしているね。
今年はある意味、変化の年だった。





今年の前半、私達は 将来の学部について、決断するために何度も話し合おうとしたね。


どんな学部に行きたいの?


と聞いても
君は全く口を開かない。


あれ?
おかしいな。。
去年は話していたじゃん?
君の性格、資質を考えたときに
○○がきっと合っているんじゃないかって。


君も、まんざらではなかった、はず。
資格の勉強も少しずつしていたし
何事も、嫌なら、即座に否定する君が
マイナスなことを1つも言わなかったから。


明らかに合わない学部については、最初から除外して考えていたし、
君も、同じ方向を向いている、と思ってた。



でも、いつからか
君は将来の事について、何も語らなくなったね。
母さんは、君が何を考えているか、さっぱりわからないんだよ



大学の学部説明会も、君は友達と行くと言って
父さん母さんは、2人だけで君の大学キャンパスへ向かった。



周りを見ると、親子で参加してる人達がが多くて
父さん母さん、50代2人だけの参加が
すごく場違いな気がしてね



それでも、2人で、一生懸命学部の話を聞いて
父さんは、細かくメモを取り
母さんは、案内役の学生さんにちょっと質問をしたり
できる事は、何でもやった。
だって、それが君のためだと思っていたから。。



説明会から帰って、君にいろいろ報告したんだけど
君は、全く聞いていない。
反応が
ゼロって。。。

自分の進路のことなのに
一体どういうつもりなんだろう。。



どうして、君とこんなに距離があるんだろう。








学部の希望を提出する時期が近づいてきたある日
君は、やっと口を開き始めた。



○○は、ちっとも、楽しそうじゃない。
大学生活、勉強一色で
サークルも、バイトも、ゼミも 何もできないって聞いた。
そんなのは嫌だ。



え。。。
そんなふうに思っていたんだ。
そうか。。



でも、実際はそんなこともないよ?
目指すところによっては、大学生活もある程度、楽しみながら両立可能なんじゃないのかな?



母さんは、その学部に通うお子さんを持つ知り合いに話を聞いたり、先輩ママや、個別塾の校長先生など 沢山の人にアドバイスを求めた。



「そこまで言うほど、大変じゃないですよ。ついていけないという人は今のところ、見たことないです。大丈夫ですよ。」



「その学問が好きじゃなかった場合、結構苦痛になるかも」



「自分が興味があるものを追い求めた方が、その子にとっては幸せだと思います。たとえ、就職に苦労したとしても」



意見は人によって、全く違う。
誰の意見を聞けばいいの?
どの意見が正解なの?
いろんな人に話を聞けば聞くほど、答えを出すことが難しくなった。




君は言う。
⬜︎⬜︎の授業が面白そうだな。



そうか。
そうなんだね。
わかったよ、君の希望は。



でもね?
母さんは思った。



なんでよ?
なんで今頃、そんなこと言うのよ?
○○に進むことが、君にとっては1番良いに決まってる。内気で
マイペースで
人と争うことが嫌いで
それでいて、プライドも高い
君のような性格、資質を持つ子が
どんな職業に、合わないのか
母さんは仕事で、嫌という程見てきたんだ。
スキルは裏切らない。
もっと言うと、資格は自分を守ってくれる。
専門性がないと、いろんな部署に回されてしまうよ。



今は、ただ将来の展望があまり見えていないだけ。
母さんだって、学生の頃の希望の職業と現在の希望の職業は、全然違うんだ。
人は働いていくうちに、考えが変わるものなんだ。
君は、まだ幼いだけ。
そのうちに、色々とわかってくるから。



何度も
タイミングを変えて
言葉を変えて
君に伝えてみたけど
君は、全然納得しなかった。


父さんは、静かに言うんだ。
「どんなに魅力的で素晴らしい道でも、今の本人がそう捉えることができないのであれば、その時点で親が押し通すべきじゃないよ。
たとえ、就職に苦労しても
合わない職種についてしまって、すぐにやめることになったとしても
それは、本人が選ぶことだからね。
あの子の人生は、あの子のものだから」



うん。
うん。
頭では、わかっているんだ。






そんな時、急に思い出した。



私も学生の時に、父親に言われたことがある。


「○○の仕事がいいんじゃないか?
安定してるから、是非やるべきだ!
そうだ、そうしなさい」


私の答えは、こうだった。



「は?」



は?
何言ってるの?
そんな仕事、ちっとも面白いと思わないし。
私には、合わない。



思い出した。
私は、はっきりと
そう言ったのだ。


自分も
約30年前
そうやって、親の申し出を拒否した。
どんなに説得されても
絶対に聞き入れなかった。


就職氷河期で
内定をもらったのは、銀行で
実はこれも、自分の希望とは違ったけど
父親に勧められた職よりは ずっとマシだった。
私はそこで、ビジネスの基本を叩き込まれた。
今でも感謝して止まない。



自分は父親の希望を拒否しておいて
君には、私自身の希望を押し付ける?
もし本人が、その勉強が嫌いになったら どうする?



母さんが、素晴らしいと思っている、輝かしい未来への道は
君の目には、同じように映らない。



そんなこと、当たり前だよね。
だから君は、寡黙だったんだ。
自分の意見を言うと



母さんが、悲しむから。







小学校低学年の 
頭がクリクリで
ほっぺがツルツルで
平均よりも随分背が低くて
ママには、まだ幼稚園児くらいにしか 見えなくて


誰もいない会社に一緒に休日出勤して
ヒーローごっこをしながら、歩いた 帰り道。



一生懸命、公文のプリントを進めながら
まんまるお目目で
「ママの となりで おしごと する!」
と言ってくれた君




バイバイ
可愛い子



バイバイ
私の宝物




小さい手で 私の指をしっかりと握りしめた



あの時の君が
邪魔をするんだ



今の君は
立派な青年なのに
自分で、全部判断出来るのに



私は
君の小さい姿を
今の君にも
求めているんだ



ごめんね


ごめんね


大丈夫
もう少しだけ
時間をちょうだい。



今の君を
応援できるような
ママになるから。
母さんになるから。



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