息づかい・ ぬくもり ・・・ アラン写真館

心に歓喜を、Dr.アランmac      幅広~い心と、 ゆとりある心で。。。。

ところが、彼の妻は賢明だった

2016-05-18 20:28:21 | 写真館
     名説教で知られたヘンリー・ビーチャー師の後任として、

ライマン・アボットが教会に招かれ、初の説教をすることになった。

名説教師の後任とあって、彼は懸命になって説教の草稿を書き、細心の注意を払って推敲を重ねた。

出来上がると、それを、まず妻に読んで聞かせた。

だいたい原稿を読み上げるような演説は、たいてい面白くないものだが、これもその例に漏れなかった。


ところが、彼の妻は賢明だった。

「面白くないわ。 駄目ですよ。 聞いている人が眠ってしまいますよ。

まるで 百科事典を読んでいるみたい。

長年説教をやっていて、それくらいのこと、わかりそうなものよ。

もっと 人間らしく、自然にやれないものかしら。

そんなものをお読みになると、恥をかきますよ」

         こんなことは言わなかった。 もし言ったとすれば大変だっただろう。


 「 『北米評論』にお出しになれば、きっといい論文になるでしょう」

彼女は、ただそう言っただけだった。


つまり、ほめると同時に、演説には向かないことを、遠まわしにほのめかしたのだ。

                 D・カーネギー 人を動かす    山口 博 訳より



                                 宮古島のエメラルドブルー