模型の館@ジユウノツバサ

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カラーモジュレーションセットを試してみたの巻【中】

2014年12月14日 | カラーモジュレーション
 さて前回の続き。ワタシ自身も見様見真似ではありますが、早速実際の塗装手順をご覧いただきましょう。題材はマイクロエースの「C58 98号機・北見機関区」です。



 黒い蒸気機関車なので、カラーモジュレーションセットは「ジャーマングレーVERSION」を使います。写真のような4色入りのセットで、通常のMr.カラーと同じジャーマングレーと一段暗い色調の「GGシャドー」、逆に一段明るい「GGハイライト1」、さらに明るい「GGハイライト2」という同じ色調で明度の階調の異なる組み合わせです。一番明るい「GGハイライト2」はGMカラーで例えれば35番ダークグレーぐらいの明るさですね。
 ちなみに、Nゲージの蒸気機関車をジャーマングレーで塗ること自体、スケールエフェクトと考えればそんなに変な選択ではありません。実物より明度を上げた色で塗ることは、前回の記事で触れた面積効果による目の錯覚の補正に加え、空気遠近法(※1)の表現にもなるのでむしろ理に適っているとさえ言えます。

※1:遠くの場所にある物体が空気中のチリなどの影響により、近くで見るよりも白っぽく霞んで見える現象。実物が模型と同じぐらいの大きさに見えるということは、それだけ対象から離れているので、模型でも同じように見えるように表現するというテクニックです。模型以外にもイラストの背景などでも使われます。



 カラーモジュレーションのセオリーや手順を記したインストも付属。基本的には、これに書いてある通りに吹けば良いのですが、ハイライトを吹いた後にシャドーという手順に違和感があったのと、先達のAFVモデラーさんのサイトや、本場である海外のカラーモジュレーション塗料の使い方も参考にして、実際には下記の順番で塗装しています。



 まずはMr.カラーの軍艦色1で全体塗装。本来はサーフェイサーを吹くところですが、今回は製品の塗料を剥離しないので塗膜が厚くなりすぎないように、ということで。細吹きまで駆使して隅々までキチンと塗ったのですが、後述する通りコレはちょっと失敗でした。



 次にシャドウを一番暗くする部分にブラックを吹きます。実際に陰になる部分の他、ドームの裾廻りとか、デフ・キャブ後端の下寄りも黒くしています。これが前回の記事で述べた「嘘」の部分でして、本来単一の色である面に明暗を付けるためこういう塗り方をしています。天地方向が下→上、進行方向が後→前にかけてハイライト(明色)を強くするのがセオリーのようです。なので、その起点になる部分をブラックとしたわけです。
 で、デフの内側など入り組んだ箇所にブラックの塗料が中々行き届かなくて苦労しました。これが先に書いたグレー吹きの失敗でして、元々グレーの塗料が届かない部分は光が届かない場所でもあるわけで、製品の黒い塗装をそのままシャドウとして活かせれば楽だったし自然な影になったんですよね~。



 ここからが本日の主役・カラーモジュレーションセットの出番です。ブラックを吹いたエリアを少し広げるようなイメージで「GGシャドウ」を吹き重ねます。ここから先の明るい色の塗装は、原則的にグラデーションの起点寄りを吹き残すようにします。



 次に基本色のジャーマングレー。基本色なのでここでいったんサーフェイサー部分(今回は軍艦色で)を塗り残さないよう全体に色を乗せちゃいます。ブラック・GGシャドウの部分は吹き残すように注意。



 続いて「GGハイライト1」。シャドウを吹いた部分の反対側に少しずつ色を乗せるように吹くのですが、面の交わる部分にハイライト同士がぶつかると効果半減なので、例えば今回で言えばキャブ前妻などにはあえてハイライトを吹かないなど取捨選択が必要になってきます。キャブ天窓など一段出っ張った箇所は当て紙やマスキングを駆使してハイライトを強調するのも一つの手です。



 最後に「GGハイライト2」。キャブ屋根前端やデフ上端、ドーム天面などグラデーションの終端となる一番明るい場所に薄めの塗料を細吹きで乗せます。乾いたらこの「GGハイライト2」を使ってドライブラシの要領で各部手スリなどの凸モールドを強調する筆塗りも行います。

 さて、駆け足で手順をご覧いただきました。かく言うワタシ自身もカラーモジュレーションを十分咀嚼できているかというと怪しい所ではあるのですが。そこは次回の完成状態をご覧いただいた上でご判断を、というコトで今回はここまで。よろしくお願い申し上げますです。

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