3月3日(雛祭り) 対戦相手:溢れる言葉
岩槻
久々に海以外での仕事です。そして久々に道具を使う仕事です。そしてそして久々に喋って良い仕事なのです。雛祭りの今日、人形の町・岩槻にて『まちかど大道芸』に出演です。
何もかも久しぶりで臨んだ仕事で選んだスタイルは板前パフォーマンスでした。白い調理着でジャグリング道具を食材に見立て、その素材を美味く仕上げてお客さんに召し上がって頂くのです。その店の名は『割烹エディー』。一応、高級割烹で一見さんお断りの、敷居の高い店を目指しておりますが、勿論皆さん一見さん。しかも平服。メニューは無く、素材をお客さんに選んでもらう分、お題は“時価”です。
ジャグリングはそんなに特別すごい技や新しい事してませんが、道具使うのも二ヶ月ぶりですから不安はありました。そして何より、今朝、家を出る直前まで板前で行こうか、マイム主体の新ネタでいこうか迷っていたため、板前に決めてもそれに付随するトークまで考えてなかったのです。キャラのイメージは高倉健さん。寡黙な職人で口癖が
「不器用ですから…。」
のはずが、いざ演ってみたら、んまあ喋るしゃべる。不器用どころか小器用。トーク考えて無くても次から次へ、言葉が溢れてきて、ギャグも盛りだくさんで、この2ヶ月喋るパフォーマンスをしてなかった事への復讐か?と言わんばかりに喋くり倒しましたね。そしてまた確信しました。ボクのパフォーマンスはジャグリングを魅せるのではなく、ジャグリングをたまに挟む
トークショー
なのだと。そんな割烹の営業の合間に他の出演者さん(TOMIさん、TANTANさん)のパフォーマンスも見に行くのですが、パフォーマンスが終わって人垣も無くなった現場に、若い外人さんがやってきました。大道芸に魅せられたのかな?すると彼は
「コンニチハ。ワタシハ、うくらいなカラ来タ、日本語ヲ勉強中ノ○○デス。」
ほぉ。何でございましょ?もうここでは演ってないから違うポイントを教えてあげようとすると、
「コレハ、うくらいなノ民芸品デス。コレハぶろーち。コッチガ、小物入レ。コレハまとりょーしかデス。愛スル人ノタメニ買ッテアゲテクダサイ。」
結局、それなんだぁ。まあ日本語の勉強と言ってましたから、最後まで彼の話を聞いてあげて、それからついでに日本の格差社会における低所得者層の懐具合と、昔と違って今の日本人は「NO!」がしっかり言えるという事を勉強して頂きました。明日、また会うかな?
板前さんの喋りを彼も勉強すべし。