gooブログはじめました!ホームページ「16葉のクローバ」の番外編です。

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能面

2014-04-11 10:42:38 | 今日子詩集


「能面」

見渡す限り 雪一色の山村
田畑には 人も そして動物の足跡すら
何一つ 痕跡が無い

唯一 熱い息遣いを感じさせる
雪深く埋もれた
古い 古い神社・・・

極寒の如月の末
年に一度の「蝋燭能」

村の人々が
近県 いや全国から集う
老若男女たち

煤けた匂いと 微かなお香の香りが漂う
大小様々な蝋燭の灯りが
妖しく揺らめく・・・
笛と鼓と唄の流れに
小町が 童子が 鬼が其々に想いを重ねて
語り 唄い 踊る

人前では
その喜びはもちろんのこと
哀しみも 怒りも せつなさも全て
深く深く 見の内に沈める

いつしか 根雪のように固まり
人の言葉尻から 手の指先から
微かな湯気をあげて
雫となりて 滴り落ちる・・・
て)


河豚

2014-04-11 10:27:52 | のりひと詩集


「河豚」

人は視神経の奥で
知らず
知らずに
汚れに反応するように

気に食わない人
好きな人
空気のように
無害な人に分けている



内臓を取って 資格のある
料理人の手で 丁寧に洗った
トラフグを食べても
本当は警戒している
自分を眠らせていない

レッテルを貼る
他人も
自分も
妥協する仕事の作業現場では
これ以上
好きな仲間はいないという
良い顔をしているのに

心模様

2014-04-11 10:00:30 | 佐藤もも詩集

「心模様」

あなたに見せてあげたい
私の心模様

あなたに
恋している時間

あなたを
格好良いと感じている時間

ああたが
大切だと思っている時間

ちょっぴり私だけを
みているなんてもったいない
と思っている時間