・コラーゲンCollagen こらーげん
骨格、皮膚、腱、じん帯、筋膜の大部分を占め動物の結合組織の主成分でカルシウムの沈着を助けている。硬い繊維状蛋白質(硬たんぱく質、膠原質)で蛋白質の1/3は、コラーゲンよりなる。
コラーゲンは、生体内にもっとも多く含まれるたんぱく質で、生体の全たんぱく質の20から40%を占める。体の細胞と細胞の隙間を埋める形で線維状のたんぱく質として存在し、特に皮膚、骨、軟骨、腱など結合組織の主要な構成成分。
全コラーゲン量の40%は皮膚に、20%が骨や軟骨に含まれ、その他、血管や内臓など全身に広く分布する。
体や臓器の形を支える構造材として働く。また、細胞同士をくっつける足場(基質)として接着剤の役割も果たす。そしてこれらの物理的な機能のほかに、細胞の増殖や器官の形成、傷口の治癒促進などの生体活動にもコラーゲンが大きな影響を与えていることがわかっている。 一方、コラーゲンが作られるのは、線維芽細胞や軟骨細胞、骨芽細胞などで、両者は、お互いに影響を与えあう関係にある。
酸、アルカリ、酵素の作用は、受けにくいが長時間水と共に80℃位から加熱すると溶けだしゼラチン(コラーゲンの熱変性物質)になる。アミノ酸組成は、グリシン25%、イミノ酸Imino acid(プロリン、オキシプロリンHydroxyproline各々14%程度)が多く、シスチン、トリプトファンを殆ど含まずアミノ酸スコアゼロとしている。皮、骨コラーゲン(にかわ、煮こごり)は、ゼラチンが大分を占めるがケラチンKeratin(角質層の弾力繊維)、エラスチンElastin(角質層下の真皮の弾力繊維)、ムコイド(ヒアルロン酸、水分保持)などを含む。
骨基質の約90%がコラーゲンで残りの10%で非コラーゲン性のオステオカルシンOsteocalcin 、オステオネクチンOsteonectin等で占める。推奨量5~10g/1日(日本人平均3.5g)としているが2gで1~3ヶ月で保水性を感じたという報告があり鉄、ビタミンCと一緒に取ると吸収がよくコラーゲンの合成に必要。
副作用としての報告はなく今までの食経験より問題ないという。細胞間の結びつきを強化し免疫力を高め、血管、皮膚、粘膜骨格を強くする。紫外線、高温、糖質の過剰摂取により血管に打撃を受けやすくその修復に役立つ。魚、肉のにこごりの成分でもありゼラチン、健康食品、化粧品の原料に豚、鳥の軟骨、魚のうろこより製造することが多い。特に海洋性のコラーゲンが肌の張りを保ち、骨粗鬆症、関節痛によいとしているがまだ十分な臨床実験結果が得られていない。ラットのデータ(Bio Industry, 2001;18(4):11-14)で皮膚中のコラーゲン量は何も摂っていない群<アミノ酸群<コラーゲン群という結果がでている。アミノ酸の摂取でもコラーゲン量は有意に増加したとの報告がある。
コラーゲンを摂れば、一度分解されても、体内でコラーゲンが出来ることを裏付けている。動物性コラーゲンよりも海洋性コラーゲンの方が7倍も吸収が良いこと、細胞の活性化のシグナルとなるプロリルヒドリキシプロリンProlyl-hydroxyprolineと言われるペプチドは豚由来のコラーゲンの方が海洋性コラーゲンよりも2倍多いことの報告がある。
人の体内では、常にコラーゲンの分解と合成が繰り返しているが年をとると、このバランスがくずれ、分解の方が多くみられる。老化現象の一つで、コラーゲンが柔軟性を失ったために、しわやたるみが発生したり、関節や骨が痛む。老化予防にはコラーゲンを補給することを、勧めている。
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