青葉城恋唄

仙台生まれ、仙台育ちの40代女性。
日々の生活で考えたことを記す雑記帳。

裏と表

2007年10月30日 | ほん
他人から見た自分、自分から見た自分。

『百夜行』
東野圭吾 著
集英社文庫

東野圭吾を最近読んでいるという姉に借りた本。
分厚くて、読み始めるまでに時間がかかったけれど
一旦ページをめくり始めたら止まらなくなってしまった。

TBSのドラマを見ていたのであらすじはわかっていた。
原作を「表」の物語とすれば、ドラマが「裏」の物語。
原作では語られなかった主人公の心情がドラマでは描かれ、
ドラマで描かれた2人の行動の外側が原作で語られる。

「ドラマは主人公2人の恋愛ドラマみたいになってしまっている」
「原作では最後まではっきりとしなかった犯人が
ドラマでは最初から明かされてしまっていた」などと、
原作ファンにはドラマの評判があまり良くないみたいだけど、
結末を知ってから読んでも、原作は面白かったと思う。
ドラマと原作で「表」と「裏」という感じで、
うまく補完しあっていると思った。
たぶん私のような性格では原作だけではすっきりしなかったと思う。

なぜ、あの2人はここまで強い絆で結ばれていたのか。
雪穂が亮司をかばう気持ちは理解できる。
自分のために父親を殺したんだから。
でも亮司が雪穂を助ける気持ちがわからない。
初恋だから、自分の父親がした所業に責任を感じて、
では20年近い年月の説明がつかないような・・・。

読み終わった後も、考えさせられる作品、ということで、
良い本なのではないでしょうか。
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