「待ちくたびれた」by朝子
『海に眠るダイヤモンド』
日曜21時~・TBS
脚本:野木亜紀子
出演:神木隆之介 斎藤工 杉咲花 池田エライザ 清水尋也 土屋太鳳 宮本信子
最終回は2時間スペシャル。
夫がいない時に落ち着いて見ようと思い最初はM-1を見ていたのですが、
風呂の中で見始めたら止まらなくなり、
「画面小さいな~字幕は物足りないな~」と思いながら視聴。
最後の40分はリビングのテレビで見ましたが、ラストシーンは夫の横で号泣。
選挙で1週お休みにならなければ全10話だった予定だったようで
TVerの配信版では前後編に分かれているしいくつかカットも追加され、
主題歌もエンドロールもきちんと2回流れたし、1話ずつの形になっていた。
ということで「第9・10話」の感想として書きます。
ちゃんとまとまらなさそうですが。
進平がいなくなり、一平も新しい着炭を見届けて亡くなってしまった。
残された主婦2人と子供を守るのは鉄平。
一平さんハルさんの夫婦は子どもを次々と亡くすというつらい体験を・・・。
そして秘密を分かち合っていた進平を失い、
誠の戸籍がないことで追い詰められ、弟である鉄平に助けを求める。
もちろん義理の姉と甥を助けるってこともあるけど、
やはり鉄平はどこまでも外勤なんだってことかな。
誠の戸籍をどうしたのか?という問題を
前週からひっぱったけどそこはそれほど重要ではなかったような。
進平と結婚できなかったんなら鉄平と籍を入れてということも無理だったんだし。
「端島で荒木栄子を名乗るわけにはいかない」って言っていたけど
そもそも草笛リナが偽名なんだから荒木リナのままで問題ないよね。
正直、リナを追うヤクザとの対峙についてはもっとうまく立ち回れたんじゃないかとは思う。
「小鉄は高波の日にいなくなった」とかそれこそ炭鉱事故で死んだとか。
あと、あのヤクザもんはそもそもリナを追っていたのでは?
小鉄を殺されてそっちに狙いをシフトした?個人的恨み?
しかもあんな追われている状況で小舟に乗って逃げていたら
目撃した人は「駆け落ちだ!」って思うかな?
都合よく追手だけ見えなかったってことある?
端島を出てからの鉄平の人生がとにかく悲しかった。
ラストに晩年(1990年以降)の様子が語られたけど、
どれだけたくさんの人に囲まれて穏やかな余生だったとしても
大好きな端島を捨て25年も逃げ続け、
大好きな朝子に会えないままだったなんてつらすぎる。
あのコスモス越しの端島の風景を見ても、いや見たらなおさら
帰れなかった鉄平の悲しい人生を思って「なんとかならなかったのか」と思ってしまう。
【後日談】
本当に、この1点については時間が経っても納得ができなくて、
考えれば考えるほど落ち込んでしまう。ドラマなのに。
簡単に年表で整理。
1965年3月 鉄平・リナ・誠失踪
1966年5月 朝子結婚
1967年 鹿乃子誕生?
1968年 和馬誕生?
1975年 端島閉山
1980年頃 IKEGAYA創業
1990年 鉄平・野母崎に家を購入
2000年頃 百合子死去
2004年 リナ死去
2010年 鉄平死去
2018年春 賢将死去
鉄平失踪から1年で結婚してからが怒涛だな。
1973年、端島の閉山が決まると鉄平が賢将に連絡を取り2人は再会。
その頃には鹿乃子も和馬も生まれている。
もう戻っても、あの頃の朝子はいない。
「朝子に言えないことを増やすのはかわいそう」は
朝子に対して「かわいそう」かと思ったのですが
よく考えたら「百合子が朝子に言えないこと」なんですね。
百合子は朝子に言えないことをすでに抱えている。
これ以上増やして百合子に負担をかけたくないという優しさ。
玲央は賢将の息子に「元気ですよね」って確認したり
百合子が20年前に亡くなったと聞いて複雑な表情をしているところから
百合子が被曝者だって知っているっぽい。ということはいづみも知っている。
これは鉄平のノートで玲央と同じタイミングで知ったんだよね。
でもその原因の一端を自分が担っていたということまでは知らない?
賢将の息子は玲央の質問に怪訝そうな顔をしていたから
もしかしたら母が被曝者だったと知らないのかな?
最後にいづみが見た幻で朝子は鉄平にプロポーズされる。
あれは本当ならば「あの夜」に聞くはずだった言葉。
百合子たちの子どもと一緒にまだ幼い竹男がいたり、
その頃にはもういないはずの進平がいる光景には温かい気持ちになるけど、
そこに虎次郎がいるのが複雑なんだよな~。
いづみは虎次郎にも愛情がありそうだけど、鉄平への想いってやっぱり特別なんかね?
いづみの秘書としてずっと働いていた澤田が実は誠だった。
第1話のあらすじで「謎の女性リナが来たことで彼らの人生が変わっていく」
と書かれていたけどその後はリナも島になじんで穏やかだったから
そんなに変わっていないじゃんって思ったけど
結果的にはリナが島に来たことをきっかけに確かに鉄平や朝子の人生は変わってしまった。
結局リナが追われていた理由やあの大金がなんだったのかを不明のまま。
鹿乃子・和馬姉弟と澤田はもしかしたら幼馴染みとして
一緒に端島で育ったかもしれないと思うと感慨深い。
「幼馴染みになる子待ってます」と言っていたリナの子が
百合子朝子の子と一緒にいられなかったのが悲しいなぁ。
前回気になっていた謎を整理。
いづみは誰から鉄平のノートを受け取ったのか?
2018年の春に誰かが亡くなったのでは?
賢将が亡くなったのがきっかけでしたね。
鉄平のノートは端島に残されていたものをハルが持って出て、
佐世保に戻ってきた鉄平が持って行った。
なんでハルの元に残しておかなかったのか?新しいのだけ持っていればいいのでは?
鉄平は生きているのか?
鉄平が死んでノートを受け取ったと考えるのが自然だけど
それなら「(鉄平がどうしているか)知らない」とは言わないよね。
これは残念ながら。
玲央の父親(誠)はどういう運命をたどったのか?
リナと(もしかしたら鉄平と)島を出た後、里子に出されたとか?
玲央の母親も気になるなぁ。
これはそもそも誠が玲央の父親という説が間違っていた。
鹿乃子も端島生まれ?
和馬が端島で生まれたけど記憶がないなら鹿乃子は記憶あり?
閉山のときの写真には載っていなかったようだけど。
鹿乃子は端島のこと覚えていそうでしたけどね。
和馬も鹿乃子もいづみからは聞いていなんだろうな。
竹男はどこに?
いづみの弟である竹男は2018年でも生きている可能性は高いと思うけど。
これも悲しいことに先に亡くなっていた・・・。
澤田の正体?
個人的には澤田は端島と関連はないと思っているのですが、
10年前に「社長に拾われた」経緯は気になる。
澤田が誠だった。これはネットでもそういう説が出ていた気が。
いづみは秘書を雇うときに素性を調べなかったの?
この設定はちょっと違和感がありますね。
【総評】
脚本・演出・俳優陣すべて素晴らしかった。
でも良い話だったかというと、そうとも言い切れない。
ドラマってやっぱり見て良かったと思いたい。
ドラマなんてしょせんフィクションなんだから
登場人物の人生を悲しいとか切ないと感じることもない。
でもだからこそ、ドラマの中くらい夢を感じてもいいじゃないか。
鉄平は逃げ続ける人生の末に朝子と再会できた。
それが無理ならせめて朝子のために逃げていた。
せめて。
せめて長崎での余生に寄り添う人がいた。
それくらいの幸せを与えてもいいじゃないか。
コスモス畑を見ながら、その向こうに見える廃墟の島を見ながら
鉄平は何を想っていたのか。
どう想像しても悲しくてやりきれない。
『海に眠るダイヤモンド』
日曜21時~・TBS
脚本:野木亜紀子
出演:神木隆之介 斎藤工 杉咲花 池田エライザ 清水尋也 土屋太鳳 宮本信子
最終回は2時間スペシャル。
夫がいない時に落ち着いて見ようと思い最初はM-1を見ていたのですが、
風呂の中で見始めたら止まらなくなり、
「画面小さいな~字幕は物足りないな~」と思いながら視聴。
最後の40分はリビングのテレビで見ましたが、ラストシーンは夫の横で号泣。
選挙で1週お休みにならなければ全10話だった予定だったようで
TVerの配信版では前後編に分かれているしいくつかカットも追加され、
主題歌もエンドロールもきちんと2回流れたし、1話ずつの形になっていた。
ということで「第9・10話」の感想として書きます。
ちゃんとまとまらなさそうですが。
進平がいなくなり、一平も新しい着炭を見届けて亡くなってしまった。
残された主婦2人と子供を守るのは鉄平。
一平さんハルさんの夫婦は子どもを次々と亡くすというつらい体験を・・・。
そして秘密を分かち合っていた進平を失い、
誠の戸籍がないことで追い詰められ、弟である鉄平に助けを求める。
もちろん義理の姉と甥を助けるってこともあるけど、
やはり鉄平はどこまでも外勤なんだってことかな。
誠の戸籍をどうしたのか?という問題を
前週からひっぱったけどそこはそれほど重要ではなかったような。
進平と結婚できなかったんなら鉄平と籍を入れてということも無理だったんだし。
「端島で荒木栄子を名乗るわけにはいかない」って言っていたけど
そもそも草笛リナが偽名なんだから荒木リナのままで問題ないよね。
正直、リナを追うヤクザとの対峙についてはもっとうまく立ち回れたんじゃないかとは思う。
「小鉄は高波の日にいなくなった」とかそれこそ炭鉱事故で死んだとか。
あと、あのヤクザもんはそもそもリナを追っていたのでは?
小鉄を殺されてそっちに狙いをシフトした?個人的恨み?
しかもあんな追われている状況で小舟に乗って逃げていたら
目撃した人は「駆け落ちだ!」って思うかな?
都合よく追手だけ見えなかったってことある?
端島を出てからの鉄平の人生がとにかく悲しかった。
ラストに晩年(1990年以降)の様子が語られたけど、
どれだけたくさんの人に囲まれて穏やかな余生だったとしても
大好きな端島を捨て25年も逃げ続け、
大好きな朝子に会えないままだったなんてつらすぎる。
あのコスモス越しの端島の風景を見ても、いや見たらなおさら
帰れなかった鉄平の悲しい人生を思って「なんとかならなかったのか」と思ってしまう。
【後日談】
本当に、この1点については時間が経っても納得ができなくて、
考えれば考えるほど落ち込んでしまう。ドラマなのに。
簡単に年表で整理。
1965年3月 鉄平・リナ・誠失踪
1966年5月 朝子結婚
1967年 鹿乃子誕生?
1968年 和馬誕生?
1975年 端島閉山
1980年頃 IKEGAYA創業
1990年 鉄平・野母崎に家を購入
2000年頃 百合子死去
2004年 リナ死去
2010年 鉄平死去
2018年春 賢将死去
鉄平失踪から1年で結婚してからが怒涛だな。
1973年、端島の閉山が決まると鉄平が賢将に連絡を取り2人は再会。
その頃には鹿乃子も和馬も生まれている。
もう戻っても、あの頃の朝子はいない。
「朝子に言えないことを増やすのはかわいそう」は
朝子に対して「かわいそう」かと思ったのですが
よく考えたら「百合子が朝子に言えないこと」なんですね。
百合子は朝子に言えないことをすでに抱えている。
これ以上増やして百合子に負担をかけたくないという優しさ。
玲央は賢将の息子に「元気ですよね」って確認したり
百合子が20年前に亡くなったと聞いて複雑な表情をしているところから
百合子が被曝者だって知っているっぽい。ということはいづみも知っている。
これは鉄平のノートで玲央と同じタイミングで知ったんだよね。
でもその原因の一端を自分が担っていたということまでは知らない?
賢将の息子は玲央の質問に怪訝そうな顔をしていたから
もしかしたら母が被曝者だったと知らないのかな?
最後にいづみが見た幻で朝子は鉄平にプロポーズされる。
あれは本当ならば「あの夜」に聞くはずだった言葉。
百合子たちの子どもと一緒にまだ幼い竹男がいたり、
その頃にはもういないはずの進平がいる光景には温かい気持ちになるけど、
そこに虎次郎がいるのが複雑なんだよな~。
いづみは虎次郎にも愛情がありそうだけど、鉄平への想いってやっぱり特別なんかね?
いづみの秘書としてずっと働いていた澤田が実は誠だった。
第1話のあらすじで「謎の女性リナが来たことで彼らの人生が変わっていく」
と書かれていたけどその後はリナも島になじんで穏やかだったから
そんなに変わっていないじゃんって思ったけど
結果的にはリナが島に来たことをきっかけに確かに鉄平や朝子の人生は変わってしまった。
結局リナが追われていた理由やあの大金がなんだったのかを不明のまま。
鹿乃子・和馬姉弟と澤田はもしかしたら幼馴染みとして
一緒に端島で育ったかもしれないと思うと感慨深い。
「幼馴染みになる子待ってます」と言っていたリナの子が
百合子朝子の子と一緒にいられなかったのが悲しいなぁ。
前回気になっていた謎を整理。
いづみは誰から鉄平のノートを受け取ったのか?
2018年の春に誰かが亡くなったのでは?
賢将が亡くなったのがきっかけでしたね。
鉄平のノートは端島に残されていたものをハルが持って出て、
佐世保に戻ってきた鉄平が持って行った。
なんでハルの元に残しておかなかったのか?新しいのだけ持っていればいいのでは?
鉄平は生きているのか?
鉄平が死んでノートを受け取ったと考えるのが自然だけど
それなら「(鉄平がどうしているか)知らない」とは言わないよね。
これは残念ながら。
玲央の父親(誠)はどういう運命をたどったのか?
リナと(もしかしたら鉄平と)島を出た後、里子に出されたとか?
玲央の母親も気になるなぁ。
これはそもそも誠が玲央の父親という説が間違っていた。
鹿乃子も端島生まれ?
和馬が端島で生まれたけど記憶がないなら鹿乃子は記憶あり?
閉山のときの写真には載っていなかったようだけど。
鹿乃子は端島のこと覚えていそうでしたけどね。
和馬も鹿乃子もいづみからは聞いていなんだろうな。
竹男はどこに?
いづみの弟である竹男は2018年でも生きている可能性は高いと思うけど。
これも悲しいことに先に亡くなっていた・・・。
澤田の正体?
個人的には澤田は端島と関連はないと思っているのですが、
10年前に「社長に拾われた」経緯は気になる。
澤田が誠だった。これはネットでもそういう説が出ていた気が。
いづみは秘書を雇うときに素性を調べなかったの?
この設定はちょっと違和感がありますね。
【総評】
脚本・演出・俳優陣すべて素晴らしかった。
でも良い話だったかというと、そうとも言い切れない。
ドラマってやっぱり見て良かったと思いたい。
ドラマなんてしょせんフィクションなんだから
登場人物の人生を悲しいとか切ないと感じることもない。
でもだからこそ、ドラマの中くらい夢を感じてもいいじゃないか。
鉄平は逃げ続ける人生の末に朝子と再会できた。
それが無理ならせめて朝子のために逃げていた。
せめて。
せめて長崎での余生に寄り添う人がいた。
それくらいの幸せを与えてもいいじゃないか。
コスモス畑を見ながら、その向こうに見える廃墟の島を見ながら
鉄平は何を想っていたのか。
どう想像しても悲しくてやりきれない。