Lost And Found

人生失くしたもの・・みつけたもの・・

突然の体調異常。僕はトラックを降りた。

2021-06-03 09:12:02 | 僕がヤマトでウツになったワケ

耳鳴りがする、テレビやラジオ、音楽を聴くのがつらい、文字を読んでも入ってこない、

体はだるく、休日は何もする気が起きない、ベッドで寝てるだけ。

部屋は片づける気がおきない、風呂入るのも自分にとっては大仕事、

そんな状態が数か月続いた。

 

夢にまで仕事が出てくる。

仕事でミスする夢。

休日にも職場から仕事がらみの電話がかかってくる。

もういっぱいいっぱいだった。

 

そしてまた夜明けがやってきた・・。

寝た気がしない。疲れが取れていない。

朝を迎えると毎回死刑宣告を受けてるような気分。

ああ・・また朝が来てしまった・・・

 

僕は車に乗り込むと出勤中のルーティーンであるいつもの呪文をずっと唱えていた。

 

「今日も何事もなく過ごせますように、ミスしませんように」

 

これを職場に着くまでの30分間、何度も、何度も、唱えていた。

不安からタバコが止まらない。ここ最近一日に2箱吸う勢い。

その日は職場に近づくにつれ、手足のしびれ、めまい、耳鳴りがどんどん酷くなっていった。

 

こんなのは初めてだ。

 

職場駐車場に到着し、車を降りると足が地に着いた気がしなくて、

なんだかふわふわして、めまいがして、

それでも無意識に足は職場に向かおうとしていた。

 

トラック搬入口に到着すると、

同僚達は普段と変わらず、慌ただしく出庫の準備をしていたが、

その時、自分の症状が一番ひどい状態になった。

 

足取りもおぼつかないまま仕事を始めようとしたが、

めまいがあまりにも酷く、このままでは運転に支障が出るとまずい、

この先10時間以上もハンドルを握り、仕事に耐えられる気がしない・・

そう思った。

僕は喫煙所で談笑する支店長の所にやっとの思いでたどり着いた。

支店長のそばには本部からのスーツ組のデブのお偉いさんもいた。

 

「あのう、すいません・・めまいが酷いんです・・僕を下ろしてください。」

 

そんな私を彼らはめんどくさそうに扱い、

支店長は困った顔をして手に持った吸いかけの煙草をやけくそ気味に灰皿に擦り付け、

僕の具合を確認するとおもむろにポケットから携帯を取り出した。

公休中の代替要員に電話しているようだった。

彼には私の体調なんかどうでもよく、

一日の業務に穴をあけず遂行する事しか頭にないようだ。

大丈夫か?と聞く支店長の言葉は事務的で、

支店長以外の同僚達も誰も僕の体調を気にかけてくれる人はいない。

 

僕はその場で支店長の指示で、受診と帰宅、結果の報告を命じられた。

僕はふらふらになりながらもその足ですぐに行きつけの精神科に飛び込んだ。

精神科に着くと、先ほどのめまいは幾分弱まっていた。

こんな症状は初めてだった。

 

医者にこの変わった症状を告げると、休職を勧められ、薬を処方、家で休養をとるように勧められた。

医者は病名を告げてくれなかった。

帰り際、偶然支払い時に見てしまった自分のカルテにははっきりと、

 

「適応障害、鬱状態」

 

と書かれてあった。

 

そこでようやく自分の状態を把握した。

これまでの全てのことがつながった気がした。

 

後日医者に一か月の休養を要する内容の診断書を書いてもらい、

それと同時に休職願いも家族と一緒に会社へ提出しに行ったと記憶している。

 

妻に連れられて職場を去る僕。

負け犬・・。

みんなは普通に働けているのにどうして自分だけ・・・

自分がダメ人間のように思えた。

 

今日からどうやって生活していけばいいんだろう・・?

そんなことを考える思考能力さえなかった。

妻には生活の不安を与えたに違いない。

 

僕はその日からベッドから起きることも、

風呂に入ることも極端に難しくなった。

身の回りのことが自分でできず、いわゆるセルフネグレクト状態だった。

食に興味もわかず、味もわからず、

花が綺麗とも感じず、

季節が、そして今が何月何日なのかさえどうでもよくなった。

テレビやラジオ、音楽さえすべて騒音になった。

文字も読めなくなった。

好きだったギターもインターネットもゲームも興味がなくなった。

当然子供の遊びのお誘いも応えて上げられない状態。

僕はこの日から文字通り「生きる屍」になってしまった。

 

 


ドライバーのある一日 (午後編)

2021-05-17 18:03:47 | 僕がヤマトでウツになったワケ

12:50


ヤマトにはトラックがある時間までに一斉にセンターに戻ってきて、

一斉に休憩を強要する謎ルールがある。

たとえ配達の荷物がたくさん残されていても、だ。

端末の「休憩」ボタンを押し、それを運行管理者に見せ、休憩を告げる。

その間、全く荷物に手を付けてはならない。

段取りを組んでもいけない。

端末の休憩は60分経つまで解除できない。

気持ちが焦る。

僕はルールに無視して午後の段取り、

昼から届いた荷物のトラックへの積載を支店長に見つからないようにコッソリ始めた。

そうでないと後で困るのは他でもない、自分だからだ。

 

13:50


とりあえず午後から配達すべき荷物である14~16時、16~18時までの荷物を積み込んだ。

午前中に積んだ指定なしの荷物60個と合わせて90個ほどになった。

加えて午後は18時までに定時の集荷場所を複数訪問しなければならない。

出発。

 

14:20


業務端末にクレームが入る。

「在宅していたのに不在票を入れられていたとお怒り。折電希望。現在ご在宅」

またタイムロス。車を路肩に止めて上記顧客に電話する。

チャイムの無い家である上、会社からは引き戸を何度もノックする行為や

勝手に開けて声掛けする行為は禁止されていることを説明し、

外から声掛けしたことを説明するが、

「じゃあなんで伝票に記載されている番号に電話しなかった?」

と問われ、答えに困る。

たしかにもっともだ・・。

しかし僕にはその考えに至る余裕がなかったんだよ!!

 

ていうか、チャイムぐらいつけてくれよ!!

チャイム無が普通みたいな態度で正論言われても納得いかないんだよ!!

 

15:00


定時集荷1件目到着。保険外交員事務所。お姉さんの胸チラ。癒される。

引き続き同時に配達もこなす。

 

16:00


定時集荷3件目到着。たくさんの集荷すべき荷物が山積みになっている。

一つ一つ三辺を図り、現地で発送の入力を行う・・

そこにこの時間帯から次から次へと再配達の依頼が携帯にかかってくる。

仕事の手を止められる。

お客はこっちの都合はお構いなしで再配達時間を一方的に告げてくる。

 

17:30


遅くても16:30までに定時の集荷に入らなければいけなかった

今にもつぶれそうなひなびた八百屋から

定時集荷の催促の電話がかかってくる。

八百屋「今日くるんですかー?どうなんですかー?(馬鹿にした言い方)」

俺「すいません、いろいろあって遅れてて・・今向かうところで」

八百屋「んなことどーでもいいんだよ!(怒)早く来やがれ!!この野郎!!(怒)」

 

なぜそこまで言われなければいけないのか?????

 

集荷と同時に配達をこなすドライバーのことなどまったくわかっていないのだろう。

いたわる気持ちも、察する気持ちも、やさしい言葉がけも・・ない。

あるのは自分のことだけだ。

やり場のない怒りと虚しさと悲しさでいっぱいになった・・。

 

そこに業務端末のメールが鳴った。

「DM便配達の委託の方の荷物の誤投函発生。引き上げ願う。」

ただでさえ時間がないというのに・・・・・

 

鳴りやまない再配達依頼の電話とメール。

いちいち手を止められる・・・。

ストレス。

 

17:40


定時集荷と依頼のあった再配達と時間指定の荷物を配達しつつ、指定なしの荷物にも気を配り、

ルート上で配達できるようであれば配達をこなしていたら18時までに20分前となってしまった。

18時からは18~20時、19~21時の荷物を早く積んで出発したかったのに・・。

19時にはセンターに10トントラックが来て、ドライバーが集荷した荷物をすべてを引き上げに来る。

最悪その時間までに集荷を終わらせないと・・・

自分自身で集配ベースまで車を走らせないといけなくなる・・その距離往復30キロ。

それだけは避けたい。

 

18:40


18時までの時間指定の荷物をすべて配達し、定時集荷場所をすべて周り集荷、

センターに戻ってきた。この時点での労働時間、すでに9時間40分。

これから集荷してきた荷物を下ろして仕分けし、

18~20時の荷物、19~21時の荷物を持ち出し入力後積載しなければならない。

上記2時間帯の荷物の総数45個・・。

再配達依頼のあった荷物と依頼がなかったけれど不在だった荷物の総数を合わせると・・・

考えたくもない・・・・・。

じゃんじゃんかかる再配達依頼の電話と業務端末のメール。

なぜなら再配達依頼の締め切り時間は19時だからだ。

いちいち手を止められる。

 

19:15


急いで積み込んだがこの時間になってしまった。

18~20時時間指定の荷物の時間制限はあと45分しかない・・。

会社ルールも守りつつ配達・・てか、こんなの物理的にムリだろ・・・・。

19時過ぎたら再配達依頼の電話やメールが鳴らないのが助かる・・。

20:00


20時までの時間指定の荷物が複数残ってしまった・・

19~の時間指定の荷物の配達時間もすでに始まっている。

とにかく20時まで配達の荷物の消化を急ぐ。

遅れた配達先には一軒一軒謝罪する。

大体は「いいですよ」と言ってくれるが、

中には明らかに不満そうな客もいる。

 

荷物はロボットが運んでいるのではないんです。

たくさんの人間がかかわり、

ドライバーがひとつひとつ運んでいるんです。

時間を守ることは努力義務ではありますが、

様々な条件がかさなり遅れることもあります。

安全にも留意して配達もせねばなりません。

吹雪の日も土砂降りの日も、ずぶぬれになって運んでいます。

そこをお察しの上、

そんなに大切な荷物なのであれば、

日に余裕をもって荷物を用意してください。

そしてそんなドライバー、このコロナ禍で働くドライバーに温かく接してください。

お願いです。

 

21:00


荷物はまだ残っています。この時点で勤務時間12時間。

再配達依頼の無かった家々でも軒先に明かりが灯っている家に立ち寄り

明日に荷物を持ち越さないようにする。

明日の荷物の数がそれだけ増えるからだ。

 

21:20


他コースの同僚から状況を心配する電話がかかってくる。

この先輩はAさんという中堅のいい先輩。

それをしてくれるだけでも。

他の連中は自分の仕事が終わるとサッサと家路についている。

 

A先輩が手分けして荷物を配達してくれるとのこと。

感謝しかない。指定した場所で落ち合うことに。

 

21:30


指定場所に到着すると、すでにA先輩は待っていた。

20個残った荷物を10個ずつ手分けして配達することになった。

A先輩は荷物をもって夜の闇に消えていった。

うれしかった・・。

 

22:00


軽油がないので給油したのちにセンターにようやく帰庫。

A先輩は既に退勤していた。

22:30までに退勤を打刻するように支店長に言われる。

残った荷物を車から降ろし所定の位置に戻し、

車内の清掃後、集金してきた現金の集計。

どうしても数千円足りないことに気づく・・。

このままでは業務端末をログオフすることもできず、

一日の業務報告書を提出することも、帰宅することもできない・・

疲弊した頭で一日を最初から振り返るが、

どこでどう釣銭を間違ったのか、まったくわからない・・。

嫌な汗がでる・・。

もう自腹を切るしか手段がない・・。

自分の財布から入金機に投入し事なきを得るが、

この瞬間、心身ともにドッと疲れが襲ってきた・・。

一日の達成感はなく、残るのはただ言い表せない澱んだ感情。

自責の念。

どこでどう間違えたのか?止まらない思考。

 

22:30


退勤。

とりあえずは今日一日事故を起こさないで帰れたことに胸をなでおろす。

業務から解放された安心感。

しかし8時間後にはまた同じような一日が待っている・・。

それをできるだけ考えないように家路に向かう。

23時に帰宅できるとして、それから風呂、夕飯・・。自分の時間など皆無。

寝て、次の日の仕事に備える毎日。

 

こんなことを2年続けたある日、僕の体調に異変が起こり始めました。

 

 


ドライバーのある一日 (午前編)

2020-10-21 08:25:00 | 僕がヤマトでウツになったワケ

6:30 (起床)


仕事の夢から目が覚める。

時間に追われる夢だ。

眠り浅い。ベッドから仕方なく出る。

体が重い。憂鬱。吐き気、めまいがする。

 

7:30 (自宅を出る)


吐き気とめまいが止まらない。

今日の荷物は少ないことを祈り自宅を出る。

トラブル無く、スムーズにいくよう、

"呪文"を唱えながら会社に向かう。

会社に近づくにつれて不安は大きくなる。

 

8:00  (出勤)


出勤すると朝のアルバイトさん達が

トラックに午前中及び時間指定無の配達の荷物の

仕分け・積み込み・持ち出しの端末入力の作業途中。

悪い予感が的中した。

その荷物量を見てまた吐き気がする。

気持ちばかりが焦る。

 

打刻をし、少しでも早く出発できるよう、アルバイトと一緒に作業する。

ここで荷物の持ち出し入力漏れ、持っていくべき荷物の積載忘れなどしたら致命的だ。

荷物を探しにセンターに取りに戻る時間がロスとなり、

一日の仕事に影響を及ぼすので非常に気が張る。

脳の回転はこの時点で既に120%。

この緊張が帰庫するまで続く。

 

8:30 (朝礼)


作業がまだまだ終わっていないのに朝礼に呼び出される。

ヤマト体操なるラジオ体操第一のパクリをやった後、

当番が今日の意気込みを発表し、

全員で社訓、安全喚呼、誓いの言葉を唱和する。

今日は自分が当番。憂鬱。

意気込みなんてねーよ。何しゃべろう?

さらに悪いことに、今朝は主管から妊娠したかのような腹の出たお偉いさんが、

"ありがたい"話をしに朝礼に顔を出すそうだ。

しかも話がクソ長い。1分でも早く出発したいのに。

この時間がとてもムダだ。

この忙しいのに「お褒めの言葉」をもらってこい、だとよ。

客がSDを評価するアンケート用紙の事だ。

これをできれば全軒に配れだと。

荷物だけでも多いのに仕事増やしやがって、アホかと。

 

8:45 (運航前点検)


トラックの点検。法で定められた全ての点検事項を確認する。

慌ただしい朝のこの短時間で異常を発見できなければ、

事故や業務の遅れ、クレームや会社からの叱責に繋がってしまう。

(過去、オイル不足を見逃した為エンジンブロー、会社から叱責、始末書、乗務停止を受けた社員も。)

当然のことながら、当日にウインカーランプ一つ切れていても出発できない。

 

8:50 (出発前の準備)


まだ積んでなかった冷凍・冷蔵の荷物、メール等の小物類を仕分けて積み込む。

総数を端末で確認すると、今日の午前中及び時間指定無の配達の荷物の持ち出しは150個程あった・・。

 

この時点で一度出発したらセンターに取りに戻らなくて済むように

軒先で客が要求するであろう各種伝票や、業務に必要な感熱プリンター用紙、

本日の集荷指示書、1万円分の釣銭、また客からの資材・物販商品の注文状況を確認し、間違いなく積み込む。

そうしないと突発的な集配の依頼にも遅れが出てしまい、

今日一日の全ての仕事が遅れてしまいクレームにつながる。

 

はぁ・・今日は配達だけでなく、個人の集荷依頼も多い・・。

会社は交通法規も配達品質も守れと言うけれど、

両方守るなんて明らかに無理と分かる仕事量だ・・。

 

8:55 (出発前点呼)


アルコールチェック、免許証チェック、体調チェック、運航前点検表のチェックを受けて出発。

出発前に忘れ物がないかもう一度よくチェックする。

 

9:00 (出発)


ドラレコ、デジタルタコグラフ起動。

この時点から帰庫するまで一切の言動・運転・位置が記録、監視される。

ドラレコはドライバーを守るために付いているという支店長の説明だが、

体のいい言い訳である。

ドライバーを監視する赤外線カメラが助手席Aピラーに、マイクがステアリング付近についている。

現在位置もGPSで一目瞭然。

正直気持ち悪い。

担当区域に向けてようやく出発。

 

9:15 (配達開始)


一軒目の配達。1150円の着払いの荷物に対し、客は臆せず1万円札を放り渡した。

8850円もの釣り銭が初っ端から消えてしまう。

一軒目でそれは困ると言ったが、

「ダメなんですか!?」と客は不機嫌そうに言う。

ここでダメだというとまたクレームを入れられるに違いない。

仕方なく受け取り、持ってきた釣銭を全て渡す。

用意してきた釣銭は意味をなさなくなってしまった・・。

最悪。

コンビニで何かを自腹で買って崩すか、センターに戻らねば。

 

今日はこのあとタイム(午前10時指定)の荷物の配達が待っている。

この荷物だけは別途料金をもらっているサービスの為、遅延配達は許されない。

何があっても荷物は優先してその時間までに届けなければならず、

達成できなければ成績として残り、当然叱責が待っている。

しかも最悪なことに配達場所は配達ルートの一番奥だ・・

予定変更。ルートを組みなおす。

 

9:30


トラックから降りて配達中は常に小走り。

どんなに仕事量が多くても毎回シートベルトを脱着。

事故防止のためバックは厳禁。

裏通りでは交差点ごとにサイドブレーキで完全停止。と同時に指さし安全喚呼。

停車時は毎回ハンドル左切、ギア入れ、サイドブレーキ、鍵抜き、輪留め必須。

トラックは基本配達中左折しか許されないヤマトの謎ルール。

こんなんじゃ指定時間なんて守れるわけないじゃん・・。

 

ああ・・この家も不在かよ・・一軒でも荷物減らしたいのに今日は荷物の持ち戻りが多いな。

不在票発行に大切な時間を消費。

タイムに遅れるかも、と焦り。

スピードが法定速度を上回ったり、少しでも車体に縦振動があれば装置から警告がなる。

その一挙手一投足がタコグラフとドラレコに録画されている。

いちいちストレス。

 

9:58 


指定時間2分前にタイム配達のお宅にギリギリ到着。

正直ここにくるまで、仕事量からして安全確認は100%とまではいかなかった。

配達完了後即、その情報を入力する。

入力が10時回ると苦情、クレーム、ダメ出し、問い合わせ、ペナルティ、いろいろ面倒なことになる。

 

10:20


代金引換の荷物の配達に。家主は財布を取りに家の奥へ。

体感的に5分ほど戻ってこない。

5分でも大切な時間。

この後の配達に遅れそう・・。イライラする。

こんなことなら予め荷物の存在を電話しておけば良かった・・。

(代引きには事前の電話が必要。でもする時間がみつけられなかったんだよ・・)

配達すべき荷物の残り、まだ130個・・

 

10:45


指定時間に集荷依頼のあった個人宅に集荷へ。

配達の荷物も出来るだけ減らしたいのに・・・。

引っ越しの荷物らしく、大型の荷物が10個ほど軒先に見受けられる・・

マジかよ・・

 

当然一つずつ三辺測って計算。合計金額を現金でお客からもらう。

金額を間違えないように、何度も数えなおす。

不足があれば当然「自腹」だからだ。

 

トラックに積み込む。一つずつクソ重い。

が、・・・品名書いてないことに気づく・・・・

返却の可能性がある旨を説明し書いてもらう。

客が書いた品名、「雑貨」。

 

あのう・・雑貨ではなくて具体的に書いてください・・・

 

ああ時間ロス・・。

つか、まだ配達の荷物が120個ほどあるのに、集荷した荷物置く場所がねえよ!!!!!(怒)

 

11:10


荷台をふと見ると、さっき配達に行ったばかりのお宅の別の荷物発見!!

しかも午前中指定!!!!! 

今何時!?!?!? 11時10分じゃん!!!!

 

端末で検索するが端末に登録されていない荷物だった。

無断持ち出し・・。

あーまた俺の無断持ち出しの成績が下がっちまった・・

もしやまたアルバイトさんが持ち出し入力を忘れたか・・・

アルバイトさんだし責めるわけにもいかない。

あーーまた配達に行かないと・・二度手間じゃん・・・(焦り)

 

荷物の残り、あと100個・・。

作戦を変更し、時間指定なしの荷物は無視。

午前中指定の荷物だけを配達するプランに変更するがすでに時遅し。

午前指定の荷物、全て午前中に配れそうにない。確定・・

 

11:30


不在票見た客から電話。車を路肩に止める。

荷物を配達指定先から「実家」がある場所に「転送」してほしいとのこと。

指定時間と住所を書き留める。また一つ面倒な仕事が増えた・・。

荷物の残り、あと85個。

 

11:45


客から集荷依頼の電話。荷物1個あるから取りに来てくれとのこと。

1時には外出するからそれまでに来てくれと・・。

客はこちらの状況などお構いなしだ。

 

12:00


とうとう12時を迎え、午前中指定の荷物が10個、それ以外が60個残った。

60個は仕方なく午後にしわ寄せになるとして、残り10個の午前指定の荷物の配達を急ぐ。

どんな事情であれ、時間の遅れは会社に記録として残る。

 

12:15


サービスセンターから荷物の問い合わせの電話。

路肩に車を止める。

午前中配達指定の荷物がまだ届いていないとの客からの問い合わせあり。

焦燥感でいっぱい。

タイムロス。

 

12:30


事情を説明して午前中指定最後の荷物の配達へ。

遅れを詫びるが、家主は怒り心頭。

時間指定お届けは「サービスの一環」であり、絶対ではないことを説明しても逆上するであろうから、

とにかく謝るが、謝れば謝るほど家主の怒りは増長する。

しまいには、「荷物は受け取らない」「責任者を電話に出せ!」と怒鳴る。

土下座を要求し、損害を弁償しろとゴネはじめた。

責任者と電話で話をした客は荷物を受け取り一件落着したかのように見えたが、

怒りが収まらない客は、のちにサービスセンターに苦情を入れた。

 

「ドライバーの態度が悪い」

 

その情報は県下の全ドライバーに即メールで共有された。

まるですべてが事実かのように誇張された内容。

しかし身に覚えがない。

ストレスが襲う。

メールを見た上司から携帯に事実確認の電話が入る。

疑惑の目が向けられる。

どれだけ説明しても言い訳になってしまう。

 

荷物の残りは60個。

もう午後1時。

センターには午後配達指定の荷物が残されており、

また追加の荷物が2便で10トントラックで到着しているころ・・。

 

あーーー配達もそこそこに午後配達の荷物を積みにセンターに帰らないと・・・。

今日もまた休憩はとれそうもない。

今日の仕事量を考えたら、休憩したことにして仕事を続けないと難しそうだ・・。

 

 

 


面談という名の取り調べ、自白強要

2020-08-25 11:22:16 | 僕がヤマトでウツになったワケ

当時を思い出してこのように書き記すことは

フラッシュバックのため非常にストレスですが・・・

少しずつ更新していきます。

よろしくお願いします。

 

前エントリーからの続き

 

顛末書を持参し、主管へ支店長と二人で面談に行くことになりました。

会議室で二人で待っていると、サービス担当のお偉いさんと主管支店長がやってきました。

彼らは僕らの前に対面で座りました。

4者面談です。

 

まずサービス担当に事実関係を読み上げられ、確認されます。

僕はやっていないことはやっていない、とやんわりと訴えました。

まるで取り調べのようです。

 

サービス担当が一通り言いたいことを言ったあと、

発言は主管支店長の番に移りました。

主管支店長は手元の顛末書コピーに目をやりながら、手にはペン。

何かを書いています。

クレームを鵜呑みにした主管支店長は

僕の言い分にも目もくれず、

まず僕がかけているメガネを攻撃しはじめました。

 

そのメガネが客に威圧感を与えているんじゃないか?

次回からは普通の黒いメガネにしたらどうだ?

 

それからサービスセンターでの僕の評判に話が移りました。

 

君は問題児のようだね。

コールセンターのみんながそう言ってるよ

 

これまでの誤解を含んだクレーム、誇張されたクレームを元に

僕に対する攻撃が始まりました。

僕は針のむしろの中、僕は悔しさ、悲しさ、怒り、

フリーランスの頃には感じることのなかった情けなさ

といったの混ざり合った感情で頭の中がごちゃごちゃになっていました。

 

もうその頃には主管支店長とサービス担当も僕の主張が事実かどうかはもはやどうでもよく、

客のクレームを全て事実として認めれば現場復帰させてやろう、

という雰囲気に向かっていました。

私の横に座る支店長も、「それで一つよろしくお願いします。」

といった様子になっていました。

 

僕には生活がありましたので、そのような弱い立場の中、

悔しいですが、半ばそれを認める形で「手打ち」となりました。

 

この時、

ある意味冤罪ってこんな風に生まれているのかもしれないなあ・・・・

と変に感心しました。

 

僕はこの件で仕事が、客が、会社が完全に嫌いになりました。

新人として意欲に燃えていた影はすでにどこにもありません。

客や仕事に対しても委縮するようになり、

生活のため、嫌なことには目を瞑り、感情を押し殺し、

言われたことだけをやるようにしました。

もはや僕には喜びを表現する気力も理由もなく、

怒りや悲しみを表す気力も残されていない

ただの生きる屍でした。

 


あることないことチクる客

2020-08-25 10:43:33 | 僕がヤマトでウツになったワケ

代金引換の場合は、ドライバーが配達直前に事前電話することが会社での決まりですが、

それを怠ってしまったことで、あることないことチクられたお話です。

 

そのお宅の軒先に到着し、チャイムを鳴らし、在宅を確認し、

ドアを開けたところで玄関先にヤマトの安全靴があることに気づきました。

そのお宅はどうも旦那がヤマト関係者のようです。

僕は急に親近感が沸き、在宅の女性に自然と笑顔で応対したのを覚えています。

 

その事も忘れていた数日後・・。

サービスセンターからクレームのFAXが届きました。

 

「xxというドライバーはチャイムも鳴らさず、

急にドアを開け、

不愛想にお釣りを受け取って帰っていった。

そもそも事前連絡が必須なのではないか?」

 

という内容を長々と怒りを込めて書き連ねた文章でした。

それを見た支店長は僕に事実確認。

 

クレーム内容を聞いた僕は唖然としました。

 

話を聞いてみると、その女性は奥さんで元ヤマトのパート。

この辺でも有名なクレーマーなんだそうです。

 

僕は事前連絡をしなかったことを認めたうえで、

その他の行為はしていないことを声を上げて訴えましたが、

客のクレームにより疑惑が残る結果となり、

顛末書持参の上、主管での主管支店長との面談となりました。

 

顛末書には反省の上、

やっていないことに関しては納得いかないと訴えましたが、

書き直しさせられることとなりました。

僕は支店長の言葉に渋々応じ、言われた通り次のように文章を締めくくりました。

 

「お客様の言葉を真摯に受け止め、今後サービス向上に努めます。」

 

何か釈然としないものが残りました。

後日僕はそれを持って支店長と主管へ面談に行くこととなりました。

 

自分が蒔いた種とはいえ、そこでの扱いは酷いものでした。

そのお話はまた次のエントリーで。