Lost And Found

人生失くしたもの・・みつけたもの・・

恫喝する得意客

2020-05-17 09:11:17 | 僕がヤマトでウツになったワケ

ドライバーはただ単に記載された場所へ荷物を配達する単純な仕事をしているわけではなく、

集荷といったような業務も同時に行っているのを知っていますか?

集荷には個人が単発で依頼してくる「個人集荷」と、

得意先を定時に集荷に伺う「定時集荷」があります。

これは後者の話です。

 

ドライバーになってまだ間もないころ、

上司にも、

 

「毎回メジャーを使い、正しいサイズで荷受けしてくるように」

 

と言われていたので、新人の僕はその言いつけを守って集荷していました。

 

あるお得意先に定時集荷に行ったとき、

一見140サイズはあろうかというクールの荷物が置いてありました。

サイズを測ると120サイズ。

しかも140サイズ寄りの120でした。

このお店は毎回現金での支払いなので、その金額を告げに行くと・・

 

「ぁあん!?なんでその金額になるんだ!?

なんでお前が測ると高いんだ!?

お前の前任者達は

皆xxx円(100サイズ)だぞ!!」

 

大きな声を張り上げて恫喝してきます。

上司に言われたまま正しいサイズを測っただけなのに。

 

「いや、でも120サイズだったので・・」

 

僕がそう言っても大きな声を張り上げ恫喝を続けます。

すると客は、

 

「(激怒して)わかった、お前の上司と話する。」

 

口角泡を飛ばし、怒りに震えた手で

客はその場でセンターに電話をかけ始めました。

話が終わると、折り返し上司から僕の携帯が鳴りました。

上司いわく、

 

「今日のところは100サイズでとってこい」

 

俺:(呆れ)

 

これでは料金サイズをめぐって客と口論した自分の努力が台無しです。

 

どうやらこの店では前任者たちは恫喝を恐れ、

(どんなサイズのものが出ようと)慣例的に100サイズ集荷を続けてきたようです。

 

僕は毎日その客のところに定時集荷に行くのが精神的に辛くなっていきました。

それでも僕は正しい料金をその客に求め続けた結果、

根負けしその料金を払ってくれるようになりました。

しかし客との仲は悪いまま、です。

挨拶しても無視されます。

 

ヤマトはいつもこうです。

客を恐れ、客の顔色ばかりをうかがい、客の言い分ばかりを尊重し、ドライバーを守らない。

その態度が客をモンスターにし、カスハラを許すんじゃないでしょうか?

 

このようなどんぶり勘定が全国的、慣例的に行われてきたツケが表れたのかわかりませんが、

この年のヤマトの会社決算が赤字。

 

そりゃそうですよね(呆れ)

 

これに慌ててか、

その後すべてのドライバーはプライシング(契約顧客の契約価格の見直し)を急がされ、

値上げ交渉に行かされることになりました。

結局尻を拭かされるのは末端のドライバーです。

 

事なかれ主義。

僕はこの後、これがヤマトのあちこちで見られる病であることを認識することになります。