Lost And Found

人生失くしたもの・・みつけたもの・・

はじめてのカウンセリング

2020-06-15 14:06:22 | 僕がヤマトでウツになったワケ

初めてのカウンセリングに行きました。

カウンセラーは女性で、ゆっくり温厚に話し、

僕の話をよく聞いてくれました。

 

カウンセラーはヤマトドライバーの過酷さや、

従業員に対する会社の対応を知っており、

同情していました。

おそらく他の患者にも似たようなヤマトの人がいたのかもしれないですね。

 

僕はドライバーの仕事をするようになってから、

仕事中の焦燥感、ネガティブ思考のループ、

帰宅後何も手につかないこと、

入眠障害、興味の消失、過眠、アルコール飲酒の増加、

テレビ・ラジオ・音楽が情報過多で騒音に感じられること、

文字を読むのが辛いこと、

子供と遊んでやれなくなったこと、

外出が嫌いになったこと、

喜怒哀楽がすべて平坦になったこと、

性的欲求がなくなったこと、

始めて誰かに打ち明けることができました。

 

(というのも嫁は僕の愚痴を聞きたがりません。

あたかも自分が体験しているかのようで気分が悪くなる、というのです。)

 

その状態をカウンセラーがこう言いました。

 

僕の心は弱っている、と。

例えるなら心の「バッテリー状態」が健康な人であれば100%の気力を充電できるところ、

ほとんど充電できずに出勤、

休日も気晴らしを行うことでプライベートが充実し、

充電できるはずのものを

それを行えるほど気力が残っておらず、

仕事を続けているため起こっている心理状態なのだということでした。

少しずつなおしていきましょうということでした。

 

この仕事を続けなければいけないことでストレスは続くわけですし、

話すことで治るとも思っていませんでしたが、

当時僕はわらをもつかむ思いでした。

 

 

一番心に残っているのは、

 

『今は「プーさん」の「何もしないをする」をしてくださいね』

 

という言葉。

 

何もしないことをする。

何もしていない・できない休日の自分を思い責めなくていい、ってこと。

今は無意識に心と体がそれを求めているのだからそれをしてください、

ということでした。

その言葉に救われました。

いろいろな思考方法や呼吸法も習いました。

 

しかしそれから一年後。

あることをきっかけにとうとう「バッテリー切れ」の日が突然やってきました。

そのお話はまた別のエントリーで。

 

 

 

 

 

 

 

 


デパスとアビリット

2020-06-15 11:16:34 | 僕がヤマトでウツになったワケ

ドライバー一年。

僕は運転業務中の焦燥感&ネガティブ思考の連鎖、

入眠障害というトラブルを抱えていました。

医者は前者の症状に対応するためアビリット(別名ドグマチール・スルピリド)を、

後者のためにデパス(エチゾラム)を処方してくれました。

医者は症状を問診し処方するだけで、

カウンセリングはまた別日にカウンセラーが行うこととなりました。

医者は僕の病名を告げようとはしません。

ちらっと見えた僕のカルテには、

「うつ状態 適応障害」と書いてあるのが見えました。

 

あー、僕は鬱状態だったんだな・・

 

初めて自分を客観視できた瞬間です。

 

「うつ状態」・・調べてみると、

「うつ病」とは異なり、

うつ状態たらしめている外的要因から離れれば

比較的短期間に精神的安定を取り戻すことができる精神状態だそうです。

 

かといっても生活のため、

しかもこの年齢ではこの仕事を続けていくしかありません。

僕は次の日から服薬しながら仕事することにしました。

 

同僚・上司には運転業務である以上服薬していることは口が裂けても言えません。

飯のタネを失うことにもなりかねないため、

嫁にも口止めされました。

よって精神的に危ういことも仕事仲間には一切相談できませんでした。

 

アビリットを飲んで運転業務をすると、

劇的な効果は見られませんでしたが、

いくぶんネガティブ思考の連鎖から気を紛れさすことができ、

業務だけに集中できるような「気」がしました。

だがその程度でした。

 

一方デパスの効果は絶大でした。

気持ちが穏やかになり、体中の筋肉の緊張がほぐれ、

ストレスでフル回転している頭を休めることができました。

僕は悪夢を見ることはあっても、眠ることができるようになってきました。

 

当初は用法・容量を守っていた自分ですが、

運転業務中にどうしても焦燥感が止まらなくなると

最終的にはより効果のあるデパスを時々半分に割って

アビリットの代わりに飲むようになりました。

 

デパスは運転禁忌薬とまではいきませんが、

眠気や筋弛緩作用があり、

運転には適さない薬です。

それも分かっていました。

しかし僕にはほかに方法はありませんでした。

生活もかかっていますし、

そうでもしなければ仕事が続けられなかったのです。

 

あの頃、ピルケースの中のデパスは僕のお守りでした。

 

 

 

 


受付の大変さ

2020-06-15 10:12:28 | 僕がヤマトでウツになったワケ

普段ドライバーの大変さばかりを書いている僕ですが、

今日は、実は受付の皆さんも大変な思いをしているという話をします。

先日あった受付で働く友人Aの話です。

Aは物静かながらもあいさつは欠かさず、対応も丁寧な人です。

 

荷物の発送のために店舗を訪れたその客はカウンターで手書きの伝票を書き、

会計を終えました。

そこでAはさらによりスマートで、配送料が安くなり、

しかもこのコロナ禍の中、店舗滞在時間が短くなるという説明で

ネコピットという店舗端末を使用をよかれと勧めました。

 

するとひねくれたその客は、

 

「俺がコロナとでもいいたいの?」

 

といったそうです。

Aは慌ててそうではないことを説明して客はそのまま帰っていきましたが、

1時間後、その客は以下のようにサービスセンターに苦情、

そのFAXが店舗に流れてきたそうです。

 

応対した女性はあいさつもせず不愛想で、

自分をあたかもコロナ患者かのように扱った。

気分が悪い。

 

これは余りにも酷いし可哀相です。

Aは客によかれとおもって説明したのに、

客が勝手に悪い方に解釈して、

それをあたかも事実かのようにクレームするのですから。

 

クレームを受けたサービスセンターも事実上それを真に受ける傾向がありますし、

またひとつ残らず記録として残してます。

裏もとらずにデータとして残し、

それをなんかの機会に引っ張り出してきて会社で回覧させたりしているくらいですから。

そしたら読み手も、

 

「ひでえ受付だな」

 

ってなってしまいますよね・・。

 

会社としては客の言い分が絶対。

それにウソや誇張があっても信じます。

主管の支店長からしてそんな感じですから、

救いようがありません。

従業員の言い分は全く聞く耳は持たず、

客の評価ばかりを気にして

社員をかばう気はさらさらありません。

こんなんじゃ誰も愛社精神なんてないですよ。

実際みんなないです。

 

過去の経験上、

クレーマーは自己承認欲求から

嘘、誇大表現を使い、

自分の正しさを認めさせる傾向があります。

 

個人客は自分の肩書が相手に知られないことをいいことに、

言いたい放題、態度が横柄・横暴

頭のおかしい客が多いです。

 

これはたったの一例です。

ドライバーほどではないですが、

受付さんも苦労しているんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


荷物よりも軽いドライバーの人命

2020-06-11 06:08:29 | 僕がヤマトでウツになったワケ

最近コロナ禍で社員らに見舞金が出たことで

ネットではヤマトは従業員を大事にする会社というイメージもあるようですが、

僕はそうは思いません。

今日はそんなお話をしたいと思います。

 

ある夏の繁忙期、僕は冷凍冷蔵庫とエアコンの効きが悪い車を与えられました。

ヤマトではこのような場合、できるだけ修理をすることをせず

冷凍冷蔵庫にドライアイスを積載させて荷物を守り、

ドライバーには「窓からの風」で我慢させます。

 

なんででしょうね?

 

修理してほしいと訴えても、

「エアコンが効かない程度では修理に出しにくい。」、あるいは

「代車がない。」

と言われてしまいます。

 

いくら訴えていても修理してもらえず、とうとう夏の繁忙期を迎えてしまいました。

ヤマトではそういった車も珍しくなく、

過去には荷台の扉もろくに閉まらないものを使わされたこともありました。

 

経費削減だか古いものを大事に使う精神か何だか知りませんが、

ヤマトは商売道具であるトラックがおんぼろでクソばかりです。

そういった類のものをだましだまし使う。

それがヤマトの現状です。

 

とにかく、

その年の夏は記録的な暑さ。

窓から入ってくる外気はサウナのよう、ひとつも涼しくありません。

トラック車内は直射日光でハウス栽培小屋状態。

加えてエンジンが真下にあるので、常に熱源の上に座って運転している感じ。

それもあってか、エアコンを最強冷にしても生ぬるい温風が出ます。

 

仕事もしていないのに運転席に座っているだけで体力を奪います。

そんな中でもヤマトは帽子、重くて蒸れる安全靴、

首元のボタンをひとつたりともはずすことを許しません。

 

バカでしょ?

 

タオルを首からかける、ベルトからぶら下げるなどもってのほかです。

そして熱中症対策に、とクールネックバンダナを配布し、

OS-1をセンターに常備しているのです。

 

バカでしょ?

 

それなら最初からクーラー直せよ。

OS-1は不調を感じてから飲んでも遅いんだよ。

 

顔から一日中汗が玉のように吹き出して止まりません。

額からの汗が次から次へと目の中に入って何度も視界を奪います。

タオルが一日何枚あっても足りません。

水分を取っていますが、一日1Lでも足りないくらいです。

下着は上下汗でベタベタ。

顔や首回り、ザラザラです。

一瞬、砂かと思いました。

汗が乾いた塩です。

 

その日の昼、体に異変を感じました。

まず軽い頭痛から始まり、それが夕方に向けてどんどん強まっていきました。

ある軒先でふらふら、応対もやっとの状態になりました。

最初はただの疲労かと思っていました。

徐々にハンドルを持つ手が痺れ、呼吸が荒くなり、気が遠くなりはじめ、

顔全体も痺れてきました。

意識が遠のき始めたので、

僕は必死でトラックを路肩に駐車してキャビンから這い出し、

路上であおむけで倒れこみました。

 

涼しい・・。

 

外の方が涼しいのです。

 

おかしいでしょ?(笑)

 

トラックのキャビンの中よりマシなのです。

 

遠くで救急車を呼ぶ声、僕を介助する住民の声、

僕に水を飲ませようとしますが、顔が痺れて硬直していてうまく飲めません。

口がひょっとこのように固まっていて動きません。

 

救急車のサイレン、救急隊員の声がしたのを覚えていますが、

どんな受け答えをしたのか?

全く記憶にありません。

気が付けば救急車に揺られ、病院で点滴を受けていました。

支店長がかけつけ、のちに連絡を受けた妻子がやってきて

ベッド脇に僕の様子をうかがいにきました。

長い点滴を終えて帰宅を許された時には日が暮れていました。

 

後に聞いたことなのですが、

妻子は病院で支店長からエアコンの効かない車に乗せていたことの説明と軽い謝罪を受けたようです。

僕は翌日急遽年休を入れられ一日年休扱い。

翌々日からまた出勤することとなりました。

 

この件は僕の知らないところで労災として処理されました。

 

僕になんの一言もありません。

見舞金?

そんなもんありません。

会社からの謝罪もないです。

 

会社として経口補水液を用意し、

水分補給の注意喚起をやっていたから

熱中症は自己責任、という姿勢?からでしょうか?

責任の所在がうやむやのまま再び出勤です。

 

出勤すると、一部同僚はこの話を笑い話にする無神経さです。

その上で、「会社の言うことをまともに守っていたら会社に殺される」

と言い、

会社の見ていないところで手を抜けとアドバイス。

 

この事件の後、

例のトラックは繁忙期で代車がないと聞いていたのに、

驚くほど素早く修理に出され、戻ってきました。

エアコンも冷凍冷蔵庫も以前とは見違えるようです。

 

これ、僕、怒っていいですよね・・?

普通に考えておかしくないですか?

何なんでしょうね、この会社。

 

上司のセンター長は、これを「身を挺した手柄」だと冗談っぽく言い、

「この会社は事が大きくならないと動かない」

と吐き捨てるように言いました。

 

この会社ではドライバーの人命は荷物より軽んじられている、

これはそんなことを思わされる典型的な事例でした。

ドライバーに法令順守、会社ルール順守徹底を強く要求する一方で

会社はドライバーを大切に扱うことがおざなり。

 

ヤマトでは安全第一営業第二という言葉がありますが、

さしずめここは、

 

安全第一、営業第二、ドライバーの命は三の次

 

荷物の後なんでしょうね。

 

一応会社は経口補水液を用意し、水分補給の注意喚起をやっていますが、

「口だけ」って感じですね。

その一方でドライバーには相変わらずエアコンの効かないトラックやウォークスルーを与えて集配させてますし。

熱中症には首元のボタンをはずすことが効果的と言われていますが、

炎天下でも形ばかりを気にして帽子や首元のボタンは徹底させますし。

ちぐはぐな感じです。

ユニフォームや靴だって佐川と比べて大変暑苦しく、配達しにくいものです。

 

ヤマトはドライバーの労働環境や命より

体裁のほうが大事なんですかね?

 

 

これから夏本番。

加えて今年はコロナ禍でマスク着用を命令されています。

ヤマトの対応が問われます、

といってもこの会社は何も変わらないでしょうね。

 

融通もきかず、客や世間の目ばかり気にして、ドライバーを酷使する。

僕の周りにはヤマトという会社に愛着を持った社員などひとりもいませんでしたよ。

それがすべてを物語っているのではないでしょうか。

 


蝕まれていく心

2020-06-02 20:29:09 | 僕がヤマトでウツになったワケ

がむしゃらに働いて一年。

夏と冬、2度の繁忙期を仲間の力を借りてなんとか乗り越え、

仕事のやり方、各家々の名前と住所、道順、要注意人物などなど・・

僕の中にはそういったデータベースが蓄積されていきました。

しかしこの頃までに少しずつ僕の心は蝕まれていきました。

 

当時スマホに残していた心の叫びを列挙してみます。

 

  • 頻繁に夢で仕事にうなされる、夢の中で配達している、配達ルートを考えている
  • 不眠
  • タバコが増える
  • アルコールが増える
  • 過眠
  • 休日は家に引きこもるようになる
  • プライベートで車を運転しなくなる
  • 大好きだった趣味にさえ手がつかなくなる
  • 休日、(会社からの)電話に怯えるようになる
  • テレビ、ラジオの音が騒音
  • 好きだった音楽も聴けなくなる
  • 新聞や雑誌の文字や文章を読むのも辛い

 

朝から大量の荷物。迫る配達・集荷時間。

サービスセンターからの催促。

個人客から集荷の催促。

GPS、ドラレコ、カメラ、マイク。

ホワイトカラーの巡回監視・取り締まり。

監視されるドライバー。

しつこいまでに要求される交通法規と社内ルール順守。

真夏でも帽子、安全靴、第一ボタンの一つさえも外せない厳しい服装規則。

エアコンの効かないトラック。

荷物より軽視されるドライバーの人命。

集配だけでも過酷だというのにさらにドライバーの仕事を増やすかのように、

会社からクロネコメンバーズを増やすためのフライヤーを集配と同時に撒くようにいわれ、

お褒めの言葉をもらうようにとアンケートはがきを配るようにいわれ、

同時に営業もこなすようにといわれ、

なおかつ会社から時間を守るよう、配達品質を迫られ。

イレギュラーに入ってくる客からのトイレットペーパーの注文。

気が付けば夕方、再配達依頼で鳴りっぱなしの携帯。

メールや電話で寄せられる客からの些細なクレーム、または大きなクレーム。

匿名のクレーム。針小棒大なクレーム。身に覚えのないクレーム。

ミスを犯すたび、業務終了後に残って書かされる始末書、顛末書、宣誓書・・

それが続くと主管に呼び出され主管支店長と面談。

ミスに怯えながら働く毎日。

仕事のために体を休めるだけの休日。

もはやきれいな景色や花々を見てもなんとも思わず、

季節の移り変わりにも無頓着になり、笑顔も出ない。

そんでもって給料はこんなもんですよ。

トラックドライバーは給料がいいと考えられているようですが、

それは集配数をこなしてなんぼの話。

基本給はせいぜい13~4万。

働きぶり、ストレスの割に安くてやってられません。

 

人生に楽しみなど見つけられなくなり、休日は廃人同様。

そういった状況にさすがにおかしいと思った僕は、

思い切って心療内科でカウンセリングを受けることにしました。