私の音楽の原点は、盆踊りの囃子歌にあります。私が子供だったころは、お盆になると新盆をむかえる家の庭で盆踊りを踊っていました。村の青年団など若い人たちが、そろいの浴衣をきて、編み笠をかぶって踊るのです。この踊りの中心が囃子歌でした。歌の上手な人が大きな声で囃子歌を歌うと私の気持ちは、その踊りに引き込まれて、見詰めていました。
夏が終われば盆踊り歌も聞こえなくなりました。そんな時はハーモニカを吹き、木琴を叩いていました。音楽が好きというよりも、音が好きだったのかもしれません。社会人になって、初めて給料が出た時帰りに楽器店に寄りました。初任給のわずかなお金でギターを買ったのです。母があきれ顔でした。

買ってから50年近くになったギターです。
田舎に暮らしていましたから、近隣にギター教室などはなく、NHKギター教室の番組を見ながら練習しました。何よりも弾きたかったのは「禁じられた遊び」、「アルハンブラの思い出」などです。この願いは実現しなくて、結婚後、転勤族になったにも関わらず、ギターは無言のまま、私のそばにありました。
転勤の度に多くの物を処分してきたのに、ギターだけは処分できませんでした。
そのギターが日の目を見たのは、セレンディピティにギター教室ができたからです。当初、一人の受講生でスタートということになったので、私も受講することにしました。講師が使ったテキストはNHKギター教室で使われたもの。本当に基礎から学ぶことができるテキストでした。

NHKギター教室で使われたテキストのコピーです。
ギターを始めて7、8年になりますが、私は、まだこのテキストを終了できていません。共に学んでいる方はとっくに終了して、「愛の賛歌」や「ここに幸あり」などが弾けるようになっています。のんびりしすぎで、練習サボリの現状です。
こんな私でも、「さあ練習をしましょう」とギターを膝に置くと、自分が出すギターの音に心が引きつけられ、集中していきます。やっぱり、ギターっていいなあと思います。このテキスト以外にも、今、合奏曲として「故郷」を練習をしています。一人で弾くのとは違った楽しさです。

40年ぶりにギターに触れた日から今日までの時間は、とても貴重です。継続は力なりの言葉通り、基礎の部分を何とかクリアし、ワンステップ上がることができそうです。

ガザニア


カクタス リージャンロードクライマー