emitanの心にうつりゆくもの

日常のこと、テレビドラマのことなどを中心に・・・

神様のボート

2013-04-10 21:42:16 | naohitoさん
3月10日、17日、24日と、日曜夜10時~BSプレミアム(NHK)で放送されたこのドラマ。
私の住むアパートにはBSアンテナがついていないので、実家に録画をお願いし、3月の最終週に一気に観ました
原作本は、ドラマの宣伝が帯についているということで入手していましたが、ドラマを観終わるまでは読みませんでした。

以下、感想を書きます。
原作も流し読みしたので、後半に原作の事も触れています。
ということで、ネタバレしていますので、まだ放送を観ていない方、原作を読んでいない方はご注意ください。


一気に観るよりは、3話に分けて1週間ずつ観ていくという連ドラ形式で観る方が良いような気がしました(まぁ、そういう風に作っていますからね 笑)。
そして、3話では短かった!!
あと1話か2話伸ばして放送してもよかったのではないか、もっと余韻を楽しみたいなぁとも思うような、とても引き込まれる作品だったと思います。
地上波では「よる☆ドラ」枠で、30分×10話放送にしてはいかがでしょうか?NHKさん!!(笑)

放送前は、「W不倫」やら「濃厚シーン」という言葉が先行していましたが、ドラマではそういうことはほとんど気にならない位の自然なシーンで、逆にそういう煽りが先行してしまったのはどうだったんでしょうね
一言で言い表すなら、「長い年月に渡る、異常なまでの純愛」という感じだったと思います。
しばらくは不倫状態だったし、それぞれの夫や妻ともっと早く区切り(離婚)をつけるべきだったのだとは思うけど、二人の間では「純愛」だったと私は思います。
あえてその前に「異常なまでの」と付ける必要はありますけど(笑)
「骨ごと溶けるような恋」・・・まさにそのような感じでした!!

葉子の「旅がらす」になる直前までのロングヘアーだけがどうしても気になりましたが(どう観ても前髪が不自然では・・・笑)、
それ以外は葉子の10数年が自然に描かれていて、主演の宮沢りえさんはとても素晴らしかったと思います
平凡な愛~結婚、「あの人」との出会い~激しい恋~駆け落ち、長い別れ~放浪生活、母一本になりきれずずっと「あの人」の幻想を追い続けて狂気に満ちていく様子・・・などなど、いろんな面を魅せてくれて素晴らしかったです!
終盤に壊れていく様子は本当に凄かったなぁ・・・
で、沢木に会えた時に「(草子の事を)知ってたの?」と言った時の口調が、本当に嬉しそうで、可愛らしくて、さすがりえちゃん!!と思いました(←えらいピンポイントのツボでスミマセン 笑)

「あの人」=沢木役の直人さんは、セリフが極端に少なく、特に「背中」での演技が多かった中でとても雰囲気が出ていて、表情には気持ちがすごく出ていて、とても素晴らしかったです!!
(直人さんの事を書きだすと長くなるので、後ろの方でまた書きます)
私も葉子の立場なら、10数年待っちゃうかも(笑)
でも、あんなに引っ越しをしようという発想にはならないかな。
孤独や不安や金銭面の関係等で桃井先生に頼るところまでは分かるとしても、そのあと私なら長野県松本のアパートに戻るかも…って、現実的に考えてしまいました

草子は、本当に可哀想だったなぁ。
せっかく友達ができてもすぐに引っ越し・・・
思わずママに否定的なことを言ってしまうのだけど、その後に必ず「ゴメン」ってすかさず謝る所が、本当に可哀想というか。
草子役を演じた小林里乃さん、森川葵さんがまた素晴らしかったです
男性の裸の背中の絵で入選していましたね、ママの影響を受けている?(笑)
パパの事をずっとあれこれ想像していたのでしょうね。
「狂ったママ」を冷静に見つめたり、思わず避けてしまったり、でもママ言う事を分かってあげたい・・・という難しい役どころを、とても巧みに表現できていたと思います。

終盤に沢木も自分を探してくれていると知った葉子が「もう死んでもいい」と言った真意は、どういうことなんだろう?
自分だけが待ち続けているのではないかと思っていたけど向こうも探してくれていると知って、安心して力が尽きちゃったってことなのかなぁ?
「あの人」に似ている忘れ形見(まだ死んでないけどw)の娘さえも自分から離れていってしまって、かなり精神的に不安定になったということもあるのでしょうけどね。
もう疲れちゃってボロボロになってしまって、沢木も自分のことを思ってくれていると分かっただけでもう十分幸せだ・・・その思いだけで安心して死ねる・・・と思ったのかな?

私は生きて会えたENDだと思うのですが・・・
でも、自殺をしようとしているような気配の葉子を見つけたというのは、少し納得できないというか。
沢木が抱く葉子は、「不安定な気配の葉子」だったということなのかなぁ。
・・・と、生きて会えたENDで考えると少し疑問点が残り、「死ぬ間際の幻影の中で夢の中で再会したEND」の方がしっくりいくと言えばいくのですが、
でも「僕らの草子の所へ」とか「桃井先生を訪ねた時に聞いたんだ」って沢木が言っていたから(幻想だったら、そんな具体的な言葉を言わないんじゃないかな?)、生きた沢木が生きた葉子を見つけてくれて、あの後二人で一緒に草子の元に行ったと私は信じています!!

原作を流し読みして、ドラマとはラストが少し違うなぁと思ったのですが、
最後に再会した場所は、バーではないのね~。
あれは空港の設定?
いつの間にか外になっていた(雨が降っていた)けど、原作のセリフ(水になりたい)を活かすためだったのかな?
(直人さんが記者発表の時に話していたけど、本当に不思議な構造の建物ですね!)
そして沢木が葉子の頬に手を当てるところは、右手じゃなかったね
・・・と、放送を終わった後に原作をガーッと読んで、少し引っかかってしまいました

葉子がギター関連雑誌に投稿していたときのペンネーム「J.S.B」って何だろう?と思っていたのですが、作曲家バッハの頭文字だったんですね。
こういった所は、原作とドラマの両方を見ていると分かるというか。
細かい所で、ドラマは原作のオマージュをしていましたね。
原作小説には小説なりの良さが出ているし、ドラマにはドラマの良さが出ていたと思います

映像がとても綺麗で、全編ロケだったから光の具合も自然で、そしてよくああいう生活感が出せるロケ地をたくさん見つけたなぁ~と、とても感嘆しました。
音楽も出しゃばらず、でもドラマの世界観を表していて、ゆったりとした雰囲気を出していてとても良かったです。
私はあまり映画を観ないので、映画的な雰囲気だったかどうかはよく分からないのですが、こういうセリフのない中で丁寧に魅せていく映像は、なかなか民放ドラマでは観ることができないと思います。
企画・放送してくれて、NHKさん本当にありがとう!!


最後に、直人さんファン目線で、もう少し
沢木さん、素敵でしたぁ!!
すごく表情が良くて、特に微笑むシーンにはキュンキュンきました。
こういう純朴で、クセの無い役は、とても珍しいような・・・
(純朴と言えばシンノスケがそうでしたが、コメディでしたからね)
直人さんの純粋なラブストーリーを観ることができて、とても嬉しかったです。

私がかなりツボに入った所は
☆ギターを弾いている所

この微笑みながらギターを弾くところは、もう・・・!もう・・・!!

☆肩に手を回して歩く所

この後ろ姿、すごく好きです。
そして、足長っ!!(笑)

あと、ラブシーンも話題になりましたが、私は何気なく唇ではないところにキスする所が、かなりキュンキュンきました
☆首にキス

キスしている瞬間は直人さんのお顔がほとんど映らないので、画像はその直後w

☆手にキス

なんか、この何気ない感じが、私的にはツボだったのです(*^_^*)

あっ、でもキスシーンは、ラストの雨の中のキスシーンが一番好きです
ホタヒカのぶちょおの言葉を借りると、むさぼりあうチュウ・・・
たくさんごちそうさまでした!!(笑)

・・・と、ちょっと読んでいて引いている方が出てきているような気がするのですが・・・
まぁ笑いながら読み飛ばしてください!

あとは、50歳近くなった沢木が、シブくて本当に素敵でした

NHKさん、老けメークが本当にお上手(笑)
こうしていい感じでこれからも年を重ねていくのね~なんて、勝手に思ってニヤニヤしてしまいました
私はこのショットが一番ツボでした!!

髪型的には、このクリンクリンな感じが好きかなぁ。

額がこうして出ている感じが、私はとても好きです。
ドラマの中では「少し癖のある長い髪」とか「黒くて腰のある髪」と言われていましたね。

あとは、大きく見開いた目が好きでした!



スミマセン、マニアックな所ばかり取り上げて(笑)

最後の手のシーンも良かったです!!


というような感じで、書き出したらキリがなくなり、なかなか書き終えることができなかったのですが、今日ようやく時間が出来たので、リピしながら書きました。
(明日から「ラスト・シンデレラ」モードになります
人の感想を読むと書けなくなるので、他の直友さん達のブログはほとんど読んでいなかったんですよね・・・
これから少しずつ読ませていただきます!

素敵なドラマ、本当にありがとうございました!!
大人のラブストーリー、大満足でした
(今後は、できれば地上波で放送してね


ここから下は、時系列にあらすじを書き出してみました。
ドラマ内では、けっこう回想シーンが多かったので、沢木のセリフを中心に書き出して整理したくて。
短く整理をする余力がもうないので、ダラダラ長いです(笑)
私のメモを記録として残したということで、ご了承ください。


1996年 東京
音楽大学に通う葉子は、いつも同じ時間の電車の同じ車両に乗っている「あの人の背中」が気になっていたが、いつの日かその「背中」に会えなくなる。
大学院に進学するつもりだったが、音大で桃井教授のレッスンを受けているうちに、桃井と自然と個人的に会うようになり、30歳の年の差があるものの二人は結婚することに。
買い物に出ていた葉子は、突然の雨に遭ってしまい、雨宿りをしていたところ、目の前に「あの人の背中」が。
「あの人」は雨の中駆け出して行ったため付いていくと、あるバーの中に入って行ったため、葉子もバーに入っていき、そこで初めて「あの人」と正面から向き合う。
それから二人は頻繁に会うようになる。
「あなたの背中のこのくぼみ。私の顔の形にピッタリ。まるであつらえたみたい」
「きっと、そのくぼみは君のためにあったんだ。今まで僕が気づかなかっただけだ」
二人の関係は、それぞれの配偶者が知ることになり、沢木の妻は葉子を殴打する。
葉子は沢木の経営するギター店「パサド」に逃げ込むが、桃井教授に連れ戻され、葉子は桃井に離婚を申し出る。
二人は空港で待ち合わせて、東京から離れることに。
「僕は葉子ちゃんがどこにいようと見つけられる。葉子ちゃんだけが持つ気配を絶対見逃さない」
沢木の妻は、沢木の店に液体をまき散らし、火をつけて全焼させ、自らも大やけどを負う。

1996年冬 長野県松本
二人は古いアパートで過ごしていたが、沢木の妻の弁護士から連絡が入り、東京へ行くことに。
東京の病院で大やけどをした妻の姿を見た沢木は衝撃を受け、さらに妻の父から、慰謝料と店を開くときに貸した金も利子をつけて返すように言われる。
「私にできることをしたいの。私にも責任があるから」
「葉子ちゃんに惨めな思いをさせる理由なんてどこにもない」
沢木は、なるべく早く借金を返済するために、出稼ぎに出かける。
「少しの間、離れて暮らさなきゃならない。なるべく早く片をつけたいんだ。給料のいい運送会社があるんだ。寮に住み込んで働けば、2~3年でお金は作れると思う。葉子ちゃんを巻き込むことなんてできない。惨めな思いをさせる理由なんてどこにもない。
待っていてほしい。信じてほしい。一瞬も疑わないで。僕は必ず葉子ちゃんを見つけ出す。どこにいても。葉子ちゃんだけの気配を身にまとっている限り。必ず戻ってくる、すぐに。」

1997年 長野県松本
大きいお腹を抱えて一人で暮らす葉子の元に、桃井教授がやってくる。
「君のプライドが許さないのであれば、生まれてくる子供のためということでも構わない」という桃井の言葉で、葉子は東京で出産することにし、桃井の家で暮らす。

1998年 長野県松本
運送の仕事で松本に来た沢木は、同行の同僚に時間をもらって、以前葉子と一緒に住んでいたアパートを訪ねる。
しかし、アパートの隣人から、半年前に引っ越してきた時にはもう空き家だったと言われてしまう。

1998年冬 東京
沢木は、思い切って葉子の実家近くまで行くが、葉子が赤ちゃんを抱いて桃井教授と車に乗り込む姿を見て、驚いて声を掛けることができなかった。

1998年 東京
葉子は出産し、ベビーカーに娘・草子を乗せ、母と3人で駅の連絡通路を歩いていたが、追い越して行ったある男性の後姿に目を奪われる。
「あの人の背中」と確信して追いかけ、「哲哉さん!」と声を掛けるが、声が届かなくて気づいてもらえず、沢木は「高崎・前橋」行きの高速バスに乗って去ってしまう。
葉子は、桃井の元を去る決意をして髪を切って身軽になり、桃井に家を出ることを伝えるが、桃井から「東京から出て行ってほしい。それがたった一つの条件だ」と言われて、東京から離れることにする。
バスの中で赤ん坊の草子に葉子は話しかける。
「私は決してあなたに惨めな思いをさせないって約束する。でも、これだけは分かってほしいの。私は、あなたのためだけには生きられない。パパのために、パパにもう一度会うために生きていたいの。それが、神様に与えられた私たちの運命だと思って」

2002年 埼玉県川越
草子は「どうして引っ越しばかりなの?」と尋ねると、葉子は「同じ場所になじむ訳にはいかないの。周りのみんなと区別がつかなくなってしまったら、いくらパパでも見つけるのは難しいわ。ママも草子も、神様のボートに乗ってしまったの。パパが見つけてくれるまで、降りるわけにはいかないの」と話す。

2006年 茨城県高萩

2007年 千葉県佐原
草子は冬休み中に転校することに。
理由を尋ねる同級生に「旅ガラスが旅を止めると、普通のカラスと見分けがつかなくなるから」と話すが、同級生には分かってもらえなかった。
草子は葉子に「(友達を)無くしたらまた作ればいいんだし」と言うと、葉子は「無くならないわ。過ぎたことは絶対に変わらない。箱の中に入れてしまえばいいの。過ぎたことをみんな箱の中に入れてしまえば、絶対に無くす心配はないわ。すてきでしょ?」と話す。
そして、一度だけパパが見つけてくれなかった時のことを話し「独りぼっちになるのが怖くて、元の居心地のいい場所になじんでしまったから、いくらパパでも見つけられなかった」と話す。
そして「一瞬でも疑ってはダメ。私たちはパパに出会うために生きてるんだから」と諭す。

2008年 千葉県館山
引っ越しするたびに、葉子は「J.S.B」というペンネームで、ギター関連雑誌の読者ページにハガキを書き、「パサド」のオーナー宛てにメッセージを送っていた。
そして週3回ピアノ教室でピアノを教え、夜はバーへアルバイトに出掛ける。
しかし、願掛けのために約10年酒断ちをしていた。
バーの常連客・朝倉に言い寄られるが、そういう晩は、葉子は帰ってから寝ている草子の背骨を撫でるのだった。
ローストビーフを焼くのは年に1回、パパの誕生日の時だけ(この年パパは44歳)。
パパに見せる写真として、この日に必ず葉子と草子の二人で記念撮影をする。
(草子の心の声)「パパについて私が知っていることは、そんなにない。11年前の身長と体重。少し癖のある長い髪。背骨の形と額の感じが私に似ていて、楽器店のオーナーで、スパニッシュギターが上手で。でも、そのどれ一つとして私が自分で確かめたことじゃない」
葉子は「きっと神様が、ママのほっぺとパパの背中を一対で作ったんだと思う。この世でたった一つの組み合わせ」と草子に話す。
草子は、朝倉が葉子の元を訪ねていくのを物陰から見守っているが、「この男の人は分かっていない。ママは決して強くない。強くないから、神様みたいに信じるものがほしいだけなんだ。パパは神様なんかじゃないのに・・・」と心の中で思う。
草子は、同級生の中澤りか子と親友の誓いをして仲良く過ごしていたが、引っ越しの話を葉子から言われて「どうして過ぎたことを箱の中に入れなきゃいけないの?この町でパパを待っちゃいけないわけ?なじまなければパパに会えるの?ママは本気でそんなこと信じているの?」と、つい強く言ってしまう。

その頃、沢木は4か月間マグロ漁船に乗り、二百数十万を口座に入金し、借金の完済にやっと近づいていた。
仲介をしている弁護士に「恥ずかしい話ですが、逃げ出そうと思ったことは何度かあります」と話す。
沢木は東京の桃井教授の家を訪ねるが、葉子は10年ほど前から音信不通で、彼女の両親さえ居場所を知らなく、「巡礼に出るような思いつめた顔で出て行ったよ。まだ1歳にもならない赤ん坊を連れてね。君の娘だ」と教えられて、とても驚く。

2011年 神奈川県葉山
葉子39歳、草子14歳、(パパ48歳)。二人が住む10番目の町。
葉子は、昼はピアノのレッスンをし、夜は「hull(ハル)」というレストランでアルバイトをする。
草子は、その店のオーナーと仲良くなり、オーナーから「店の名前のハルっていうのはね、船の船体の事なんだ。海ではね、ものすごく遠い場所の事をハルダウンって言うんだ。マストだけ見えて、船体が水平線の向こうに沈んで見えるくらい遠くっていう意味。(そんなに遠くになって怖くないかという問いに)怖いよ。自由を感じるって奴もたまにいるけど、あれは強がりだ。自分が元いた場所が見えなくなるのは、不安だし孤独だ」という話を聞く。
草子が髪を切りたいと言うので、葉子は昔よくカットしてもらっていた見上を呼ぶ。
見上は、草子の髪を洗いながら「黒くて腰のある髪だね。お父さんに似たのかな?背骨の形も似ているんだろ?」と話す。
パパの誕生日の夜、「きれいな背骨」と背骨を撫でる葉子に、草子は「背骨を褒めるのは止めて。これはパパの背骨じゃなくて私のだよ」と静かに語りかける。
草子は、中学校を卒業するまでは転校したくないと葉子に頼むと、葉子は「申し訳ないと思ってる。でも無理なの。私はあの人に慣れちゃったんだもの。他のものにはなじめないわ。言ったはずよ、いつかパパに会えるって。あなたのパパが、私たちのいる場所なの」と話す。
草子は「そこはママの居場所かもしれない。でも私のじゃない気がする」と言い放つ。
草子は中学校で美術部に入り、絵のコンクールで入選し、顧問・山城から入選のお祝いにボナールの画集を、他の生徒に内緒でもらう。
先生は草子に「確かで美しいものは、どんな時でも人を裏切らない」と言って、受験勉強に疲れた時にはこれを見るようと励ます。
草子は、全寮制のある高校に行きたいと言って葉子と口論になり、「私は現実を生きたいの。ママは現実を生きてない。パパなんてどこにもいないんだよ!」と怒鳴り、「ごめんなさい…ママの世界にずっと住んでいられなくて、ごめんなさい・・・」と泣き出してしまう。
葉子は「認めない。そんなこと絶対に認めない・・・」とつぶやきながら、海の中へ入っていき・・・

2012年 東京
沢木は、求人募集のポスターが貼ってあった楽器店「Rim Shot」に入り、働かせてもらえるよう頼む。
そこで待っている間に、置いてあったギター関連の雑誌をめくっていると、読者コーナーの葉子のメッセージが目に留まる。

2013年 東京
草子は全寮制の高校に入学し、葉子はハルでのアルバイトを辞めて、15年ぶりに東京に住むことを考える。
葉子は、桃井教授の家に行き、東京に住むことについての許可を願い出るが、桃井は再婚しており、「許すも何も、君がどこに住もうと君の自由です。そういえば、ずいぶん前にあの男がここに来たよ。5年位前かな。君を訪ねてきたんだけれども、行方知れずだったから」と話すのを聞いた葉子は、「もう、死んでもいい・・・いつ死んでも・・・」と思うようになる。
葉子は草子に手紙を書き、冬休みになったら葉子の実家に行くように伝えていた。
初めて葉子の両親に会った草子は、落ち着かない様子で実家の中で過ごす。
葉子は草子に電話を掛け、すぐに葉子の元に行きたいという草子に「ダメよ、おじいちゃんとおばあちゃんがガッカリするわ。でも、無理になじまなくていいのよ。あなたはあなたらしく生きればいいから」と話すが、草子は葉子の口調を聞いて「私、なんだか怖いよ」と言い出す。
すると葉子は「大丈夫。もうすぐ終わるから」と言って電話を切る。
葉子は、沢木との思い出の地を歩き回り続け、ある喫茶店に入って水を注文し、カバンの中に入っていた錠剤を一粒、また一粒・・・と口に入れて飲み始める。
葉子は後ろから気配を感じ、薬を飲む手を止める。
葉子の頬に後ろから手が触れ、「遅くなってすまなかった」という男性の声が。
葉子はその手を握りしめ、「信じられない・・・」と言って振り返ると、そこには沢木の姿があった。
「長い間、待たせてすまなかった」
「ほんとに帰ってきてくれたのね」
「言っただろ、必ず見つけ出すって。さぁ、行こう。僕らの草子の所へ」
「知ってたの?」
「だいぶ前、桃井先生を訪ねた時に聞いたんだ。会わせてもらえるかな?」
「もちろんよ。あなたにとてもよく似てるわ」
・・・こうやって抱き合ったまま、水になって流れていきたい。
川みたいに?
そう、川みたいに。
抱き合ったままで?
絶対に離れない。
そのまま僕たちが死んだら、手も足も絡めたまま水になるね・・・

・・・昔、ママがこんなことを言っていた。
 一度出会ったら、人は人を失わない・・・
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2 コメント

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>まりりんさんへ (emi)
2013-04-12 13:41:23
まりりんさん、コメントありがとうございます!
大変お待たせしました~。
3話いっぺんに観たので、1話ずつ感想を書くのが難しく、でも3話分書こうとすると結構ハードルが高かったので、やっと書きました(^_^;)
でも、せっかくの素晴らしい作品だったので、書き残したいという気持ちは強かったです。

>ラストは二人が出会って3人で暮らしたと信じたいですよね。
ですよね~!
きっと暮らしたはず!!
細かい所をツッコもうと思えば色々あるかもしれないけど、このドラマは雰囲気も大事にしているから、その雰囲気を壊さない描写をするために、やはりいくらか抽象的にしていかなければならなかったのでしょうね。
とても素敵な映像美でした。
もっと長く観たかったです!!

短期間で大河、正月ドラマ、そしてこの作品と、とても素敵な作品のオファーがあって、ファンもとても嬉しかったですね♪

ラストシーンの沢木さん、シブくて素敵でしたね
私の想像していた壮絶シーンとは違いましたが(当たり前w)、これはこれでものすごく強いラブシーンでした!
大画面で、一人で観たいです
返信する
Unknown (まりりん)
2013-04-11 20:04:41
こんばんは~emiさんの感想待ってました~(嬉)
うんうんそうそうと頷きながら見ました。ホントもう少し見たかったですね。
ラストは二人が出会って3人で暮らしたと信じたいですよね。
つじつまが合わないところとか、現実に考えると何故?って思ったりしますが、それがあまり気にならないくらいに魅せられたドラマでした。
こういう丁寧な作りや美しい映像はNHKならではですよね。またNHKでドラマやってほしいです。
ラストシンデレラはザ・民放ドラマだけど(^^; 楽しく見れればいいです。

老けたトレンチコートの沢木さんにはやられました。
あのラストシーンンはよかったですよね~。スクリーンで見たい!と思わせるラストカットでした。
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