チャージアックス、それは変形機構を持つとてもかっこいいモンスターハンター独自の武器の1つである。
見た目や変形機構のかっこよさからベテランから新規まで幅広い人気を誇る一方、オーバーチャージや高出力属性解放斬り関連など妙に分かりづらい部分も多い困った武器種でもある。
というわけで、今回はその「分かりづらい」チャージアックスを少しでも分かりやすく、基礎の基礎だけを抽出して解説していこうと思う。
なお、チャージアックスの仕様は作品ごとに違う部分が多い。今回はMHWorldを基準に解説していく予定だ。「自分の知ってるチャージアックスと違う」という方は、チャージアックスを良く知ったベテランか、あるいはまだMHWorldの変化を知らない人だろう。
なお、初心者殺しの通り、基礎の基礎とはいえ説明するべきことは極めて多い。
途中で疲れたという方は一気に飛ばして「おわりに」を読んでいただければと思う。
基本説明 剣モードと斧モード
チャージアックスには2つの「モード」が存在する。少しでも調べたりしていればご存知であろう、剣モードと斧モードの2つだ。
これらのモードはそれぞれ全く違うモーションを持ち、同じ入力をしても全く違う技が出る。あるいは、これが最初にチャージアックスに躓く点であると言えるかもしれない。
また、同じく変形機構を持つスラッシュアックスのように、チャージアックスの場合には
- 剣モード:機動力に優れ、ガードもできる。斧モードで消費するビンを溜める役割がある。
- 斧モード:攻撃力に優れ、肉質無視or強力な属性攻撃を扱える。剣モードで溜めたビンを消費する。
という役割を与えられている。
基本は機動力やガード能力に優れる剣モードで立ち回りつつビンを溜め、チャンスを狙って斧モードで攻撃を行う、というのがセオリーと言える。実際、チャージアックス最大の大技である「高出力属性解放斬り」「超高出力属性解放斬り」は斧モードの技となっている。
剣モードは斧モードの攻撃を支えるため、ビンを素早く溜めることが必要になる。
攻撃を与えることでビンの背景が黄色や赤に発光するようになり、この状態でチャージ(ガードボタン+○)を行うことでこの色をビンに変換することができる。チャージしないまま攻撃を続けると、剣モードのあらゆる攻撃が弾かれる「オーバーチャージ」になってしまうため、なるべくそうならないうちにチャージを行って背景色をリセットしておこう。
(正確にはこの背景色は「剣撃エネルギー」がどの程度蓄積されているかの指標になっている。この剣撃エネルギーは攻撃の種類によって蓄積量が異なってくるため、アクションを工夫すると高速でビンを溜めることができる。この辺りについて詳しく知りたい場合は、別のブログや攻略サイトを調べてみることをオススメする)
逆に斧モード中はビンを溜めることが全くできず、「属性解放斬り」と呼ばれる攻撃で刻々とビンを消費していく。特に威力に優れる「高出力属性解放斬り」と「超高出力属性解放斬り」のため、なるべくビンを多く確保した上で斧モードに移行したいところ。
なお、剣モード、および斧モードへの切り替えは「変形切り」と名前のある攻撃が中心となって行われる。特に斧モードへの変形切りは後述する「ガードポイント」において重要な役割を持つため、頭の片隅に残しておこう。
「高出力と超高出力は剣モードからでも繰り出せるじゃないか」と思った方もいると思う。そんな人は次の「2つの強化状態」の項を見ていただきたい。
確かにこの2つの技は剣モードから直接出す機会が多いが、確実に斧モードの技なのだ。それを理解してもらえるだろう。
基本システム 2つの強化状態
チャージアックスには2つの「強化状態」が存在する。
- MH4Gから登場した「属性強化状態」
- MHWorldから新規に登場した「剣強化状態」
まず「属性強化状態」から説明しよう。
属性強化状態には下のとおり主に4つ+2つの役割がある。
- 斧モードの攻撃力を上昇させる
- 剣モードでのガード性能を上昇させる
- 超高出力属性解放斬りが使用可能になる
- 高圧斬りで「剣強化状態」になれるようになる
- 盾突きにビン爆発が追加されるようになる
- ガード成功時に盾からビン爆発が発生するようになる
特に重要なのは1,2,3,4の4つで、4と5はおまけで付いてくるものだと思って構わない。かと言って決して無駄なものではなく、覚えておくべきものなので忘れることのないように。馬鹿にしていると思わぬところで救われたりする。
属性強化状態にするには、高出力属性解放斬りor超高出力属性解放斬りの振りかぶる前にガードボタン(デフォルトの設定ならばR2)を押せばいい。属性強化回転斬りと呼ばれる固有の攻撃が発生し、蓄積されたビンを全て消費し、それに見合った時間だけ属性強化状態を付与してくれる。(ビン1本のつき30秒。効果時間中に再度属性強化回転斬りを行うと効果時間が上乗せされる。ただし、上乗せしても最大は150秒)。実際に効果があるかどうかは斬れ味ゲージの左にある盾のマークが発光しているかを見ればいい。
「斧モードでもビンを使うのに属性強化状態でもビンを使うなんて勿体なくないか?」と思うかもしれない。しかし、ビンはその気になれば短い時間でも溜められるものだし、その後の剣強化状態にも必要な以上、それ以上の恩恵があるものだと確信を持って言える。
次に、「剣強化状態」について説明しよう。
剣強化状態の恩恵は、以下の2つ。
- 剣モードの攻撃すべてにビン爆発が追加される
- 剣モードの攻撃がすべて「弾かれ無効」になる
さらに、弾かれ無効となることでボルボロスやネルギガンテのような硬い部位や硬化能力を持つ相手に対しても(斬れ味の消費は激しくなるが)弾かれを恐れず立ち回ることができる。
あわせて考えると、「ダメージ」「攻撃機会」の両面から剣モードを強化することで、ビンの回収を安定させつつ、ダメージを底上げすることができ、なおかつ高出力(ryの機会も安定するという大変優秀な強化と言える。
難点と言えば効果時間が45秒(再度使用で上書き)しかない点だが、発生させるための「高圧斬り」自体が優秀な攻撃なので積極的に狙っていくべき強化状態になっている。
剣強化状態になるには、「属性強化状態」中に「高圧斬り(チャージ(ガードボタン+○)中に△長押し)」を行う必要がある。属性強化状態同様、斬れ味ゲージ左の剣のマークが発光していればそれが剣強化状態のサインとなる。
先述のとおり、付与行動となる高圧斬り自体が予備動作こそ長めなものの高い威力と回避へのキャンセルが非常に早いことから、見た目の使い勝手に反してとても優秀な技となっている。余裕があれば積極的に狙っていきたい。
以上の2つの「強化状態」を持ち、それぞれを付与して最大火力を得られるという都合から、チャージアックスの最大火力を発揮するには相応の練習が必須となる。
チャージアックスが「初心者受けはいいが、初心者が扱うには難解すぎる」理由の大部分を締めるのがこの複雑さと管理のしづらさだ。(ちなみに、初心者には難しいと言われる理由は他にも存在する。それについても後述していく)
なお、強化の優先度は属性強化状態>>剣強化状態。
属性強化状態は火力の真髄である斧モードを強化することとガード性能の強化が極めて重要で、逆に剣強化状態は効果時間の短さから維持が難しいのがその理由だ。
ちなみに「剣強化状態には剣撃エネルギーが溜めやすくなる効果がある」という勘違いが一部で言われていたが、真相は「高圧斬りの剣撃エネルギー蓄積量が多いから」という理由であったりする。蓄積のために無理に剣強化状態を狙う必要はないので、安心して欲しい。
また、強化状態を表す剣と盾の発光は、残り時間が短くなると色が変わる。無理に完全に維持する必要はないが、なるべく絶やさないようにしておきたい。
ところで、「剣モードからも使える斧モード技」である「高出力(ry」らについて。
これらの技はこの2つの強化のうち、「斧モードの攻撃力アップ」の恩恵を受け、逆に「攻撃毎にビン爆発が発生する」恩恵を受けられない。
このことから、高出力が斧モードだと断言できる。(元々初登場の4の頃には斧モードでなければ高出力が出せなかったので、それを知ってる人にとっては論じるまでもないことかもしれない)
ただ、確かに高出力は剣モードからでも積極的に用いるので、使い勝手の面で「共用技」と考えるのはそのとおり。
チャージアックスの特権 ガードポイント(GP)とガード反撃
もう1つ、初心者殺しの要素である「ガードポイント(通称GP)」について説明しておきたい。
公式の説明にもある通り、剣モードの一部の攻撃にはGPと呼ばれる「ガードが自動発生するタイミング」がある。
具体的には、
- 回転斬りの終わり際
- 斧変形斬りの出始め
- 属性強化回転斬りの終わり際
- 剣変形回転斬りの終わり際
このタイミングで攻撃を受けると通常のガードとして攻撃を防げる他、「ガード性能が本来よりも僅かにアップする」という特典がある。
攻撃の最中にガードを挟めること自体が革命的に優秀であり、なおかつ後述するガード反撃にも繋ぐことができるため、チャージアックスの必修項目と言っていい。
また、ガードが成立すると、一定以下のリアクション(のけぞり)であるならばガード反撃としてそのまま以下のアクションを繰り出せる
- 斧変形斬り(△を入力)
- チャージ(○を入力)
- 高出力、または超高出力(△と○の同時押し)
- 回避(×を入力)
ただ、ガードポイントによるガードであればガード性能が上がる=反撃が早くなったり、削りダメージを受けなくなる可能性があるため、なるべくならガードポイントで受けたいところ。
しかし、ガードポイントのタイミングを見誤って攻撃を受けていては元も子もない。まずは確実にガードを行い、練習を重ねてガードポイントを利用できるようになろう。あるいは、ガードで受けるのが困難である場合、素直に回避したほうがいい場面も多い。
このガード反撃をより広い範囲で利用するためにガード性能スキルを付けるというのは1つの正解と言える。(だからといってガード性能が回避性能に勝るというわけではないので注意)
2つの大技 高出力属性解放斬り&超高出力属性解放斬り
チャージアックスの目玉であり、真髄である大技。それが「高出力属性解放斬り」と「超高出力属性解放斬り」である。ハイリスク・ハイリターンを地でいく技であり何よりかっこいい。これに惚れたという人も多いはず。
ほとんど同じ名前であることが示すように、この2つは表裏一体の派生技になる。ただ、その関係でこちらも「初心者殺し」の要素となってしまっている。初心者殺し要素多すぎだろ
両者共通して、
- 斧モードの中でも高い威力を持つ。
- ビン爆発のダメージ補正が他の技より大きい。
- ビンを消費する(超高出力の場合、ビンをすべて消費する)。
- 攻撃後の隙を一切の行動でキャンセルできない。
これが超高出力の場合、威力とビン爆発ダメージが目に見えて大きくなる変わり、隙が増え、ビンを「すべて」消耗してしまうさらハイリスクな技となる。
今作ではこの2つの技の優劣がよく比較され、大抵の場合は回転に対してダメージの大きいうえにひるみによる反撃阻止も狙いやすい超高出力に軍配が上がる。
しかし、僅かな隙の差や、相手のサイズを考慮した場合、そしてピンポイントへの攻撃が必要な場合には高出力の方が優秀であることも多い。一長一短の関係と言える。
ただし、この2つの技の使い分けには大きな難点がある。それは、「出し方が全く一緒である」ことである。
正しく言えば、属性強化状態では高出力が超高出力に変化する。属性強化状態で高出力を使いたい場合、超高出力の予備モーション中に追加入力(R3スティック手前+△)を行う必要がある。
この追加入力にも難があり、
- 実際に発生するまで入力に成功したかがわからない。
- 入力の方向が操作タイプで変わる(絶対方向指定なら下、ハンターの向き指定ならハンターの後ろ方向)。
- 「そもそも扱い逆じゃね?(基本高出力で、追加入力で超高出力であるべき)」という声多数
- と言うか方向入力は必要なのだろうか という声も。
使い分けは難しいが、チャージアックスを利用する上でこの使い分けは必須と言えるので、マスターしてもらう他ない。頑張って慣れよう。
余談だが、超高出力属性解放斬りのビン爆発は地を這うように奥に進んでいく。ビンが多ければ大きいほど奥に進み、最終的にT字の範囲に爆発が起きるようになっている。
多少外したところで問題ないくらい強力だが、少なすぎると高出力の方が良い結果になる場面も多い。目安としてはビンの数が3つ以上ならば超高出力を繰り出した方が良いと言われている。
2つのビン 榴撃ビンと強属性ビン
チャージアックスには他の武器同様に斬れ味や攻撃力、属性値などの他に「ビン」という項目が存在する。ビンには「榴撃ビン」と「強属性ビン」の2つがあり、それぞれ異なる特徴を持っている。
これらの「ビン」は剣強化状態や属性強化攻撃での一部の攻撃、属性解放斬りで発生する「ビン爆発」によって効果を発揮する。
榴撃ビンは、武器の攻撃力に応じた無属性(肉質無視)の爆発を起こし、さらに爆発が頭に入ればスタン値を与えることができる。
肉質無視という都合からどこに当てても一定のダメージが期待できることが特徴で、最も扱いやすいビンと言える。
しかし、その真価を発揮するためにはスタンの狙える頭を狙わなければならず、一部の頭が硬いモンスターに対してはあまり有利とはいえないというのも事実。
超高出力では頭に当ててスタンを稼ぐというのが難しい代わり、どこに当てても強いという性質から「当たりさえすれば一定のダメージが保証される」手軽なビンとも言える。
強属性ビンは名前の通り武器の持つ属性を何倍にもした強力な属性ダメージの爆発を起こすもの。榴撃ビンと違い武器の属性値に依存し、スタン値を与えることはできなくなっている。
属性値はモンスターの耐属性(属性肉質)に影響を受け、榴撃ビンと異なり「どこに当てても良い」というわけにはいかない。常に弱点となる部位に狙いを定めてこそ真価を発揮する属性と言える。
超高出力においては爆発の範囲が広い都合から、榴撃ビンほどのダメージが出せない場合も多い。しかし、5発すべての爆発を当てた時の合計属性ダメージは他とは桁の違う凄まじいものがあり、うち2発でも弱点に入れば十分ダメージが出ているだろう。
特に耐属性の低い過去作のグラビモスのような相手には武器・スキル両面で属性に特化し、最高に高めた属性ダメージの塊をぶつけることが最適解になるなど、属性に弱い相手にはとことん強いビンとなっている。
汎用性には劣るが、強い敵には滅法強い。それが強属性ビンである。
終わりに
初心者に知っておいてもらいたい、基礎的なチャージアックスの知識についてはほとんど書き連ねたと思う。しかし、初めての人がこれだけすべてを覚えることは不可能だと思っている。
ここに乗っているのはあくまで「どういう特性があるか」という部分。アクションについてはほとんど触れていないつもりだ。しかし、アクションを覚える中で「どういうことができるんだろう」と思うこともあると思う。そうなった時に改めて情報を集め、少しずつでも情報を集めてもらえればいい。
繰り返すが、チャージアックスは初心者向けの武器とは到底言い難い。むしろ初心者には全く推奨できない。それでも使いたいのならば、まずそれぞれの機能を把握し、積極的に活用していって欲しいと思う。
実践と情報収集を交互に行うことで、武器種への理解と実用性は深まっていく。ここではその「情報」の触りとして活用してもらえればなによりだ。