*寒いけれど…。

寒い日々が続いている。寒波そのものも厳寒期並みだが、人の心の中も
何か冷え冷えとした感が拭えずやるせない心地にさせられる。

いたたまれない…そんな気持ちになっているのは私だけではないだろう。

「右を向いても、左を向いても真っ暗闇じゃぁ～ございませんか！」

と、かつて鶴田浩二さんが歌っていたけれど、まさしく、その通りで

「何から何まで、滅茶苦茶な世の中」となっている現実に、今更ながら
愕然とさせられてばかりいる。

人の心は虚しく動き、一所にジッとしてはいない。
沢山の刺激に反応しながら対応しているわけで、これだけ
刺激的な日々が続くといつしか「危険察知」のアンテナ自体が
麻痺状態になってしまいそうな危惧さえおこる。

今年の冬は本当に寒い。
寒さに震えつつじっと耐えながら、毎日を過ごす。
繰り返し報道されている「あまりにも悲惨な現実」の情報に
心を更に冷たく冷やされながら、毎日を過ごす。

…寒いけれど、しかしそれでもどこかに希望があるかもしれないと
期待をしないでは、いられない。
そうでなければ、あまりにも辛い。

どこかに、確かに希望はある。そう思いたい。
そして、それをみつけられたらどんなにかいいだろう。

私は寒くても冬が好きだ。
もしかしたら、絶望的なこの寒さの中でこそ希望の兆しが
芽吹いているからもしれないと想いたいから
そして、その可能性に出会いたいからかもしれない。

辛さや哀しみを逆にバネとして、頑張れる時だってある。
多くの人に舞い降りてしまった突然の「アクシデント」が
スプリングボードとなり、負の感情に侵されたままでなく
やがてそれを跳ね除けて力強くしなやかに立ち上がり
対処できる大きな器を備えた人になれるチャンスと
受け取れることができたなら、どんなにいいだろう。

叩かれ、打たれ、それでも折れずにいられる強靭な精神。
鍛えられた期間が長いだけ、スケールは大きくなるだろう。

そんな風に捉えることとしよう。