「試用期間終了後も給料据え置き」のメールが来たのは、試用期間最後の日でした。メールは今でも取っています。何をするわけでもないですが。
この会社、当時から赤字経営にも関わらず、事業拡大ということで私と同じ時期に6人の中途採用者を雇っていました。後から知りましたが、6人全員に同じ文面のメールが送られたそうです。送り主は面接にいたあのうさんくさいおじさん(^^;いちおう部長職。
しかも送られてきたのは夜の11時過ぎという非常識さでした。
私は「では辞めさせていただきます。」とすぐ返信して寝てしまいましたが、起きてから他店舗にいる同期の女性から、「給料据え置きなんてどうしよう!」という内容のLINEが来ているのに気づきました。
6人全員が30代~40代の中途採用、私を含めて3人は管理職待遇でと同じ条件を出されていました。
みんな14万円の給料で満足できるわけはありません。
出勤した途端に上司から「辞めるって本当ですか?」と聞かれたので「本当です。」と答えると、「わかりました。では手続きしますけど、撤回しないですよね?」とあっさり言われました。
日頃から、休みがない、休憩時間が少ない、残業代が出ない、きちんと仕事を教えてほしい等とクレームばかり言っていた私を疎ましく思っていたのは承知の上です。上司は喜んでいるようにも見えました。
その数時間後には部長職の方が私の職場にやってきました。私の面接をしてくれた、以前の会社からの知り合いの方です。そこで1回めの引き止めに遭いました。
私はもう辞めるつもりだったので、採用時の条件と違うのはおかしいし、労働環境が悪すぎる、こんな会社では働けない!とはっきり伝えました。
意外にも、部長からは「ブラック企業なのは自分もよくわかっている。だからこそ一緒にがんばって立て直していきたいから協力してほしい。」と言われました。
こんなことを言われると、私のお人よしで単純なところがつい出てしまい、もうちょっと頑張ってみよう!理解してくれる人がいるのだから、協力していい会社に変えていきたい!と思ってしまいます。
とにかく給料をなんとかしてくれないと今のままではやっていけないとの条件を付けて、いったん退職は撤回しました。
それでも、給料を上げてもらったのはこの半年後、基本給5000円、役職手当として5000円のアップ、合計15万円の給料です。
この時点で同じ時期に採用された6人のうち4人は退職しました。うち2人は解雇でした。
私も同じ時に辞めていれば、ここまで借金を増やすこともなかったと思いますが、こんな条件でも仕事自体はやりがいがあって楽しかったのです。
ここから約2年間、「やりがい」に囚われて、自らブラック企業作りに加担してしまっていました。