電脳東京雑記(仮)

大煩悩人の世迷言

マネーボール

2011-11-13 23:36:39 | 映画
主演はブラッド・ピット、監督はベネット・ミラーの2011年合衆国の映画。
(以下には一部、ネタばれの内容もありますので、ご注意ください)

2001年、MLB(合衆国のメジャー・リーグ・ベースボール)のオークランド・アスレチックスは、ワイルドカード(リーグ内の2位球団で最高勝率)で、ポストシーズンに進出するも、あと一歩の所で名門ニューヨーク・ヤンキースに敗北します。また、球団に所属する選手の年俸の合計は、ヤンキースはMLB内で1位の球団で、アスレチックスは当時、30球団で28位でした。そして、オフシーズンには、FAで主力三選手が退団するアスレチックスの戦力低下は誰の目にも明らかで、野球はいつの間にか、資金力で勝敗を決める、「マネーボール」と化していたのですが、、、。

主演のブラッド・ピットは、実在のオークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー(GM)で、球団の選手入団・トレード等の放出、そして球団経営に絶大な権力を持つ人物のビリー・ビーン役です。また、FAで抜けた主力三選手の穴をどうやて埋めるか、それも金銭的にもかなり厳しいアスレチックスで、いかに調達するか、悩んでいました。

そんな時、彼は一人の人物とあいます。その人物はエール大学で経済学を学んだ、選手としての野球経験は全ない人物ですが、当時のスカウト人とは異なり、経験ではなく数値に基づいた評価をしておりました。また、その評価も、当時も今も重要視されるデータ(例えば、打率とか)による評価ではなく、出塁率などによる評価でした。
※打率は、打席数の内、犠打や犠飛、四死球を除いた打数で安打数を割ったもので、現在も最高打率の選手には、首位打者というタイトルを得ます。しかし、出塁率は、打席数で安打・犠打・犠飛・四死球の合計を割ったものです(厳密に言えば、打撃妨害や守備妨害の数値も考慮されるのですが、省略します)。
※打率では、打者にとってマイナス要素である犠打や犠飛(自分はアウトになるものの、走者を進める)は考慮されません。しかし、打者にとってプラス要素である四死球(打てなかったものの一塁に進む)も考慮されません。

こうして、貧乏球団で主力が抜けたものの新しい評価で、他球団からは低評価の選手を安い金額で獲得し、金満球団に立ち向かっていく事になります。

以上までが、あらすじです。

私自身、野球や野球の記録には疎いのですが、打率だけでなく、出塁率や長打率といった、1990年代~2000年代初めまではあまり見向きされなかった数字が見直され、反対に打者の打率、投手の防御率といった、主要タイトルの数字であっても、試合の勝敗にあまり寄与しないと見る、新たな数字の見方がされるようになったのを覚えています(詳細までは不明ですが、2000年代の中頃から我が国でも、セイバーメトリクスという統計に基づいた新たな分析がされるようになったのを憶えています)。

また、この映画はドラマですので、主役のGMや補佐、選手、家族などのドラマですので、あまり細かい数字にまでは踏み込まないであろう事は想定内でしたが、案の定そうでしたが、私のような野球に詳しくない者でも楽しめましたので、よかったと思います。
(セイバーメトリクスの詳細な分析には、以前、挫折してしまいましたが、少しずつ、復習していきたいとは思っております)

この映画は、MLB機構の協力の下、過去の実際の画像や映像も多数取り込まれていたのは良かったです。また、主演のブラピは中年役で、昔よりもカッコよくないものの、実在のビーン氏よりは美化しすぎかも(汗)。
(ビーン氏自身、ドラフトでメッツに1順目指名された、選手としても有望株(ミート力・パワー・走力と守備の早さ・守備力・送球の正確さといった5ツールをすべて持った選手と評価されました)でしたが、現役時代は泣かず飛ばずで終わり、スカウトの評価に疑問を持っており、その評価をより分かる数字で判断したかったのでしょう)

ま、野球○カにも、そうでない方にも楽しめる作品だと思います。

(映画のラストでありました、離婚で時々しか会えない娘が言った「パパはバカだ、もっと”野球”を楽しめばいいのに」というのは、ファンなど気楽な方ではそうでしょうけど、野球を生業にしている者には無理だろうな、心の中でツッコミながらでしたが、、、(汗))
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