本書は、介護保険や国民健康保険制度を悪用し、金儲けのために公金を横領するのみならず、高齢者の健康と生命をないがしろにする介護ビジネスの実態が、とてもよくわかる内容となっている。
なにより周到な取材をとおして、実態を究明しているところが良い。分量も多く、質量ともに充実した、実態究明と問題解決の方途を示した良書といえる。
10兆円の巨大市場に巣くう悪徳業者たち。入居者の「囲い込み」は当たり前、増加する「老人ホームもどき」、「看取り」サービスの裏側、「胃ろう」の功罪、高齢者を“儲けの道具”と考える不届きな事業者が跋扈…。家族の弱みにつけ込む悪質な手口を徹底解剖!
目次
第1章 入居者の「囲い込み」は当たり前―ケアマネジャーは敵か味方か
介護の劣化をもたらした「サ高住」
資産活用で建設需要の掘り起こし ほか
第2章 “二四時間・三六五日対応”のウソ―患者紹介ビジネスと在宅医療の問題点
来てほしいときに来てくれない「在宅医療」のワケ
紹介料は一人あたり月八〇〇〇円 ほか
第3章 「老人ホームもどき」の増加にご注意―悪いのは事業者?それとも行政?
高齢者虐待防止法に抵触
増加する「老人ホームもどき」の弊害 ほか
第4章 家族の弱みにつけ込む「看取り」ビジネス―救急車を呼ばず延命措置もしないワケ
続出する胃ろう難民
やたらと多い小窓のワケ ほか
第5章 「胃ろう」の功罪と解決策のヒント―求められるケアの改革
「尊厳死の法制化」は誰のため?
障害者団体が抱く危機感 ほか
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