亀山早苗,2012,オンナを降りない女たち オトコを降りる男たち,新潮社.(8.23.24)
出産しようと中年になろうとキレイなままの「美魔女」たち。バブル時代に青春を謳歌し、「恋愛至上主義」が蔓延るなかで大人になった彼女らは“年相応に老いる”ことさえ拒むのか。降りようにも降りられない「オンナ」という道はいったいどこへと至るのか。それを見る男たちの本音とは?男女の心と体の深淵を追求し続けてきたルポライターによる、これ以上ない赤裸々なレポート。
亀山さんはわたしよりいっこ上、ほぼ同世代である。
「国民皆婚」の最後の時代に思春期をおくり、バブル期を頂点に、異性愛強制規範、「恋愛至上主義」に突き動かされ、だれもが発情していた、あの世代。
ラブバラードに、ユーミンに、「金曜日の妻たちへ」、「東京ラブストーリー」にと、発情を煽るカルチャーの影響をもろに受け続けた、あの世代。
と、大げさに言ったところで私の目標。
「七十歳になっても男を勃起させられる女を目指す」
(p.216)
はいはい、勝手に目指してくださーい、わろすわろす。
でも、わたしは、亀山さんのようにホモソーシャルな男社会にうまく適応して生きてきた女よりも、故雨宮まみさんのような「こじらせ女」の方に深く共感する(女子をこじらせて)。
目次
第1章 大人の女を取り巻く現状
アンチエイジングから美魔女ブームへ
女としての意気込み ほか
第2章 女たちの本音
「きれいでいなくちゃ」というプレッシャー
「きれい」の目的 ほか
第3章 男たちはそんな女をどう思うのか
妻への思い
男も「オトコ」でいたい? ほか
第4章 五十歳からをどう生きる?
韓流にはまる女たち
介護と子どものことで疲弊、無理解の夫に苛立って ほか