本と音楽とねこと

赤松啓介先生の差別語表現について

 赤松啓介先生の『差別の民俗学』を引用紹介した記事が公開停止処分となった。

(『差別の民俗学』からの引用文にある)差別表現などの不適切な表現

が問題なのだという。

 赤松先生は、播磨地方にかつてあった、部落差別、ハンセン病患者、障がい者や精神病者への差別の実態を克明に再現するために、あえて、実際に使われていた差別表現を用いた。
 差別語を使用しなかったら、かつてあった差別の実態が正確に伝わらない。

 ポリコレの害悪がこんなところにも現れているわけだ。

 将来、赤松先生の著作が焚書にされるような怖ろしい世界──レイ・ブラッドベリが『華氏451』で描いたディストピアを想起してしまう。

 それから、

現在この記事は公開を停止させていただいております

 とのことだが、この敬語表現にも強い違和感をもつ。

させていただいて ???

 厳しい言い方をすれば、

 言論を封殺しておいて、言葉のうえだけでへりくだる。

 こうした事なかれ主義が、わたしたちの思想、良心、表現の自由を奪い取っていく。

 憂慮すべき事態ではないだろうか。


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